シロアリ駆除

【プロが監修】シロアリ対策の完全ガイド|自分でできる予防法から業者依頼の費用相場まで徹底解説

サムネイル シロアリ対策

この記事の監修者

「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。

ROY株式会社

シロアリは日本国内のほぼ全域に生息しており、木造住宅だけでなく、鉄骨造やRC造の住宅にも被害をもたらします。

シロアリによる被害は人目につかない床下や壁の内部で静かに進行します。気づいたときには住宅の土台や柱が深刻なダメージを受けていた、というケースは多いです。

一方で、シロアリ対策をネット上で調べても断片的な情報しかなく、「結局、何をすればいいのかわからない」とお困りの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、シロアリ対策の具体的な方法について網羅的に解説します。少しでも不安を感じている方は、ぜひ最後までお読みください。

※1 一部エリア、再発保証が付いている場合のみ。発生箇所と同一の場所、シロアリの種類も同じ場合のみ適用。
※2 対応エリア・加盟店・現場状況などにより記載の通りには対応できない場合があります。
※3 面積が66㎡未満の場合は一律80,000円(税込み)になります。ヤマトシロアリに限ります(カンザイシロアリなど他のシロアリは別途見積り)。
※4 薬剤はタケロックアジェンダを採用します。その他の特殊な薬剤・油剤は別途見積りとなります。

このような方におすすめ

  • シロアリ対策の具体的な方法がわからず、漠然とした不安を抱えている方
  • シロアリ対策にかかる費用の目安を知りたい方
  • 自分でできる対策と、業者に任せるべき対策の違いを知りたい方

シロアリ対策とは|「予防」「駆除」の2種類

「シロアリ対策」と一口に言っても、多様な方法があります。

まずは対策の種類と、「自分でできること」と「業者に依頼すべきもの」の違いを解説します。

シロアリ対策は大きく「予防」「駆除」の2つに分かれる

シロアリ対策の代表的な工法

シロアリ対策とは、シロアリによる住宅の被害を防ぐための取り組みです。具体的には、「予防(被害が起きる前におこなう対策)」と「駆除(すでに発生した被害への対処)」の2つに分類されます。

予防とは、シロアリがまだ侵入していない住宅に対して薬剤散布や環境整備をおこない、侵入・繁殖を未然に防ぐ取り組みです。

駆除は、すでにシロアリが侵食を始めている住宅に対し、シロアリを死滅させる施工を指します。

多くの方が「シロアリの被害が出てから対処すればいい」と考えがちですが、駆除の場合は薬剤処理費用に加えて侵食された構造材の修繕費用が上乗せされます。

その結果、予防費用の数倍〜十数倍のコストになるケースもあるのです。

高額な修繕費用を避けるためにも、費用対効果のもっとも高い「定期的な予防」を検討しましょう。

シロアリ対策には「自分でできるもの」「業者に依頼すべきもの」がある

シロアリ対策には、「自分でできること」と「業者に依頼すべきこと」があります。

一般の方がご自身でおこなえる対策は、主にシロアリを寄せ付けにくくするための環境づくり(予防)です。

一方、すでに侵入してしまったシロアリの駆除については、業者へ依頼することをおすすめします。見えない壁の内部や床下に、安全かつ確実にアプローチするには専門機材と知識が不可欠です。

なかには「市販の殺虫スプレーで自分で駆除できないか」と考える方もいるかもしれません。しかし、スプレーやくん煙剤の使用は根本的な解決になりません。

殺虫スプレーによる強い刺激を受けたシロアリは、危険を察知し住宅のさらに奥深くへ潜って被害を拡大させてしまうおそれがあります。

シロアリ被害を確実に食い止めるためにも、まずは以下の表でそれぞれの対策の全体像を整理しておきましょう。詳しい手順については、後ほど解説します。

自分でできる対策 業者に依頼すべき対策
予防 ・住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ
・除湿の徹底で床下の湿度を下げる
・住宅基礎部分のひび割れを点検
・配管周りの隙間を点検
・木製構造物・庭木などの防腐処理
・家族にシロアリ被害の兆候を共有する
・シロアリ駆除業者による無料点検を利用する
・床下点検口をつける
・床下換気扇の設置
・土壌表面シート敷設工法
・床下調湿材の設置
・床下防腐防カビ殺菌消毒
駆除 ・ベイト剤を設置する ・バリア工法
・ベイト工法
・穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法

シロアリ対策はなぜ必要?放置した場合のリスクと対策の重要性

「うちはまだ大丈夫だろう」と感じている方こそ、注意が必要です。シロアリの被害は見えないところで静かに進行するため、気づいたときには深刻な状態になっている可能性があります。

ここでは、シロアリを放置した場合に起こりうるリスクと対策の重要性を解説します。

シロアリ被害は見えないところで進行する

侵食された木材断面

シロアリは、木材の表面ではなく内部を食べ進める害虫です。柱や土台、床下の構造材を内側から空洞化させるため、被害が進行していても外見ではほとんど気づきません

内部の侵食が進むと叩いたときに「コンコン」という軽い空洞音が鳴るため、駆除業者はこの音の変化を手がかりに被害状況を診断します。

シロアリ被害がもたらす建物の耐久度低下

倒壊した住宅

シロアリによる住宅被害は深刻な問題です。

野外の実大材試験では、断面がわずか16%減少しただけで圧縮強度と曲げ強度が約半分にまで低下しました。肉眼で確認できる見た目の侵食度よりも、実際の強度低下は激しいのです。

こうした木材の強度低下は、住宅全体の耐震性に直結します。1995年の阪神淡路大震災では、全壊した住宅の多くがシロアリ被害を受けていたことが調査で明らかになっています。

