パイン材の家具やフローリングを使っている、または検討中で、「シロアリの被害にあうのではないか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。
パイン材は材質がやわらかく、シロアリの嫌がる天然成分がほとんど含まれていないため、適切な管理や対策をおこなわなければ、シロアリの被害にあう可能性があります。
本記事では、パイン材がシロアリに弱い理由、家具や住宅をシロアリから守る具体的な対策について解説します。
このような方におすすめ
- パイン材の家具やフローリングの強度が知りたい方
- シロアリに強い木材を選びたい方
- シロアリ被害の前兆やチェックポイントを知りたい方
Contents
パイン材はシロアリに弱い木材

パイン材がシロアリに弱い理由は、木材自体の耐蟻性が低いことと、シロアリの生態が関係しています。シロアリの生態や木材の性質を交えて解説します。
シロアリはパイン材を餌として食べる
シロアリは枯れ木や製材された木材を食べる習性があり、とくにパイン材はシロアリの餌になりやすいです。パイン材は木材のなかでもやわらかく、シロアリの大顎で簡単に噛み砕けます。
以下の表に、代表的な木材の種類と気乾比重の目安、硬さの傾向をまとめました。
気乾比重とは、含水率15%まで乾燥した木材の重さと、同じ体積の水の重さを比較した指標です。数値が高いほど木材は硬く、低いほどやわらかい傾向があります。
| 木材の種類 | 気乾比重の目安(g/cm³) | 硬さの傾向 |
| パイン(針葉樹) | 約0.41〜0.47 | やわらかい〜中程度 |
| スギ(針葉樹) | 約0.38 | やわらかい |
| ヒノキ(針葉樹) | 約0.41〜0.45 | やわらかい〜中程度 |
| ヒバ(針葉樹) | 約0.51 | 中程度 |
| クスノキ(広葉樹) | 約0.52 | 中程度 |
| ナラ(広葉樹) | 約0.68 | 硬い |
| ケヤキ(広葉樹) | 約0.69 | 硬い |
気乾比重が高いパイン材は、構造物や支柱、床板、気乾比重が低いものは内装や天井などの材料に使用されます。
パイン材の耐蟻性は「低」に区分される

木材のシロアリへの耐蟻性を3段階に分類すると、クロマツやアカマツなどのパイン材(マツ類)は、耐蟻性が低いです。
木材の耐蟻性を決めるのは、心材の硬さや含まれる化学成分です。心材とは、幹の中心にある色の濃い部分のことで、外側にある部分を辺材と呼びます。

密度が高く硬い木材はシロアリがかじるのに時間がかかり、やわらかい木材よりも侵食が進行しにくいです。
また、シロアリの嫌う天然成分を含む木材は耐蟻性が高く、侵食されるリスクが低い傾向があります。
ただし、耐蟻性が高い木材でも、シロアリの被害にあわないわけではありません。
公益社団法人日本しろあり対策協会の試験結果では、ヒノキやヒバなどの耐蟻性が高い木材表面にシロアリが蟻道をつくり、心材まで侵食したことが確認されています。
蟻道とは、シロアリが土や木くず、排泄物などを固めてつくるトンネル状の通り道です。
シロアリの主食は木材に含まれるセルロース
シロアリの主食は、木材に含まれる化学成分のセルロースとヘミセルロースです。
セルロースやヘミセルロースは、植物の細胞壁を構成する多糖類で、シロアリの重要な栄養源です。
木材の場合、セルロースは乾燥重量の約40〜50%、ヘミセルロースは20〜25%を占め、リグニンと呼ばれる成分とともに、木材の強度や弾力を保つ役割を担っています。
シロアリにとって栄養源が豊富な木材は、床下や柱、土台など住宅のさまざまな部位に使用されているため、住宅全体がシロアリの侵食の対象です。
なお、セルロースは、木製家具、畳、紙、段ボール、衣類などにも含まれており、住宅以外のさまざまなものが被害にあう可能性もあります。
シロアリ特有の木材を消化する仕組み

