羽アリを見かけたり、築年数が古い住宅に住んでいて「シロアリ駆除は必要なのか」と気になっている方はいるのではないでしょうか。
シロアリの侵食にあっている建物は、専門業者による駆除が必要です。シロアリは木材の内部を食べ進めるため、放置するほど被害が拡大します。
本記事では、シロアリ駆除が必要な理由や費用相場、業者とDIYのメリット、デメリットを解説します。

※1 一部エリア、再発保証が付いている場合のみ。発生箇所と同一の場所、シロアリの種類も同じ場合のみ適用。
※2 対応エリア・加盟店・現場状況などにより記載の通りには対応できない場合があります。
※3 面積が66㎡未満の場合は一律80,000円(税込み)になります。ヤマトシロアリに限ります(カンザイシロアリなど他のシロアリは別途見積り)。
※4 使用する薬剤は加盟店ごとに異なります。特殊な薬剤・油剤は別途見積りとなります。
このような方におすすめ
- シロアリ駆除や予防の必要性を知りたい方
- 業者に頼む場合の費用相場や施工法の違いを知りたい方
- 市販薬を使ったDIYで対策できるか知りたい方
Contents
シロアリ駆除は必要ない?

シロアリ駆除が必要ないのは、過去5年以内に防蟻処理をおこなっており、かつシロアリの生息や被害が確認されていないときだけです。具体的な判断基準について、解説します。
シロアリ被害が進行中なら駆除は必要

すでにシロアリ被害が進行中の場合、被害の進行を防ぐには、建物内のシロアリを駆除するしかありません。
シロアリは木材に含まれるセルロースを餌にする害虫であり、放っておいて自然にいなくなることはほとんどないからです。
駆除しない限り、被害は拡大する一方です。もう少し様子を見ようと駆除の判断を先延ばしにしている間も、見えないところで木材を食べ進めます。
被害が進行すると、柱や土台など住宅の骨組みとなる木材の強度が低下し、耐震性も下がります。侵食が広がるほど補修する範囲が増え、修繕費用も高くなりやすいです。
シロアリ被害のサインがあればまず点検

シロアリ被害を疑うサインが見られた場合は、駆除が必要かを判断する前に、専門業者へ点検を依頼しましょう。
具体的なサインは「シロアリがいるか自分で確かめる方法(セルフチェック)」をご覧ください。
ただし、シロアリ被害かどうかを確実に見わけるには専門的な知識が必要です。床のきしみは木材の腐朽が原因で、羽アリはシロアリではなく他の虫だったという場合もあります。
シロアリ駆除業者がおこなう点検では、シロアリ被害の有無だけでなく、木材の腐朽やカビの兆候、床下の湿気状況といった建物のコンディションを総合的に診断してもらえます。
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駆除と予防は分けて考える

シロアリ駆除は、すでに発生しているシロアリを死滅させ、被害の拡大を防ぐことが目的です。薬剤を散布して駆除するバリア工法や、毒餌を巣に持ち帰らせて巣ごと駆除するベイト工法などの方法があります。
一方、シロアリ予防は、シロアリの侵入や被害を未然に防ぐための対策で、被害が発生する前におこないます。主な予防方法には、バリア工法に加え、土壌表面シート敷設工法、床下調湿材の設置などがあります。
土壌表面シート敷設工法とは、防蟻シートを床下に敷いて物理的に侵入を防ぐ予防方法です。シートを隙間なく敷き詰めることで、シロアリの侵入だけでなく、湿気が地面から上がってくることも防ぎます。
床下調湿材の設置と床下換気扇の設置は、どちらも湿度を下げるための対策です。
調湿材はゼオライトなど多孔質の天然鉱石や、木炭などのタイプがあり、湿気が多いときは水分を吸収し、乾燥しているときは水分を放出することで湿度を一定に保ちます。
床下換気扇は、大きな扇風機のような機械のことで、床下の換気口付近に設置し、空気を循環させます。
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シロアリ駆除が必要ないと誤解されやすい5つのパターン
思い込みからシロアリ駆除は必要ないと判断して対策が遅れると、気づかないうちに被害が広がる可能性があります。
以下に当てはまる場合は、まず専門業者に点検を検討しましょう。とくに勘違いしやすい内容をいくつか紹介します。
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新築だからシロアリ被害にあわないは誤り