淡路大震災_出典_消防防災博物館

出典:平成7年阪神・淡路大震災|消防防災博物館

2016年の熊本地震でも、シロアリ被害が原因で倒壊した住宅があったことが報告されています。

熊本地震_出典_毎日新聞

出典:熊本地震 立ち入り危険建物が3分の1以上|毎日新聞

参考

被害が集中しやすいのは床下基礎の見えない部分

被害が集中しやすいのは床下基礎の見えない部分

日本国内で被害件数がもっとも多いのは、ヤマトシロアリとイエシロアリです。これらは、地中から基礎のひび割れや配管周りの隙間を通じて侵入します。

そのため、被害は「基礎→床下→1階の床材・壁・柱」という経路で進行しやすいです。

いずれも普段目にすることのない場所から侵食が始まるため、気づかないうちに土台や柱が内側から食い荒らされているケースが多発しています。

被害が集中しやすい箇所は以下の通りです。

  • 床下の土台・大引き・根太
  • 1階の柱・間柱・壁内の木材
  • 玄関・浴室・洗面所など水まわりに隣接する木部

シロアリの被害は、「1階の床下だけ」「木造住宅だけ」にとどまりません。放置すれば住宅全体へ侵食が広がり、2階以上の木部がダメージを受けるケースもあります。

また鉄骨造やRC造であっても、内装の木材(フローリング・建具など)や断熱材が侵食された事例もあります。

「床下だけ気をつければいい」「木造でないから安心」という思い込みは危険なので注意しましょう。

修繕・リフォーム費用が対策費用よりも高くつく

シロアリ被害が住宅の建て替えにまで至るケースはまれです。しかし、被害箇所の補修・補強には相応の費用がかかります。修繕・リフォームの費用相場は以下の通りです。

補修場所(1カ所あたり) 相場
床下の補強(腐食した木材の交換など) 20~50万円程度
柱の補強 10~50万円程度
床材の張り替え 100〜200万円程度
柱の交換 100〜200万円程度
建物基礎部分の補強 200万円以上
屋根や梁の修繕 200万円以上

シロアリ被害が比較的軽微なうちに対策をおこなえば、大規模な修繕・リフォームを避けられます。結果的に、トータルの支出を抑えることが可能です。

シロアリの種類と特徴|日本で被害をもたらす4種類を解説

シロアリ種類別の被害発生割合

世界には約3,000種類以上のシロアリが生息していますが、そのなかで住宅に被害を与えるのは104種類とされています。

日本国内で確認されているシロアリは24種類。そのうち現在、日本国内の住宅に被害をもたらす主要なシロアリは4種類です。

ヤマトシロアリ|日本の被害の9割以上を占めるもっとも一般的な種類

見た目
職アリ(働きアリ)
ヤマトシロアリ 横
見た目
羽アリ
ヤマトシロアリ 横
体長 4.5〜7.5mm
分布 北海道北部をのぞく、日本全土(北限は北海道名寄市)
羽アリの発生時期 ・沖縄では2〜3月
・関東から九州では4月~5月
・北海道から東北では6月頃

ヤマトシロアリは生息範囲が広く、日本国内のシロアリ被害の90%以上を占めます。

国内でもっとも一般的な種類であり、軟らかい低密度の木材を好みます。とくに、マツ・モミ・セン・ホワイトウッド・ブナの被害が大きくなりやすいです。

ヤマトシロアリは乾燥に弱く、1日水分が摂取できないだけで正常な活動が困難になります。

ただし、結露や水漏れによって水分が供給される環境では注意が必要です。シロアリは水分を摂取しながら移動できるため、住宅全体に被害が拡大しかねません。

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イエシロアリ|被害規模が甚大で要警戒の種類

見た目
職アリ(働きアリ)
イエシロアリ職蟻 横
見た目
羽アリ
イエシロアリ羽アリ横
体長 7.4〜9.4mm
分布 千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域と小笠原諸島
羽アリの発生時期 ・沖縄や小笠原では5月下旬
・本州では6月〜7月上旬

イエシロアリは日本国内での被害件数が2番目に多く、全体に占める割合は7〜8%程度です。

あらゆるシロアリのなかでも被害が大きい種類として世界中で知られており、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。

巣のサイズは大きいもので直径1mに及び、一つの巣に住む個体数は100万匹にも達します。イエシロアリは、この大規模な巣を中心に半径100mにおよぶ範囲で被害をもたらし、複数の住宅に同時に被害を与えることもあるのです。

またイエシロアリは、ヤマトシロアリよりも乾燥に強い点も特徴の一つです。自ら水を運ぶための「水取り蟻道(ぎどう)」を構築し、地下水などから積極的に水分を補給します。

蟻道とは、シロアリが地中から建物内に侵入するためにつくるトンネル状の通路です。

さらに、体内にある唾液嚢(だえきのう)に水を蓄え、乾燥した場所を湿らせながら侵食範囲を広げます。

この水分管理能力により、通常シロアリが到達しにくい乾燥した場所でも被害が発生するおそれがあるのです。

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アメリカカンザイシロアリ|外来種で駆除困難な厄介者

見た目
職アリ(働きアリ)
アメリカカンザイシロアリ職蟻 横
見た目
羽アリ
アメリカカンザイシロアリ羽アリ
体長 6~8mm
分布 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在
羽アリの発生時期 ・東日本では5月頃
・西日本では10月~11月頃

アメリカカンザイシロアリは、アメリカのワシントン州からメキシコ・カリフォルニア半島にかけて太平洋沿岸に生息する種類です。家具や荷造材とともに日本へ持ち込まれました。

アメリカカンザイシロアリの被害場所に関する調査によると、被害全体の39%を屋根裏の小屋組部材が占めています。次いで、外構部材23%、室内部材20%、床下部材10%、家具3%の順に被害が確認されています。

参考

中島正夫(2006).関東支部における蟻害・腐朽を対象とした床下実態調査の概要 しろあり.No.145.27-33.