シロアリがパイン材をはじめとする木材を餌にできるのは、セルロースを分解する酵素(セルラーゼ)や、腸内の微生物による特殊な消化システムをもっているためです。
まず、シロアリは強靭な大顎で木材をかじり取り、細かく噛み砕いて木片にし、口から体内へ取り込みます。
後腸に到達した木材は、腸内に共生する微生物によって分解され、生成された酢酸がシロアリのエネルギー源となります。
多くの動物はセルロースを消化できませんが、シロアリは腸内の微生物との共生によって木材を栄養として利用できるのです。
なお、社会性昆虫であるシロアリは、女王や兵アリ、働きアリ(職アリ)などの階級に分かれており、木材の分解を担うのは働きアリです。
木材から摂取した栄養は、王や女王、幼虫などの個体へ分配され、巣の維持に役立てられます。
参考
パイン材とは?特徴、木材性能、種類を解説
建材によって硬さや耐久性や耐蟻性に違いがあり、とくにパイン材(マツ類)はシロアリ被害にあいやすい木材です。
パイン材とはどのような木材なのか、特徴や種類、木材としての性能について解説します。
パイン材の特徴

パイン材とは、マツ科マツ属(Pinus)の針葉樹から切り出した木材の総称です。
日本国内をはじめ、欧州や北米、東南アジア、オセアニアなど世界各地で生産されており、「パイン」は英語でマツを意味します。
パイン材は白色から淡い黄色の色味と、節(ふし)を含むナチュラルな木目が特徴です。使い込むほど飴色へと変化し、艶が増していきます。
パイン材はやわらかく加工しやすいうえ、安価で入手しやすく、住宅の内装材や家具、DIY材料として広く利用されています。
また、熱伝導率が低く、床材として使用した場合に、素足でも暖かみを感じやすい点も特徴です。
建築や家具として人気の高いパイン材ですが、耐蟻性や耐久性は低いため、シロアリ被害を予防するなら定期的な点検と防蟻処理が必要です。
木材としての性能|強度、耐久性、防虫性
パイン材の気乾比重は約0.41〜0.47で、針葉樹のなかでは軽めから中程度に分類されます。
やわらかい性質をもつパイン材は、衝撃吸収力が高く足腰への負担を軽減するため、子どもや高齢者がいる住宅では、床や階段の材料に選ばれています。
一方、パイン材は強度や耐久性が低く、傷やへこみが付きやすい点がデメリットです。椅子やベッドの脚など、強い荷重がかかる部分にパイン材を使用すると、変形する可能性もあります。
また、パイン材は湿度や温度の変化を受けると膨張、収縮し、反りや割れが生じます。
湿気の多い場所でパイン材の家具を使用したり、雨漏りや水漏れ、サッシ周辺の結露などでパイン材の床が濡れたりすると、腐朽やシロアリ被害のリスクが高まります。
流通するパイン材の種類
パイン材といっても種類はさまざまで、北米産や北欧産をはじめ、世界各地で生産されています。
マツ科の植物は世界に約9属210種が存在し、日本のアカマツやクロマツは、パイン材の原料となるマツ属(Pinus)の樹木です。
パイン材は産地や木材の種類によって色味や木目、硬さ、密度などが異なります。
住宅や家具に使用される主なパイン材は以下の通りです。
| 名称 | 主な産地 | 特徴 |
| 北欧パイン(欧州赤松、レッドパイン) | 北欧 | ・白や黄色の薄い色 ・年輪が細かく木目が美しい ・マツ類のなかでは硬め ・床材、家具に使用される |
| メルクシパイン | 東南アジア | ・淡黄色〜淡赤褐色 ・適度な硬さで耐水性がある ・耐久性が低い ・家具に使用される |
| ラジアータパイン | オーストラリア
ニュージーランド |
・中心部が褐色で外側が黄白色 ・やわらかく加工しやすい ・ホームセンターで安価で購入できる ・建築材や合板、紙の原料に使用される |
| サザンイエローパイン | 北米南部
オーストラリア |
・中心部が赤褐色、外側が黄白色 ・ロングリーフパイン、ロブロリーパインなどの総称で知られる ・マツ類のなかでは硬い ・松ヤニが多い |
| アカマツ | 日本国内
(本州、四国、九州) |
・淡い褐色 ・木材の密度が低くやわらかい ・階段材、地板、床板、フローリング材などの建材、家具に使用される |
| クロマツ | 日本国内
(本州、四国、九州) |
・中心部はやや黄色〜赤褐色、外側は黄白色 ・アカマツより硬く腐朽に強い ・松ヤニが多い ・フローリング材、床柱、装飾材などの建材、家具に使用される |
日本のアカマツやクロマツは「地松(じまつ)」と呼ばれ、強度の高さから梁や柱などの建築材として古くから利用されています。
近年では、ホームセンターで購入できるSPF材にもマツが使われており、DIYや家具製作に手軽に使える木材として親しまれています。
SPF材は、Spruce(トウヒ)、Pine(マツ)、Fir(モミ)の頭文字を取った木材の総称です。
DIYで定番のツーバイフォー材(2×4工法で使用される規格材)にも使われており、加工しやすく価格も手頃なことから、住宅建築やDIY材料としても広く活用されています。
パイン材がシロアリに弱い理由