新築や築浅の住宅であっても、シロアリの被害にあう可能性はあります。新築時には防蟻処理がおこなわれるのが一般的ですが、薬剤の効果は永久ではないためです。
防蟻薬剤の効果は約5年で低下し、年数の経過とともに自然と予防効果が薄れていきます。
とくに床下の風通しが悪かったり、庭の水はけが悪く腐った木材が放置されていたりする場合は、シロアリ被害のリスクが高まります。
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ベタ基礎だからシロアリは侵入できないは誤り

ベタ基礎だからといってシロアリ被害を完全に防げるわけではありません。
ベタ基礎とは、床下全体の土壌を鉄筋コンクリートで覆う工法です。柱や壁の下だけにコンクリートを打設する布基礎と比べると、土壌から直接シロアリが侵入しにくい構造で、防蟻性が高いと考えられてきました。
しかし、シロアリお助け本舗が全国の業者依頼者を対象に実施した2025年の調査では、ベタ基礎の住宅でもシロアリ被害は多く発生しており、布基礎と比べて被害報告件数は約2倍という結果が報告されています。
| 【調査概要】
調査対象:全国のシロアリ駆除・予防を業者に依頼した経験のある方 |

調査の結果、シロアリ被害にあった住宅の基礎構造は、ベタ基礎が32%、布基礎が16%、ベタ基礎かつ基礎断熱が6%、その他が1%でした。
シロアリはコンクリートのわずかな継ぎ目やひび割れ、配管の貫通部、基礎の立ち上がり部分などからも侵入できます。
基礎構造にかかわらず、約5年ごとの防蟻処理の再施工や定期的な床下点検をおこない、継続的にシロアリ対策をすることが大切です。
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ヤマトシロアリだから急がなくていいは誤り

ヤマトシロアリはイエシロアリに比べると被害の進行速度はゆるやかですが、活動が続いている限り木材の侵食は止まりません。他のシロアリと同様、発見したら早めに駆除することが大切です。
ヤマトシロアリの被害が比較的ゆるやかなのは、イエシロアリのように数十万〜数百万頭規模の巨大な巣をつくらず、1つの集団の個体数が数万頭程度と少ないためです。
しかし、放置すると数年かけて住宅の土台や柱などの重要な構造木材が少しずつ侵食され、大規模な修繕が必要になるケースもあります。
とくにヤマトシロアリは地面に近い部位を中心に侵食するため、木材の強度を低下させ、耐震性へ影響を及ぼす可能性が高いです。
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鉄骨造、鉄筋コンクリート造だから被害にあわないは誤り

鉄骨造や鉄筋コンクリート造の住宅であっても、シロアリ被害は発生します。建物の主要な構造部分に鉄やコンクリートが使われていても、住宅内部にシロアリの餌となる木材が使われているためです。
床組みや間柱、壁、天井の下地材、フローリング、ドア枠、幅木、造作材など、室内には多くの木材が使用されています。
また、シロアリの体長は約4.5mmと小さく、わずかな隙間から建物内へ侵入できます。
コンクリートのひび割れや基礎と土間コンクリートの継ぎ目、配管の貫通部、基礎の立ち上がり部分などから侵入されるケースは多いです。
とくに、鉄筋コンクリートは乾燥収縮や温度変化などの影響を受けると、ひび割れが発生することがあります。
マンションだからシロアリは登れないは誤り

鉄筋コンクリート造のマンションでもシロアリ被害は発生します。シロアリは基礎のひび割れや配管の隙間から侵入し、壁の内部を通って上階まで移動するためです。
また、羽アリがベランダや窓に飛んできて、サッシの隙間や網戸の破れから部屋の中に侵入することもあります。
建築基準法では木造建築物の構造部に防蟻措置を義務付けていますが、鉄筋コンクリート造マンションの内装には法的義務がありません。
コンクリートの微小なひび割れや配管の隙間から侵入され、室内の木材を侵食されるリスクがあります。
また、高層階だからといって安心できるわけではありません。
たとえば、アメリカカンザイシロアリは、輸入家具や中古家具、古い木製品、段ボールなどに付着したまま室内へ持ち込まれ、室内の他の木材も侵食する習性があります。
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シロアリがいるか自分で確かめる方法(セルフチェック)
シロアリ被害の早期発見には、日頃のセルフチェックが大切です。被害の兆候に気づくことで、早い段階で駆除につなげられます。
気になる兆候が見つかった場合は、専門知識や専用機材をもつシロアリ駆除業者へ調査を依頼しましょう。
主なチェックポイントは、以下の5つです。
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蟻道がないか