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ダイコクシロアリ|奄美大島以南に生息する南方系の種類

見た目
職アリ(働きアリ)
ダイコクシロアリの職アリ_横
見た目
羽アリ
ダイコクシロアリ羽アリ
体長 5~6mm
分布 奄美大島以南と小笠原諸島
羽アリの発生時期 不定期(1年中)

ダイコクシロアリは、世界の熱帯地方に多く生息しています。和名は、兵蟻の頭部が大黒頭巾に似ていることに由来します。

乾燥に極めて強く、ピアノ・ステレオ・机・タンスなどでの被害も報告されているのが大きな特徴です。被害場所はアメリカカンザイシロアリと同様に屋根裏の小屋組部材などに集中しています。

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シロアリとクロアリの見分け方|間違えやすいポイント

シロアリとクロアリの見分け方

シロアリを見かけた際に「クロアリとどう違うのか」と迷う方も多いです。

シロアリは分類上「ゴキブリの仲間(ゴキブリ目)」であり、クロアリは「ハチの仲間(ハチ目)」に属するまったく別の生き物です。

比較ポイント シロアリ クロアリ
胴体 くびれがなく寸胴 腰がくびれている
触覚 数珠状で直線的 くの字に曲がっている
羽の大きさ 前後の羽がほぼ同じ大きさ 前翅が後翅より大きい
羽アリの発生時期 種類により4〜7月が中心 それ以外の時期にも見られる

なお、クロアリはシロアリを捕食する天敵です。特定の場所にクロアリが大量に群がっていたら、すぐ近くにシロアリの巣が潜んでいるおそれがあります。

「クロアリだから心配ない」と見過ごさず、周辺のシロアリ被害を疑いましょう。

シロアリ対策の適切な時期

シロアリ対策はいつおこなえばよいのでしょうか。ここでは、薬剤の効果持続期間と季節ごとの活動特性をもとに、予防・駆除それぞれの適切なタイミングを解説します。

シロアリ対策は5年周期が基本

防蟻処理に使用される薬剤の効果持続期間は、一般的に5年程度です。多くの業者が施工後5年の保証期間を設けており、その期間中は無償点検や再施工が受けられます。

新築時に防蟻処理をおこなった住宅であっても、築5年を過ぎたら再処理を検討しましょう。

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シロアリ予防は、季節ごとにやるべきことが変わる

シロアリの時期別チェックポイント

シロアリは1年中活動しており、季節ごとに活動レベルや注意すべきポイントが異なります。効果的な予防をおこなうには、各季節の特徴を理解した対策が重要です。

全時期共通|湿気を溜めない、不要な木材を放置しない

シロアリは湿気を好みます。そのため、以下の点を意識して、湿気を溜めないようにしてください。

  • 風呂場・キッチンなど水まわりはこまめに換気して乾燥させる
  • 押し入れ・クローゼットは定期的に換気する
  • 床下の通気性を高めて清潔に保つ
  • 換気口・通気口の近くにものを置かない
  • エアコンの室外機から出る水や植物の水受け皿はこまめに掃除する
  • 屋根や外壁に雨漏りカ所がないか定期的に確認する
  • 水まわりの排水管で水漏れがないか定期的に確認する
  • 段ボールや新聞紙を放置しない(セルロースを含みシロアリの好物のため)
  • 床下や庭に木材などを置かない

春(3月〜5月)|羽アリ発生前の重要な予防時期

シロアリは、気温の上昇とともに活動が活発化します。とくに、ヤマトシロアリの羽アリは4月下旬頃から発生し始めるため、周辺からの侵入リスクに注意が必要です。

冬に蓄積した落ち葉や廃材の撤去、不要なガーデニング用品・木製品の整理をおこない、シロアリの餌になるものを極力なくしましょう。

夏(6月〜9月)|高温多湿環境をつくらない

梅雨の時期は、湿度が急上昇しシロアリが活発化します。除湿機やエアコンのドライ機能を活用して室内の湿度を下げましょう

床下換気扇が設置されている住宅は、稼働状況を確認してください。

秋冬(10月〜2月)|来年に向けた点検・準備の時期

気温が下がるにつれてシロアリの活動は鈍化し、羽アリの群飛も起こらなくなります。シロアリ被害がないか、今一度住宅の中の柱や床下木材を点検しましょう。

秋冬はシロアリ駆除業者の閑散期にあたり、診断・施工ともに予約が取りやすい時期です。専門業者による薬剤散布などの予防処理を検討している方は、この時期の相談がおすすめです。