パイン材がシロアリに弱い主な理由は、もともとやわらかく噛み砕きやすいことに加え、温湿度の影響を受けやすいためです。
また、パイン材特有の松ヤニ(松脂)の香りも、シロアリに対しての忌避効果は期待できません。
パイン材がシロアリに弱い理由について解説します。
松ヤニ(松脂)は防虫の決め手にならない

松ヤニに含まれるテルペン類は、独特の香りの元である揮発性の化合物で、一部の昆虫に対しては防虫効果を示すことがあります。
しかし、シロアリに対しての効果は確認されていません。
とくに、家具に使用される「メルクシパイン」はマツ類でも松ヤニを多く含み、適度な硬さがありますが、シロアリへの抵抗力は低いです。
香りの強さと耐蟻性は一致しないため、シロアリへの強さを判断する際は、国土交通省「施設の性能に影響を与える木材の経年変化」の資料から耐蟻性区分を確認しましょう。
やわらかさがシロアリ被害を加速させる

やわらかい木材はシロアリが簡単に噛み砕けるため、硬い木材に比べて被害の進行は速いです。とくに湿って腐った木材はもろく、シロアリが食べ進めやすい傾向があります。
木材が腐るのは、腐朽菌と呼ばれる菌の増殖が原因です。腐朽菌は木材に含まれるセルロースやリグニンを分解し、強度を下げます。
とくに、湿気がこもる床下や、水漏れ、雨漏りによって濡れた状態が続く部位は、腐朽菌が繁殖し、木材が劣化していきます。パイン材は湿気が高いと水分を吸収し、乾燥時に放出する調湿作用をもつ木材です。しかし、アカマツ材を用いた研究によると、相対湿度80%以上の環境が長期間続くと木材の含水率が増加し、木材が腐食するリスクが高まることが報告されています。
パイン材、ヒノキ、スギの耐蟻性の比較
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日本で身近な木材であるパイン(マツ)、ヒノキ、スギは、含まれる天然成分や木材の硬さが異なり、シロアリに対する耐性にも違いがあります。
パイン(マツ)、ヒノキ、スギの耐蟻性を比較して紹介します。
シロアリに強い木材は?パイン材、ヒノキ、スギの耐蟻性
3種類の木材で、シロアリに強いのはヒノキ、スギ、パイン材(マツ)の順です。
これは、木材の強度の目安となる曲げ強さ(5%下限値)の順番と一致します。
曲げ強さとは、木材に力を加えて曲げたとき、折れたり壊れたりするまで耐えられる強さを示す指標で、数値が高いほど強度が高いです。
| 木材の種類 | 曲げ強さ(5%下限値) |
| パイン(マツ) | 22.8 |
| ヒノキ | 35.5 |
| スギ | 26.4 |
ただし、耐久性が強い木材でも、湿気の影響で含水率が高まると強度が低下し、シロアリ被害を受ける可能性があります。
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パイン材がヒノキ、スギに耐蟻性能が劣る理由
パイン材がヒノキやスギに耐蟻性が劣る理由は、木材自体がやわらかいことに加え、有効な殺蟻成分が少ないからです。
| 木材の種類 | 含まれる主な成分 |
| パイン(マツ) | 有効な殺蟻成分は乏しい |
| ヒノキ | ヒノキオール、α-カジノール、ピネンなど |
| スギ | δ-カジネン |
ヒノキにはヒノキオールやα-カジノール、スギにはδ-カジネンといったシロアリが嫌がる精油成分が含まれており、一定の耐蟻性を発揮します。
一方、パイン材にはシロアリを防ぐ成分がほとんど含まれておらず、耐蟻効果は期待できません。
パイン材はシロアリに弱い木材
パイン材は、ヒバやヒノキなどの木材と比べると、シロアリに弱い木材に位置付けられます。
住宅の土台や水回りなど被害リスクの高い部位には、パイン材よりも耐蟻性に優れた木材を採用した方がシロアリの被害を防げます。
ただし、どの木材であっても劣化や腐食が進んでいる場合、侵食されるリスクは高いです。
シロアリから建物を守るためには、湿気対策に加え、定期的な点検をおこない、シロアリ被害を未然に防ぐことが重要です。
パイン材の住宅で知っておきたいシロアリ対策
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自宅に使われている木材を確認する