基礎や外壁に蟻道(ぎどう)がある場合は、シロアリが住宅へ侵入し、内部で活動している可能性が高いです。蟻道は、シロアリが乾燥や外敵から身を守りながら、巣と餌場を往復するためにつくる土状の通路です。
基礎の立ち上がりやベタ基礎、束石、束柱、配管の貫通部、断熱材、外壁のほか、モルタルやタイルの裏側、庭に放置した木材や木柵などにもつくられることがあります。
なお、蟻道を見つけても自分で壊したり、市販の殺虫剤を散布したりするのは避けましょう。シロアリが別の場所へ移動して被害が広がり、侵入経路や被害状況を調査しにくくなります。
蟻道をそのまま残した状態で写真を撮影し、シロアリ駆除業者へ相談しましょう。
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羽や羽アリの死骸は落ちていないか

窓際やベランダ、玄関などに羽アリの死骸や大量の羽が落ちている場合、建物のすぐ近くでシロアリが活動している可能性が高いです。
シロアリは巣の規模が大きくなると、新しい繁殖地を求めて羽アリが一斉に飛び立つ群飛(ぐんぴ)という行動をとります。
着地した羽アリは、不要になった羽をその場で落とし、オスとメスで新たな巣をつくります。そのため、群飛が発生した場所には羽だけが大量に残されるのです。
群飛の時期は種類によって異なり、ヤマトシロアリは4〜5月の日中、イエシロアリは6〜7月の夕方から夜にかけてです。
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木材に小さな穴や崩れはないか

床や柱などの木材に小さな穴や崩れている部分がある場合は、軽く叩いて音を確認してみましょう。
シロアリは木材の表面を薄く残したまま内部を食べ進めるため、侵食を受けた木材は中が空洞になり、叩くと軽い音がします。また、内部がもろくなることで、指で押すと簡単にへこんだり、崩れます。
こうした症状は木材の腐朽や経年劣化でも見られますが、腐朽した木材も放置は避けましょう。
腐朽によって木材の組織がもろくなると、シロアリが噛み砕いて食べやすくなるため、餌になる可能性があります。
また、木材腐朽菌が放出する成分(MVOC)が、シロアリを誘引することもわかっています。
床や畳がきしむ、沈む感覚はないか

シロアリ被害にあった床はフカフカし、きしんだり沈むような感覚がします。木材内部が空洞化し、強度が低下して荷重に耐えられなくなるためです。
また、シロアリは木材だけでなく、畳の芯材に使われる藁(わら)も餌にします。
畳の上を歩くときしむ、沈んだ感覚があるなどの異常を感じたら、畳を持ち上げて、裏側や畳下板に蟻土(ぎど)がないか確認しましょう。
蟻土とは、シロアリが光や乾燥を避けるために、土や木片、排泄物などを固めた土状の物質です。

蟻土があれば、床下や壁、柱など広範囲に被害がおよんでいる可能性が高いです。
庭の木製構造物にシロアリの痕跡がないか

庭にあるウッドデッキや木製フェンス、門柱、枕木、杭、切り株などの木材に穴や崩れを発見した場合、シロアリが活動しているかもしれません。
雨や地面からの湿気で木材が湿った状態になると、木材は徐々に腐り、シロアリが集まるきっかけになります。
シロアリはウッドデッキなどの木材を食べたあと、新たな餌を求めて住宅へ侵入することがあります。木製構造物に異常が見られたら、早めにシロアリ駆除業者へ点検を依頼しましょう。
シロアリ駆除はなぜ必要なのか|放置するとどうなる?
シロアリ被害を放置すると、木材が食い荒らされ、住宅の強度が低下します。その結果、耐震性が落ちるだけでなく、最悪の場合は倒壊の原因にもなります。
シロアリ被害を放置するリスクについて正しく理解し、必要な備えを検討しましょう。
シロアリ被害は見えないところで進行する