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シロアリの時期別チェックポイント

シロアリは、1年中活動しています。そのまま放置すると被害は広がり続けるため、もし見つけた場合は、すぐに対処することが重要です。

とくに高温多湿でシロアリが活発化しやすい梅雨の時期に突入する前は、シロアリが住宅に潜んでいないかをしっかり確認しましょう。

4月下旬~8月|羽アリの痕跡をチェック

窓辺に落ちたシロアリの羽

窓際、ベランダ、玄関などに羽アリの死骸がないか確認しましょう。群飛した羽アリは着地後に羽を落とすため、羽だけが落ちているケースもあります。

ヤマトシロアリは午前中、イエシロアリは日没後に群飛する習性があるため、午前中の確認が効率的です。

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梅雨時期~8月|蟻道のチェック

床下蟻道

ヤマトシロアリやイエシロアリが活発化するこの時期は、蟻道の出現がシロアリ活動のサインです。

蟻道の主な付着場所は、基礎の立ち上がり部分・床下の配管・壁の隙間・ウッドデッキの裏などです。

発見した場合は壊さずに、すぐシロアリ駆除業者へ調査を依頼してください。目の前の蟻道を壊しても、巣がある限り新しいものがすぐにつくられます。

また、蟻道を壊すことでシロアリが警戒し、より見えにくい場所に潜伏するおそれがあるので注意が必要です。

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時期に限らずチェックすべきポイント

特定の時期に限らず、日常的に点検しておきたいポイントは以下の通りです。

  • 住宅の中の木材
  • 庭にある木製構造物

それぞれの場所での注意点を解説します。

住宅の中の木材

シロアリ被害 柱

住宅の中では、柱や床といった建物を支える重要な木材に小さな穴や崩れがないかを確認しましょう。

シロアリ被害 畳

歩くたびに床がきしんだり、畳やフローリングがふわふわと沈んだりする感覚がある場合も注意が必要です。

シロアリは木材のほかに、畳の芯に使用されている藁(わら)も好みます。畳を外して、裏側や畳下板に「蟻土(ぎど)」と呼ばれる茶色い土の塊がないかを確認しましょう。

蟻土はシロアリが土や木屑、排泄物を分泌物で固めてつくったものです。これが見られる場合は、被害がすでに他の場所にも及んでいるケースが多く危険です。

壁を叩く

住宅の柱や壁を叩いて、空洞音がないかを確認しましょう。

シロアリの被害を受けていない木材は、中身が詰まっているため叩くと重い音がします。一方で、被害にあっている木材は内部が空洞になり、叩くと「コンコン」と軽い音が鳴ります。

庭にある木製構造物

侵食を受けた木造構造物

住宅の外の木材も定期的に確認が必要です。とくに注意すべき箇所は以下の通りです。

  • ウッドデッキ
  • 木製フェンス
  • 木製の門柱
  • 庭の枕木や杭
  • 放置された木材
  • 切り株
  • 古い段ボール
  • 木質系の物置

自分でできるシロアリ対策

ここからは、自分でできるシロアリ予防と駆除の方法を紹介します。

自分でできるシロアリ予防

シロアリ被害から住宅を守るには、シロアリを寄せ付けない環境づくりが大切です。ただし、すでにシロアリが侵入している場合は予防策の効果が期待できませんので、駆除を優先してください。

自分でできる主なシロアリ予防は以下の通りです。

  • 住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ
  • 除湿の徹底で床下の湿度を下げる
  • 住宅の基礎部分のひび割れを点検する
  • 配管周りの隙間を点検する
  • 木製構造物・庭木などの防腐処理をおこなう
  • 家族にシロアリ被害の兆候を共有する
  • シロアリ駆除業者による無料点検を利用する

住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ

ダンボール被害凹み

シロアリは、木材やセルロースを含む段ボールなどを好んで餌にします。

これらを住宅の周辺に放置するとシロアリを引き寄せてしまうため、こまめに片付けましょう。とくに以下の放置物には注意が必要です。

  • 使用済みの木材や廃材
  • 段ボール箱
  • 古新聞や雑誌の束
  • 枯れ枝や落ち葉の堆積

片付けのタイミングは、年末の大掃除に合わせるのがおすすめです。シロアリが活発化する春になる前に、あらかじめ餌となるものを撤去しておくことで、被害を未然に防ぐ効果が高まります。

除湿の徹底で床下の湿度を下げる

床下換気口

床下換気口の周辺が物で塞がれていないか、雨水が溜まっていないかを確認しましょう。

シロアリが好む湿度は70〜80%程度です。この数値を下回る環境を維持することで、被害リスクの軽減が期待できます。

とくに梅雨〜夏(6月〜9月)はシロアリがもっとも活発化する高温多湿シーズンです。この時期は、湿気が溜まりやすい環境がないか入念にチェックしてください。

すでに床下換気扇が設置されている住宅は、本格的なシーズンを前に稼働を開始しましょう。稼働の際は、毎日自動で送風が行われるようタイマーを設定しておくのがおすすめです。

床下換気扇のタイマー設定のポイントは以下の通りです。

  • 稼働時間:「朝10:00〜昼15:00」など日中の時間帯に設定する
  • 雨の日でも稼働:床下に空気の流れを作ることが目的なので、外の天候に関係なく毎日稼働させる

住宅の基礎部分のひび割れを点検

外壁ひび割れ

住宅の基礎部分を定期的に点検することで、シロアリの侵入経路を発見しやすくなります。

ひび割れの原因は、乾燥による収縮、気温変化、地震によるものなどさまざまですが、0.5mm以上のひび割れがあればシロアリは侵入可能です。

ひび割れを発見した場合は、市販の基礎・ブロック塀用補修材を使って応急処置をおこなう方法もあります。被害を確実に防ぐなら、外壁塗装会社などの専門業者に依頼しましょう。

点検するタイミングは、シロアリの活動が落ち着いている冬(12月〜2月)がおすすめです。年末の大掃除に合わせて基礎まわりをチェックしておくと、シロアリが活発化する春までに余裕をもって補修を済ませることができます。

配管周りの隙間を点検

パイプ隙間

基礎のひび割れと同じく、水道管やガス管など外壁や基礎を貫通して家の中へつながるパイプ周辺の隙間も、シロアリの侵入経路になります。

こうした隙間を埋める場合、外壁塗装などをおこなう専門業者へ依頼するのがもっとも確実です。

市販のシーリング材を使って一時的な応急処置をおこなう方法もありますが、配管の素材とシーリング材の相性が悪い場合もあるため注意が必要です。

とくにポリウレタン系のシーリング材は、塩ビ管を劣化させるおそれがあります。

自分で処置をする際は、配管とシーリング材の成分を調べ、使用しても問題ないかを確認しましょう。

隙間がないかのチェック自体は自分ですぐにおこなえます。先ほどの基礎のひび割れ点検とあわせて、年末の大掃除のタイミングでまとめて確認しておくのが効率的でおすすめです。

木製構造物・庭木などの防腐処理

住宅の外構に設置されたウッドデッキや木製フェンス、木製門柱などは、地面や雨水に直接触れやすいため、シロアリに侵食されやすい場所です。

実際、住宅本体よりも先に外構から被害が始まるケースも多く見られます。

対策としては、防腐・防蟻塗料の塗り直しを定期的におこなうことが重要です。木材の保護膜を整えておくことで、シロアリが活発化する梅雨から夏にかけての被害を防げます。

点検の際には、塗料が剥がれたり色褪せたりしている部分がないかよく確認してください。もし「穴が空いている」「蟻道がついている」など、すでに被害の兆候が見られる場合は、住宅本体まで被害が及んでいないか、駆除業者へ調査依頼をしましょう。