パイン材を使用した住宅でも、すべての構造材が同じとは限りません。まずは、部位ごとにどの木材が使われているのかを確認することで、優先的に点検する場所を決めやすくなります。
住宅で使用されている木材は、設計図書や建物状況調査報告書、住宅瑕疵保険の検査記録などに記載されていることが一般的です。
書類を紛失した場合や、より正確にシロアリの存在や被害にあっているかを確認したいときは、シロアリ駆除業者やホームインスペクション業者に床下、壁、柱、水回りなどの調査を依頼する方法もあります。
住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ

シロアリ対策では、住宅周辺の環境整備をおこない、侵入や発生のきっかけを減らすことも大切です。
シロアリは木材や紙類に含まれるセルロースを栄養源とするため、使用済みの木材や廃材、段ボール、古新聞や雑誌の束、枯れ枝などを屋外に放置すると、餌になります。
木材だけでなく、シロアリは侵入経路を広げる過程でプラスチックや合成ゴム、断熱材、電気ケーブルなどをかじり、住宅設備に損傷を与えることもあります。
シロアリの活動が活発化する春先を迎える前に、餌となる木材を除去し、敷地内に不要なものを置かないように注意しましょう。
除湿の徹底で床下の湿度を下げる

シロアリは乾燥に弱く、湿った木材を好むため、床下や住宅周辺の湿気を抑えることでシロアリが生息しにくい環境をつくることができます。
とくに春から夏は、気温や降雨の影響で土壌の湿度が高く、シロアリが活発に活動する時期です。
床下換気口の周辺が物で塞がれていないか、雨水が床下へ流れ込んでいないかなどを定期的に確認しましょう。
床下換気扇を設置すると、空気の流れが生まれて湿度が下がるため、腐朽菌の増殖やシロアリの活動を抑えることにつながります。
住宅基礎部分のひび割れを点検

シロアリは体長約4〜7mmと小さく、基礎コンクリートのひび割れや配管周りのわずかな隙間から住宅内へ侵入できます。
鉄筋コンクリート造の住宅でも、床組や間柱、内装材、家具などに木材が使用されていれば被害にあう可能性があるため、鉄筋コンクリート造だから安心とはいえません。
住宅の基礎のひび割れは、コンクリートの乾燥収縮や気温変化、不同沈下、地震などさまざまな要因で発生します。
ひび割れを見つけた場合は、外壁塗装会社や住宅補修業者などの専門業者に相談し、状態を確認したうえで適切に補修することが大切です。
なお、応急処置として、市販のコンクリート用補修材で一時的に隙間を埋める方法もありますが、ひび割れの幅や原因によっては基礎や塗装の補修が必要になる場合があります。
配管周りの隙間を点検