シロアリは、乾燥や光を嫌い、床下や壁の内部、柱の中など、人の目が届かない場所で活動する害虫です。
シロアリを見たことがないからといって、「駆除は必要ない」と自己判断して放置するのは危険です。気づかないうちに建物を支える土台や柱などの構造材まで侵食が広がり、被害が深刻になる可能性があります。
シロアリ被害がもたらす建物の耐久度低下

シロアリによる建物被害は深刻で、放置すると建物の耐久性が大きく低下します。
実際に、2024年の能登半島地震では、準半壊や半壊と判定された住宅でシロアリ被害が相次いで確認されました。
専門家は、シロアリ被害を放置すると建物の劣化が進み、余震による倒壊リスクが高まる可能性があると指摘しています。

2016年の熊本地震では、倒壊した古い建物においてシロアリの被害や、腐朽が見られました。

1995年の阪神・淡路大震災後の木造住宅調査でも、倒壊、大破した住宅で腐朽やシロアリ被害が確認されました。
地震によって建物にひび割れが生じると、隙間に雨水が入り込みやすくなって木材が湿り、シロアリが発生、繁殖しやすい環境になります。
修繕、リフォーム費用が駆除費用よりも高くつく
シロアリ被害を放置すると、侵食された部分の修繕やリフォームが高くつきます。被害が広がるほど補修範囲も増え、高額になりやすいです。
修繕、リフォーム費用の目安は以下の通りです。
| 補修場所(1カ所あたり) | 相場 |
| 床下の補強(腐朽した木材の交換など) | 200,000~500,000円 |
| 柱の補強 | 100,000~500,000円 |
| 床材の張り替え | 1,000,000〜2,000,000円 |
| 柱の交換 | 1,000,000〜2,000,000円 |
| 建物基礎部分の補強 | 2,000,000円以上 |
| 屋根や梁の修繕 | 2,000,000円以上 |
シロアリの被害が少ないうちに駆除や予防をおこなえば、大規模な修繕が不要になり、トータルの支出を抑えられます。
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シロアリ駆除費用の相場
シロアリ駆除の費用は、施工する工法や住宅の大きさ、被害状況によって異なります。工法ごとの相場は、以下の通りです。
| 費用項目 | 30坪 | 40坪 | 50坪 |
| バリア工法 | 148,000〜249,000円 | 174,000〜332,000円 | 247,000〜415,000円 |
| ベイト工法 | 120,000~200,000円 | 150,000〜250,000円 | 180,000〜300,000円 |
| 穿孔注入処理法
穿孔吹付処理法 |
148,000〜249,000円 | 174,000〜332,000円 | 247,000〜415,000円 |
穴を空ける工法別に、具体的な施工内容と併せて解説します。
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バリア工法

バリア工法は、床下の土壌や基礎、木材などに液状の薬剤を散布し、建物の下に薬剤の壁(バリア)をつくる施工方法です。
すでに地中に潜むシロアリを駆除するのと同時に、床下の土壌への新たな侵入を防ぎます。
バリア工法に使用される一般的な薬剤の防蟻効果は約5年です。5年ごとに再施工をおこなうことで、住宅を継続的にシロアリ被害から守れます。

バリア工法の工事手順
バリア工法は、事前調査でシロアリの生息状況や住宅の状態を確認したうえで、施工に入ります。工事手順は以下の通りです。
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事前調査では、以下のポイントを中心に建物の状態やシロアリの活動状況をチェックします。
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調査結果をもとに施工計画を作成し、工事日程を決定するのが一般的です。
施工当日は、床下で安全に作業できるよう準備をおこない、木材部分への薬剤処理を実施します。木材の処理が終わったら、専用の機材を使用して床下の土壌全体へ防蟻剤を散布します。
バリア工法の費用
バリア工法の施工費用は、1階の床面積をもとに算出されるのが一般的です。費用は次の計算式で求められます。
| (床面積㎡)×(1㎡あたりの単価)=(バリア工法の施工費用) |
1㎡あたりの単価は駆除業者ごとに定められており、平均単価は1,000〜3,000円です。建物の床面積が広いほど施工費用も高くなる傾向があります。
一般的な住宅の床面積の相場は以下を参考にしてみてください。
| 床面積 | バリア工法 |
| 30坪 | 148,000〜249,000円 |
| 40坪 | 174,000~332,000円 |
| 50坪 | 247,000~415,000円 |
なお、実際の施工費用は床面積だけで決まるわけではありません。住宅の構造や形状、作業環境などによって追加費用が発生する場合もあります。
上記の金額はあくまでも目安として考え、正確な費用は現地調査後の見積もりで確認しましょう。
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ベイト工法