なお、庭に放置された切り株や枯れ木などもシロアリの格好の巣になります。そのままにせず、早めに撤去しておくことが大切です。

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家族にシロアリ被害の兆候を共有する

家族にシロアリ被害の兆候を共有する

シロアリ対策において、家族内での情報共有は重要です。

たとえご自身がシロアリへの危機意識をもっていても、同居する家族が無関心のままでは異変に気づけません。とくに2世帯・3世帯住宅では、情報共有がうまくいかず被害が放置されがちです。

そのような事態を避けるためにも、以下の項目を家族で共有しておきましょう。

  • 羽アリの死骸や抜け落ちた羽が窓際・玄関・ベランダに落ちていないか
  • 基礎や柱の表面に蟻道(泥のトンネル状の通路)が作られていないか
  • 水まわりや屋根まわりで水漏れ・雨漏りが起きていないか

また、家族との情報共有がしっかりできていないと、駆除業者に依頼する段階で方針をめぐるトラブルになりかねません。スムーズに対応できるよう、日頃から話し合いの機会を設けましょう

シロアリ駆除業者による無料点検を利用する

シロアリ駆除業者のなかには、床下の状況確認や被害の有無を無料で診断するサービスを提供しているところがあります。

専門家から診断を受けることで、被害状況や湿気の程度などシロアリが侵入しやすい箇所を確認してもらえます。

「問題なし」と確認できれば安心して生活を送れますし、「要注意箇所あり」と判明すれば早めの対処が可能です。現状を把握しておくこと自体が、シロアリ予防につながるのです。

なお、シロアリお助け本舗では、無料点検を実施しています。シロアリ駆除業者へのご利用を検討中の方は、お気軽にご相談ください。

自分でできるシロアリ駆除

シロアリ駆除を自分でおこなう場合、毒餌を使って巣を根絶する「ベイト工法」が現実的です。専用の薬剤はホームセンターやネットショップでも購入できるため、一般の方でも入手可能です。

さらに、ベイト工法の施工に必要な準備・作業は「住宅の外周に沿ってベイト剤を埋め、定期的に確認・交換をする」という内容で、駆除業者でなくても実施できます。

具体的な手順は以下の通りです。

手順1)住宅の周りを確認し、ベイト剤が埋められる土壌であることを確かめる
手順2)ベイト剤の必要数を計算してから購入する
手順3)作業に必要な道具を準備する
手順4)ベイト剤を住宅の周りに埋める
手順5)1〜2ヶ月後、ベイト剤の周りにシロアリが集まっているかを確認する
手順6)各ベイト剤の有効期間に従って回収・交換をおこなう

DIYの最大のメリットは、駆除費用を抑えられることです。

ベイト工法にかかる費用は、ベイト剤の設置個数と1カ所あたりの設置費用を掛け合わせて算出されます。

駆除業者に依頼した場合とDIYでおこなった場合の、設置費用の相場は以下の通りです。なお、一般的な住宅の総額は敷地面積約30坪、外周40mの場合を想定しています。

駆除業者に依頼した場合 DIYをした場合
1カ所あたりの設置費用 3,000円〜5,000円 400円~600円
一般的な住宅の総額
120,000円〜200,000円 16,000円〜24,000円

ただし、DIYには以下の懸念があります。

  • 一般家庭用のベイト剤は、業者用に比べて殺蟻成分が少ない
  • 定期確認の手間がかかる
  • 失敗時のリスクが高い

一般家庭用のベイト剤は、業者用に比べて殺蟻成分が少ない

市販の薬剤は業者用に比べて有効成分の量が少なく、一般的には3〜10倍もの濃度差があります。

そのため、巨大な巣を駆除する場合は、時間がかかったり、完全に駆除しきれなかったりするおそれがあります。

気になる方はベイト剤を多めに用意しておき、こまめに入れ替えるようにしましょう。

定期確認の手間がかかる

ベイト工法は薬剤を埋めて終わりではなく、「シロアリがきちんと食いついているか」「薬剤が切れていないか」を定期的に観察しなければなりません。チェックする頻度は、おおよそ月に1回程度です。

しかし、住宅周辺の至る所に埋めたベイト剤を定期的に取り出して確認するのは手間がかかります。途中でやめてしまう方も多いのが実情です。

この経過観察を怠ると、せっかくの施工も意味がなくなってしまいます。

失敗時のリスクが高い

ベイト工法は、効果が出るまでに数ヶ月から半年かかる施工方法です。そのため、失敗したことがわかるのも数ヶ月後になります。

例えば、個体の体重が3.5㎎のイエシロアリの場合、1日に体重の50分の1程度の木材を食べることが実験の結果で分かっています。

イエシロアリの一般的な規模の集団は約100万頭であり、1日に約70gの木材を消費していることになるのです。

失敗に気づかず半年間放置すると、約12.6㎏もの木材が食べられる計算になり、これは住宅を支えるスギの柱(10㎝角・長さ3m)1本半に相当します。

このように、DIYでの駆除失敗は被害を拡大させるリスクが高いです。少しでも怖いと感じる方は、専門の業者へ依頼することをおすすめします。

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プロに依頼すべきシロアリ対策

プロへ依頼するときは、シロアリ被害の現状や依頼したい内容について、家族間で情報共有をしておきましょう。

事前の話し合いが不足していると、いざ依頼する段階になってから「依頼先の業者」「かけられる費用」「具体的な施工内容」といった駆除方針で揉めてしまうケースがあります。