シロアリは、水道管やガス管など住宅内部につながる配管周辺の隙間から住宅に侵入することもあります。
配管とコンクリートの接合部や水抜き穴に隙間を見つけたら、専門業者の防蟻処理を受け、モルタルやコンクリートで隙間を充填してもらいましょう。
応急処置として、市販のシーリング材で配管周りの隙間を塞ぐ方法もありますが、シーリング材と配管の材質によってはうまく接着しません。
また、ポリウレタン系のシーリング材は塩化ビニル管(塩ビ管)を劣化させる成分を含んでいるため相性が悪く、破損して強度が低下するとシロアリの侵入につながります。
なお、すでにシロアリの侵入が疑われるなら、隙間を塞ぐ前にシロアリ駆除業者へ相談しましょう。シロアリを駆除せずに侵入口を塞ぐと、被害状況や侵入経路の調査が性格にできず、スムーズな対応ができなくなるかもしれません。
木製構造物や庭木などの防腐処理

住宅の木製構造物や庭木も、シロアリの侵食の対象です。定期的な点検と防腐対策が必要です。
対策として、防腐、防蟻剤は5年おきに塗り直し、塗膜の剥がれや色あせ、木材のひび割れなどがないか確認しましょう。日本しろあり対策協会または日本木材保存協会の認定を受けた防腐、防蟻剤は、5年ごとの再処理が推奨されています。
家族にシロアリ被害の兆候を共有する

シロアリ被害を早期に発見するためには、家族全員で住まいの異変に気を配り、気付いたことを共有することが重要です。
家族のなかにシロアリへの危機意識をもっている人がいても、ほかの人が関心をもっていなければ、被害の初期サインを見逃し、大したことはないだろうと放置してしまう可能性もあります。
以下のような異変があれば、家族で情報を共有しましょう。
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シロアリ駆除業者による無料点検を利用する

シロアリ駆除業者のなかには、床下の状況やシロアリ被害の有無を無料で診断するサービスを提供しているところがあります。
専門家による点検を受けることで、シロアリの被害状況だけでなく、床下の湿気やひび割れなど建物の状態も確認ができます。
被害の早期発見だけでなく事前の予防にもつながります。
シロアリは被害が進行するほど建物の補修範囲が広がり、修繕費用も高額になる傾向があるため、早めに点検を受けることが大切です。
パイン材の家具をシロアリから守る対策

パイン材はやわらかく軽量な木材のため加工しやすく、棚やテーブル、椅子、ベッドなどの家具に広く使用されています。
パイン材の家具をシロアリから守るためには、設置面や配置の工夫、湿度管理、メンテナンスが重要です。具体的な対策を解説します。
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家具を床に直置きせず配置を工夫する

パイン材の家具は、温度や湿度によって含水率が変動するため、なるべく直射日光を避けつつ、風通しのよい場所に配置するのが理想です。
木材には空気中の水分を吸収する性質があり、湿気が多い環境では木材の含水率が高くなります。含水率が70%を超えると腐朽菌が活発化し、木材が腐食します。
腐食した木材は強度が低下し、シロアリが侵食しやすくなるため、パイン材のテーブルやベッド、棚などは床に密着しないものが良いです。脚付きの家具や脚キャップを活用したりすると、家具の下に空気が流れて乾燥した状態を保てます。
また、家具は壁から数cm離して設置すると、湿気がこもりにくいです。結露やエアコン、配管の水漏れがないかも定期的に確認しましょう。
室内と家具周辺の湿度を管理する

パイン材の家具を置いた部屋は、腐朽菌やカビの発生を防ぐために、湿度70%以下に保ちましょう。厚生労働省の「建築物環境衛生管理基準」では、相対湿度を40%以上70%未満に保つことが、菌やカビの増殖を防ぐとされています。
とくに、風呂場や洗面所、キッチンなどの水回りは、湿気がこもりがちです。梅雨の時期に限らず、パイン材の家具を置いた部屋では、換気扇や除湿機を活用してください。
家具の塗装の有無を確認しメンテナンスする