ベイト工法は建物の周囲にベイト剤と呼ばれる毒餌を設置し、シロアリに巣へ持ち帰らせることで根絶を目指す駆除方法です。
ベイト(bait)は英語で餌を意味し、働きアリ(職蟻階級)がベイト剤を巣へ持ち帰って仲間や女王アリにわけ与える習性を利用します。
ベイト工法は、日本では2002年4月に日本しろあり対策協会によって標準工法として採用されました。現在では住宅や薬剤散布が難しい建物などにも広く用いられています。
床下全体へ薬剤を散布するバリア工法とは異なり、床下へ入る必要がありません。
そのため、床下のホコリやカビ臭さが室内へ広がりにくく、住宅への影響を抑えながら施工できます。
また、薬剤を散布しないことから、妊婦や乳幼児、高齢者、アレルギーが気になる家庭でも採用されることがある工法です。

ベイト工法の工事手順
ベイト工法は、事前調査でシロアリの生息状況や住宅の状態を確認したうえで、施工に入ります。工事手順は以下の通りです。
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ベイト工法を始める前に、施工業者は住宅の状況や周辺環境を調査し、施工範囲や費用を決定します。依頼者はこのタイミングで見積もりの内容を確認し、問題なければ契約成立となり、工事開始です。
工事では、建物を囲むように一定間隔で専用のステーション(容器)を地中へ設置します。ステーション内には、シロアリの脱皮を妨げる脱皮阻害剤を有効成分とした毒餌が入っています。
シロアリは脱皮を阻害されると正常に成長できず死滅するため、個体数を徐々に減らし、巣の駆除につなげる仕組みです。
設置後は約1カ月ごとに点検をおこない、シロアリが発生しているかの確認とベイト剤の補充をおこないます。
ベイト工法は薬剤を直接散布するバリア工法のような即効性はありません。効果が現れるまでには一般的に半年程度かかります。
ベイト工法の費用
ベイト工法の費用は、建物の外周の長さ(m)を基準に算出されるのが一般的です。外周が長い住宅ほど設置するステーションの数が増え、設置にコストがかかるからです。
また、ベイト工法は初回の設置費用だけでなくメンテナンス費用が継続的に発生します。
ベイト工法の費用相場は、以下を参考にしてください。
| 設置費用 | 3,000円〜5,000円/m |
| メンテナンス費用(年一回) | 1,500円/m |
実際の住宅での費用例は以下の通りです。
| 坪数 | 設置費用 | メンテナンス費用(年一回) |
| 30坪(外周40m) | 120,000~200,000円 | 60,000円 |
| 40坪(外周50m) | 150,000~250,000円 | 75,000円 |
| 50坪(外周60m) | 180,000~300,000円 | 90,000円 |
建物外周の長さは一般的な住宅では、坪数×1.2~1.5が目安です。支払いのタイミングは業者によって異なり、1カ月ごとに支払うところもあれば、1年ごと、5年の業者もあります。
なお、玄関前や駐車場など、敷地内の一部がコンクリートの場合、穴を空ける工事が必要です。

コンクリートに穴を空ける工事費用は、1カ所につき約15,000〜18,000円ほどかかります。
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穿孔注入処理法、穿孔吹付処理法