スムーズに依頼できなければ、その間にもシロアリ被害の進行を許してしまいます。そうならないためにも、事前のケアをしっかりとおこないましょう。

プロに依頼すべきシロアリ駆除・予防工事

プロの業者に依頼することで、専用薬剤による予防と駆除を兼ね備えた工事を受けられます。依頼料はかかりますが、自分でおこなうよりも高い効果が期待できます。

代表的な防除工事(駆除・予防)は以下の3つです。

  • バリア工法
  • ベイト工法
  • 穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法

バリア工法

alt_サムネイル バリア工法

バリア工法は、シロアリ駆除・予防においてもっとも一般的で歴史のある施工方法です。

住宅の床下部分の土壌にシロアリ駆除・予防のための薬剤を満遍なく散布し、すでに土中に侵入しているシロアリを駆除します。同時に、新しいシロアリが侵入できない層(バリア層)をつくるのが特徴です。

バリア工法

バリア工法の工事手順

バリア工法の工事手順は以下の通りです。

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)床下作業のための準備をおこなう
手順3)木材部分への薬剤散布
手順4)土壌全体への薬剤散布
手順5)床下以外の場所への薬剤注入

事前調査では、主に以下のような項目をチェックします。

  • 対象とする建築物の周囲、敷地内の状況
  • シロアリの生息が認められる時は、その場所及び被害実態
  • 採餌蟻道、周辺の植生・材木・廃材等
  • シロアリの活動が及ぶ可能性の高い場所
  • 日当たりの悪い場所、雨漏りのする場所、軒下、台所・風呂場・洗面所・便所等の水まわり等

調査の結果、住宅の基礎部分で使われている木材にシロアリ被害が発見された場合、その場所や被害状況に合わせた処理をおこないます。

その後、専用の機材を使いながら、土壌全体に満遍なく薬剤が染み込むように散布作業を進めるのが基本的な流れです。

また、玄関や勝手口、土間など「床下が存在しない部分」からのシロアリの侵入が確認された箇所については、その該当箇所へ直接、薬剤を注入します。

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バリア工法の費用

バリア工法の施工費用は、1階の床面積によって変わります。

(床面積㎡)×(1㎡あたりの単価)=(バリア工法の施工費用)

また、1㎡あたりの単価は駆除業者ごとに定められており、平均単価は1,000円〜3,000円です。

一般的な住宅の床面積の相場は、以下の通りです。

床面積 バリア工法の費用
30坪 130,000~249,000円
40坪 174,000~332,000円
50坪 247,000~415,000円

住宅の構造や形状によって費用は増減します。上記は目安としてお考えください。

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ベイト工法

ベイト工法

ベイト工法とは、地中にベイト剤と呼ばれる毒餌を仕込み、それをシロアリに持ち帰らせることで巣そのものの根絶を狙うシロアリ駆除・予防の方法です。

ベイト(bait)は「餌」を意味し、日本では平成14年4月に日本シロアリ対策協会により標準工法として定められました。

ベイト工法

ベイト工法の工事手順

ベイト工法の工事手順は以下の通りです。

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)餌を入れた容器の設置場所選定と設置
手順3)定期的に点検をおこない、容器内のシロアリの様子を確認する
手順4)ベイト剤を投与する

バリア工法と同じく、ベイト工法でも施工の前にまずは事前調査をおこないます。

  • 対象とする建築物の周囲、敷地内の状況
  • シロアリの生息が認められる時は、その場所及び被害実態
  • 採餌蟻道、周辺の植生・材木・廃材等
  • シロアリの活動が及ぶ可能性の高い場所
  • 日当たりの悪い場所、雨漏りのする場所、軒下、台所・風呂場・洗面所・便所等の水まわり等

調査をおこなったうえで、シロアリが活動しやすい場所(水まわりや日当たりの悪い場所など)を選定し、住宅の周囲を取り囲むように毒餌を入れた容器を設置します。

その後は1〜2ヶ月ごとに点検し、容器内にシロアリの侵入が確認できたタイミングでベイト剤を投与します。

投与後も定期的に点検し、シロアリが食いつかなくなるまで毒餌の補充を続けるのが基本的な流れです。

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ベイト工法の費用

ベイト工法の料金は住宅の外周長(m)で計算されるのが一般的です。また、最初にかかる設置費用と継続的にかかるメンテナンス費用の2種類があります。

費用の相場は以下の通りです。

設置費用 3,000円〜5,000円/m
メンテナンス費用(年一回) 1,500円/m

実際の住宅における費用例も見てみましょう。

床面積 設置費用 メンテナンス費用(年一回)
30坪(外周40mの場合) 120,000~200,000円 60,000円
40坪(外周50mの場合) 150,000~250,000円 75,000円
50坪(外周60mの場合) 180,000~300,000円 90,000円

一般的な住宅外周の長さは、(坪数)×(1.2〜1.5)程度が目安です。

ベイト工法は継続的な管理が必要なため、支払いのタイミングは業者によって異なります。1ヶ月ごとに支払うプランもあれば、1年ごと、あるいは5年ごとに支払うプランもあります。

なお駐車場や玄関前など、敷地の一部がコンクリートで覆われている場合は、コンクリートに穴をあける工事が必要です。1カ所ごとに追加の工事費用がかかってしまう点にご注意ください。

工事費用(1カ所) 15,000円〜18,000円

コンクリート穴あけ

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穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法

穿孔注入 柱

穿孔注入処理法とは、専用のドリルで木材の1/2以上の深さまで穴をあけ、内部に予防駆除剤を注入する方法です。

床下の土台など普段目にしない部分は直径9mm程度、室内の柱や玄関の木枠など目につく場所は直径6〜9mmの穴をあけて施工します。

薬剤の注入には「加圧して注入する方法」と「圧力を加えない方法」があり、加圧したほうがより深く木材内部へ薬剤を浸透させることが可能です。

また、木材の被害状況によって薬剤の浸透量は変化します。内部の侵食が進んでいる木材ほど空洞に薬剤が多く入り込み、被害の浅い木材にはあまり染み込まず使用する薬剤の量も少なくなります。

一方の穿孔吹付処理法は、モルタル仕上げなどの大壁造の壁に対して、直径3〜6mmのドリルで穴をあけ、ノズルを挿入して壁内部の木材に予防駆除剤を吹き付ける方法です。

どちらの工法も、日本で主要な被害をもたらすシロアリ4種類すべてに効果があります。

すでにシロアリ被害にあっている木材や壁面がある場合に施されることが多く、基本的には単独ではなくバリア工法の一部として施工されます。

そのため、使用する薬剤も床下散布用に調合・希釈したものをそのまま使用し、それぞれの木材の状態に合わせて適量を注入していくのが一般的な流れです。

穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法の工事手順

穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法の工事手順は以下の通りです。

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)柱や壁に専用の機材で穴をあける
手順3)穴から薬剤を注入・散布する
手順4)穴を塞ぎ目立たないように栓をする

穿孔箇所や深さ、数については、住宅の強度、耐震性能、外壁の漏水への影響を考慮しなければなりません。

施工する際は、建築士や工務店と十分に相談したうえでおこないま。また、穿孔吹付処理法における薬剤の吹付量は、1㎡あたり300mLを標準としています。

穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法の費用

一般的に、本工法は単独で実施されることはなく、バリア工法の施工時にセットでおこなわれます。

そのため、施工費用はバリア工法と同様に平米単価で計算されることが多いです。また、1㎡あたりの平均単価は1,000〜3,000円程度です。

住宅の床面積の相場は以下の通りです。

床面積 施工費用
30坪 130,000~249,000円
40坪 174,000~332,000円
50坪 247,000~415,000円

一部箇所及び躯体構造によって費用は変動します。

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プロに依頼すべきシロアリ予防工事

シロアリ予防工事は、駆除業者に依頼することで自分では困難な施工まで実施可能です。依頼料はかかりますが、自分でおこなう予防よりも高い効果が期待できます。

代表的な予防工事は以下の5つです。

  • 床下点検口をつける
  • 床下換気扇の設置
  • 土壌表面シート敷設工法
  • 床下調湿材の設置
  • 床下防腐防カビ殺菌消毒

床下点検口をつける

床下点検口

シロアリは、床下から基礎を伝って住宅に侵入するパターンが一般的です。床下点検口があれば、蟻道などのシロアリの痕跡に早期から気づけるため、被害を最小限に抑えられます

床下点検口は建築基準法では義務付けられておらず、設置されていない住宅も多いです。しかし、定期的に床下の状況を確認するうえで非常に役立つ設備です。

住宅を建てるときから設置しておくことが理想ですが、後からリフォームも可能です。シロアリ駆除業者によっては、点検口の工事を請け負っているところもあります。

シロアリ駆除の依頼と合わせて相談してみましょう。

工事費用 30,000円〜50,000円程度

床下換気扇の設置

床下換気扇

床下の湿気が気になる住宅は、床下換気扇の設置もおすすめです。床下換気扇は、モーターでファンを回して床下の空気を強制的に循環させ、湿気を屋外に排出します。

種類は「基礎型」(床下の換気口に取り付けるタイプ)と「攪拌型」(床下空間の空気を攪拌するタイプ)の2つです。

床下の湿度を下げることで、シロアリだけでなくダニなど他の害虫の発生抑制や、カビ・腐朽菌の繁殖防止にも効果が期待できます。

床下換気扇の設置手順

床下換気扇の設置手順は以下の通りです。

手順1)事前調査・診断
手順2)設置場所の選定
手順3)設置作業

事前調査では、床下の湿気状況や換気口の位置、基礎の形状を確認し、設置台数と設置場所を決定します。

床下換気扇の設置場所は、「外壁沿いにある基礎の換気口」や「空気がよどみやすい床下の中央付近」に取り付けるのが基本です。床下の空気が外気とスムーズに循環するように環境を設計していきます。

設置作業では、床下点検口や和室の下地板を開けて床下に入り、あらかじめ決めた場所に換気扇を設置して電源と接続します。

あわせて室内にタイマーを取り付け、床下換気扇を屋内から操作できるようにして設置完了です。

床下換気扇の設置費用

設置費用は取り付ける換気扇の種類によって異なりますが、相場は以下の通りです。

設置費用(台) 75,000円〜

土壌表面シート敷設工法

床下防湿シート

床下の湿気とシロアリの侵入を同時に抑えたい場合は、土壌表面シート敷設工法の検討をおすすめします。

忌避効果のある薬剤を練り込んだ防蟻シートを床下全面に敷くことで、ヤマトシロアリやイエシロアリの地中から侵入を防げます

同時に地面からの湿気上昇も遮断できるため、シロアリが活動しやすい高湿度環境の形成そのものを抑制できます。ダニなどの害虫発生やカビ、腐朽菌の繁殖防止にも効果を発揮するのが特徴です。

土壌表面シート敷設工法の工事手順

土壌表面シート敷設工法の工事手順は以下の通りです。

手順1)事前調査・診断
手順2)土壌の整地
手順3)床下全面に防蟻シートを敷く
手順4)シート同士の貼り合わせや、布基礎との張り合わせに専用の防蟻テープを使う

シートの継ぎ手は10cm程度を重ね貼り合わせ、布基礎との間は2cm以内の隙間に収めます。施工現場の気温が低いときは、防蟻テープの粘着力低下を補うためにトーチランプなどを使用します。

土壌表面シート敷設工法の費用

本工法に対応している業者は限られるため、事前に施工実績のある業者を探しておきましょう。費用はシートの材質によって大きく変わりますが、相場は以下の通りです。

施工費用 3,000円〜6,000円/㎡

床下調湿材の設置

床下調湿材

床下の湿度管理を強化したい場合は、床下調湿材の設置を検討しましょう。

調湿材とは、湿度が高いときに湿気を吸収し、乾燥時に放出する素材で、軽石のようなタイプと木炭のようなタイプが一般的です。防湿シートを敷いたうえに調湿材を均等に敷き詰めます。