穿孔注入処理法とは、シロアリ被害が発生した木材にドリルで穴を空け、内部へ薬剤を注入する施工方法です。木材内部に潜むシロアリを駆除し、再発を防ぐ目的でおこなわれます。
床下の土台や目立たない部分には直径約9mm、柱や玄関の木枠など室内で目立つ部分には直径6〜9mmの穴を空けて施工します。
薬剤の注入には加圧する方法としない方法があり、加圧注入の方が木材の深部まで薬剤が浸透しやすいです。
穿孔注入処理法はバリア工法と併用されることが多く、被害状況に応じて薬剤の注入量を調整します。
一方、穿孔吹付処理法は、壁に直径3〜6mm程度の穴を空け、壁内部の木材へ薬剤を吹き付ける施工方法です。
壁を大きく壊さずに、壁内に潜むシロアリを駆除できるため、壁内部で被害が確認された場合におこなわれます。
穿孔注入処理法、穿孔吹付処理法の工事手順
穿孔注入処理法、穿孔吹付処理法は、事前調査をおこない、被害状況に応じた施工計画を作成することからはじまります。工事手順は以下の通りです。
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工事では、柱や壁に専用のドリルで穴を空け、薬剤を注入または吹き付けます。施工後は穴を専用の栓で塞ぎ、目立たないようにして完成です。
穿孔処理をおこなう際は、住宅の強度や耐震性能、外壁からの漏水に影響を与えないよう、穿孔する位置や穴の深さを十分に検討し、建築士や工務店と相談しながら施工を進めます。
薬剤の吹付量は1㎡あたり300mLが標準です。
穿孔注入処理法、穿孔吹付処理法の費用
穿孔注入処理法、穿孔吹付処理法は、単独で施工されることは少なく、バリア工法と併せて実施されるのが一般的です。
そのため、費用も穿孔処理だけを1カ所ごとに算出するのではなく、バリア工法と同様に1階の床面積(㎡)を基準とした平米単価で計算されることが多いです。1㎡あたりの施工単価は1,000〜3,000円が相場となっています。
一般的な住宅の床面積ごとの費用相場は、以下の通りです。
| 床面積 | 施工費用 |
| 30坪 | 148,000〜249,000円 |
| 40坪 | 174,000~332,000円 |
| 50坪 | 247,000~415,000円 |
ただし、一部のみの施工や建物の構造、被害状況によっては、上記の相場より費用が増減する場合があります。
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自分でやれば駆除は必要ない?DIYの効果と限界
シロアリ駆除用の薬剤はホームセンターなどで市販されていますが、DIYだけで巣全体を確実に駆除するのは難しいです。
駆除漏れがあると生き残ったシロアリによる被害が進行し続け、修繕やリフォームの費用が高くつくことになります。
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ベイト工法ならDIYが可能

ベイト工法用の薬剤やステーションは、ホームセンターやインターネット通販などで販売されているため、一般の方でも購入できます。
手順は、以下の通りです。基本的には、専門業者による施工と同じ流れで進めます。
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DIYでは、自分で住宅の外周を測定し、ベイト剤を設置する場所を決める必要があります。
また、ステーションを埋めた後に、シロアリの侵入状況を約1カ月ごと点検し、ベイト剤の補充、交換も自分でします。
ベイト工法のDIYで理解しておくべき懸念事項
ベイト工法はDIYでも可能ですが、専門業者による施工と比べると失敗のリスクが高く、十分な駆除効果が得られないことがあります。
ベイト工法のDIYで理解しておくべき懸念事項は以下の通りです。
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一般家庭用のベイト剤は、業者用に比べて殺蟻成分が少ない
市販のベイト剤は、業者が使用する製品と比べて有効成分の配合量が少ないです。3~10倍程度の濃度差があります。
そのため、個体数の多い巣を駆除する場合は、駆除完了まで時間がかかったり、巣を完全に根絶できなかったりする可能性があります。
DIYでベイト工法をおこなう際は、ベイト剤を十分な数用意し、定期的に点検しながらこまめに交換、補充することが大切です。
定期確認の手間がかかる
市販のベイト剤はシロアリが薬剤を食べているか、ベイト剤がなくなっていないかなどを確認するため、定期点検が必要です。
しかし、住宅の周囲に複数設置したベイトステーションを定期的に取り出して確認する作業は手間がかかり、途中で点検をやめてしまうケースが多いです。
定期的な経過観察を怠ると、ベイト剤が不足しても気づけず、十分な駆除効果が得られません。
失敗時のリスクが高い
ベイト工法は、効果が現れるまでに数カ月〜半年かかるため、施工に失敗していてもすぐには気づきにくいです。
設置場所が適切でなかったり、定期点検を怠ったりすると、長期間シロアリの侵食を許すことになり、住宅の被害が拡大する可能性があります。
プロへの依頼とDIYのメリット、デメリット比較
ベイト工法をDIYでおこなうメリットは、専門業者へ依頼するより費用を抑えやすい点です。一方、専門業者へ依頼すると、DIYより費用がかかりますが、効果的な施工をしてもらえます。
シロアリ駆除業者とDIYの費用相場、駆除成功確率、施工のタイミングを比較して解説します。
費用比較|DIYならプロによる施工より圧倒的に安い
設置費用の相場は、以下の通りです。
| プロによる施工 | DIY | |
| 1カ所あたりの設置費用 | 3,000円〜5,000円 | 400円~600円 |
| 一般的な住宅の総額
(敷地面積約30坪、外周40m) |
120,000円〜200,000円 | 16,000円〜24,000円 |
DIYは市販のベイト剤を使用するため、初期費用は専門業者へ依頼する場合と比べて1カ所あたり約7分の1に抑えられます。
ただし、専門業者の費用にはベイト剤の設置だけでなく、シロアリ被害の調査、診断や施工後の定期点検も含まれています。
駆除成功確率|確実に効果を出すならプロへの依頼を推奨