防湿シート単体で使うよりも除湿効果が高く、シロアリ予防に加えてダニの発生抑制やカビ、腐朽菌の繁殖防止にも役立ちます。

床下調湿材の設置手順

床下調湿材の設置手順は以下の通りです。

手順1)事前調査・診断
手順2)土壌の整地
手順3)調湿材の敷設

まず事前調査をおこない、整地作業の要否や必要な調湿材の量を決定します。次に床下の地面を平滑にならし、木片や切り屑などを取り除きます。

最後に調湿材を床下全面に均一に敷き詰めたら、設置完了です。

床下調湿材の設置費用

設置費用は調湿材の素材や使用量によって変動しますが、相場は以下の通りです。

施工費用 10,000円〜20,000円+調湿剤費

床下防腐防カビ殺菌消毒

駆除工事

シロアリ駆除・予防工事を依頼する際は、床下防腐防カビ殺菌消毒も合わせて検討しましょう。

シロアリ駆除業者のなかには、基礎部の木材に発生したカビや腐朽菌の除去・予防といった床下の衛生管理を請け負っているところがあります。

なかでも代表的な工事が床下防腐防カビ殺菌消毒です。床下の木材に発生したカビを除去すると同時に防腐・防カビ剤を塗布して再発を防止します。

衛生管理をおこなうことで木材の劣化速度を抑え、家の強度を長持ちさせることが可能です。

「カビ取り→殺菌消毒→防カビ施工」の3工程でおこなわれ、他のシロアリ駆除・予防工事と合わせて実施されるケースが一般的です。

床下防腐防カビ殺菌消毒の手順

床下防腐防カビ殺菌消毒の手順は以下の通りです。

手順1)事前調査・診断
手順2)殺菌消毒
手順3)カビ取り作業

まず床下に潜り、カビ・腐朽菌の発生状況を確認し、湿気が多い場合はその原因やシロアリ被害の有無も同時にチェックします。

調査結果をもとに、専用の防腐剤を木部へ塗布または散布して殺菌消毒をおこないます。カビによる変色が気になる場合は、漂白効果のある薬剤を追加で散布することも可能です。

床下防腐防カビ殺菌消毒の費用

使用する薬剤には、土壌散布用の水溶性タイプと木材吹付用の油性タイプの2種類があります。

水性材では「リグノケアEフロアブル」、油性材では「キシラモン」がよく使われており、それぞれ費用が異なる点に注意が必要です。

水性材施工費用(㎡) 2,800円〜
油性材施工費用(㎡) 4,500円〜

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シロアリ対策に関するよくある質問(FAQ)

シロアリ対策は本当に必要?不要な住宅はあるの?

過去5年以内に専門業者による防蟻処理をおこなっており、その施工業者からの保証期間内であれば、緊急の対策は不要です。

また、鉄骨造・RC造で内装にほとんど木材を使用していない住宅もリスクが低いです。

ただし、「完全に不要」と断言できる住宅は限られています。最低限の定期点検を実施し、とくに新築から5年以上経過している住宅は専門業者による点検を検討することをおすすめします。

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シロアリ対策にゴキブリ用の殺虫剤やバルサンは使える?

シロアリにゴキブリ用の殺虫剤やバルサン(くん煙剤)を使用することは、逆効果です。

一般的な殺虫剤に含まれる忌避成分がシロアリを散らし、被害箇所が分散して駆除が困難になります。また、表面にいるシロアリを一時的に殺せても、巣の中にいるシロアリには効果がありません

シロアリ駆除を自分でおこなう場合は、専用のベイト剤を使用することをおすすめします。

シロアリ対策にホウ酸は有効?

ホウ酸はシロアリ対策として有効な面もありますが、いくつかの注意点があります。

  • シロアリが食べないと効果が出ない
  • 水に溶けやすく、雨などで効果が失われるリスクがある
  • 土壌への散布ができないため、土壌からの侵入を防げない

ホウ酸だけでシロアリを完全に防ぐのは難しいため、バリア工法など他の対策と組み合わせることが重要です。

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まとめ

シロアリ対策は「予防」と「駆除」の2種類に分類されます。

予防とは、シロアリがまだ侵入していない住宅に対して薬剤散布や環境整備をおこない、侵入・繁殖を未然に防ぐ取り組みです。

一方、駆除とは、すでにシロアリが侵入・侵食を始めている住宅に対して、シロアリを死滅させ被害の拡大を止めるための施工を指します。

なかでも、定期的な予防処理がもっとも費用対効果の高い対策です。環境整備・除湿・基礎点検など自分でできる予防策から始めましょう。

専門性の高い施工はプロの業者に依頼することで、より確実な効果が期待できます。

シロアリの被害は目に見えない場所で進行するため、「大丈夫だろう」と楽観視することは危険です。定期的な点検と早期対処が、住宅を長く守ることにつながります。

「シロアリお助け本舗」では、経験豊富なしろあり防除施工士が無料で床下診断を実施します。まずは、お電話またはWebフォームから無料相談をご利用ください。

この記事の監修者

「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。

ROY株式会社

※1 一部エリア、再発保証が付いている場合のみ。発生箇所と同一の場所、シロアリの種類も同じ場合のみ適用。
※2 対応エリア・加盟店・現場状況などにより記載の通りには対応できない場合があります。
※3 面積が66㎡未満の場合は一律80,000円(税込み)になります。ヤマトシロアリに限ります(カンザイシロアリなど他のシロアリは別途見積り)。
※4 薬剤はタケロックアジェンダを採用します。その他の特殊な薬剤・油剤は別途見積りとなります。

  • この記事を書いた人

シロアリお助け本舗編集部

シロアリお助け本舗編集部は、
生活を脅かすシロアリの情報を発信する専門チームです。

「シロアリ被害をなくしたい」

現場で得た知識や経験を活かし、
専門家から寄せられた意見も参考にしながら、
読者の皆様にとって本当に役立つコンテンツを目指します。

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