ベイト工法を効果的に施工するには専門的な知識や技術が欠かせません。
DIYではシロアリ被害の正確な調査や適切な施工方法の判断が難しく、十分な駆除効果が得られないおそれがあります。また、薬剤を誤って吸い込んだり、室内へ持ち込んだりするリスクもあるため、健康や安全面への配慮も必要です。
施工のタイミング|DIYなら業者の都合に左右されない
DIYなら、シロアリ駆除業者のスケジュールに合わせる必要がなく、自分の都合のよいタイミングで施工できます。シロアリの活動が活発になる梅雨時期は依頼が集中し、施工まで待ち時間が発生することもありますが、DIYであればすぐに始められます。
また、施工後の点検も、DIYなら自分の都合のいい時間に実施可能です。
シロアリ予防が必要な住宅の特徴
シロアリ被害を防ぐためには、侵入される前に予防しておきましょう。
とくに、木造住宅や、防蟻処理から5年経過した住宅はシロアリの被害にあう可能性が高いです。
具体的に、シロアリ予防が必要な住宅の特徴について解説します。
木造住宅(新築、中古)

柱や土台など構造上重要な部分に木材が使われている木造住宅は、シロアリの侵食を受けるリスクが高いです。木材がある限り、新築、中古を問わずシロアリの被害にあう可能性があります。
スギやヒノキなど木材の種類や性質にかかわらず、建築基準法施行令では、地面から1m以内の柱や土台などに防腐措置を施し、必要に応じてシロアリ対策を講じることが定められています。
ただし、具体的な施工方法までは定められていません。
シロアリ被害への不安がある方は、どのような防蟻処理がおこなわれているかをハウスメーカーや工務店へ確認し、追加の予防処理を検討しましょう。
中古住宅では、過去のシロアリ予防の実施時期や施工内容がわからないケースは多いです。購入前にはホームインスペクション(住宅診断)の一環としてシロアリ被害の点検を受けることをおすすめします。
シロアリ対策から5年以上経過した住宅

防蟻処理から5年以上経過した住宅は、薬剤の効果が弱まっているため、シロアリの被害にあう可能性が高いです。
国土交通省の「施設の性能に影響を与える木材の経年変化」では、防蟻処理の保証期間の5年を過ぎると、建物の被害率は築年数とともに上がる傾向があることがわかっています。
防蟻処理の保証期間が切れて5年後に被害率は5.9%まで上昇し、その後は10年で11.7%、16年で33.3%、20年で45.0%と上がり続けます。

防蟻処理から5年以上経過し、再処理をおこなっていない場合は、点検や予防処理を検討しましょう。
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まとめ
羽アリや木材の小さな穴などシロアリ被害を疑うサインを見つけたときは、専門業者へ点検を依頼しましょう。
被害がないように見えてもシロアリは床下や木材内部など、見えないところで侵食をするため、自己判断で駆除は必要ないと決めつけるのは避けてください。
ベタ基礎、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、マンションであっても、シロアリは侵入し被害をもたらします。
防蟻処理から5年以上経過している住宅は、薬剤の効果が低下しており、シロアリ予防を検討するタイミングです。
シロアリお助け本舗では、無料の床下調査を実施しています。シロアリ駆除は必要ないのかと判断に迷っている方や床下の状況を確認したい方は、まずは無料相談をご利用ください。