パイン材の家具を購入する際は、ウレタン塗装やUV塗装など、木材を保護する塗装が施されているかを確認しましょう。これらの塗装は耐水性を向上させ、木材の腐食を抑えます。
加えて、1年に1〜2回を目安に、塗装が剥がれている部分がないかをチェックしましょう。塗膜の剥がれや色あせ、ひび割れなどがある場合は塗料を塗り直してください。
たとえば、撥水効果のある合成樹脂塗料は家具の表面を保護して水分の浸透を抑えるため、木材が湿気を含みにくくなり、腐朽やシロアリ被害の予防につながります。
また、木材用の防蟻、防腐剤(非エステルピレスロイド系、トリアゾール系など)は、シロアリの侵食や腐朽菌の繁殖を抑えられます。
さらに、日常的に水拭きは避け、なるべく乾拭きをおこない、木材が乾燥した状態を保ちましょう。汚れが気になる場合は水拭きしてもかまいませんが、十分に乾燥させることが大切です。
自分でできるシロアリ調査|5つのチェックポイント
シロアリ調査は、専門知識や機材をもつシロアリ駆除業者へ依頼するのが確実ですが、自宅で確認できるポイントを把握しておくと早期発見につながります。
以下の5つをチェックしてみましょう。
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蟻道がないか

基礎や外壁などに蟻道がある場合は、シロアリが建物内で活動している可能性が高いです。
蟻道は、基礎の立ち上がり部分や束石、束柱、配管周り、断熱材、外壁、化粧モルタルやタイルの裏側、放置された木材や木柵などにつくられます。
蟻道を見つけたら、まずは写真を撮って記録し、そのままの状態でシロアリ駆除業者へ相談してください。
壊したり殺虫剤を散布したりするのは避けましょう。危険を察知したシロアリは別の場所へ移動し、侵食を広げます。
また、蟻道を壊すと痕跡が失われ、シロアリ駆除業者が被害範囲を正確に判断できなくなるかもしれません。
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シロアリの羽や死骸は落ちていないか

春から夏にかけて、窓際やベランダ、玄関などに羽アリの死骸や抜け落ちた羽を見つけたら、近くにシロアリが巣をつくっている可能性が高いです。
通常、シロアリは巣のなかで生活していますが、個体数が増えると、一部の個体が羽アリへと成長し、数百〜数千匹が一斉に巣から飛び立つ群飛(ぐんぴ)と呼ばれる行動をとります。
群飛して飛来したシロアリは、着地すると自ら羽を落とし、オスとメスで新しい巣をつくるため、着地場所には大量の羽が残るのです。
羽アリが群飛する時期は、種類によって違います。シロアリ被害の90%以上の原因であるヤマトシロアリが4〜5月の日中、次いで被害の多いイエシロアリが6〜7月の夕方から夜にかけて群飛をします。同時期はとくに注意して、羽が落ちていないか確認してください。
木材に小さな穴や崩れはないか

住宅の床や柱、敷居、家具、ウッドデッキなどの木材に小さな穴や崩れ、木くずがないか確認しましょう。
シロアリの被害にあった木材は、内部が空洞化し、叩くと軽い音がしたり、押すとやわらかく感じたり、表面がもろく崩れたりします。
ただし、これらの症状は腐朽や経年劣化でも見られ、一般の方が正確にシロアリ被害と判断するのは難しいです。
少しでも異常を感じたら、自己判断で放置せず、シロアリ駆除業者へ相談し、専門的な調査を受けましょう。
床や畳がきしむ、沈む感覚はないか

室内を歩いたときに、フローリングがきしむ、沈むような感覚があったら、シロアリ被害が発生している可能性があります。
シロアリは床下の木材を内部から侵食し、強度が低下した床材はたわんだり、きしんだりするのです。
また、シロアリは畳に使われる、い草や稲わらなどセルロースを含む材料も餌にします。
畳に異常を感じたら、畳を持ち上げて裏側に蟻土(ぎど)や蟻道がないか確認してください。
蟻土とは、シロアリが光や乾燥を避けるために、土、木片、体液、排泄物などを固めてつくったもので、土砂のような見た目です。
畳の裏側や周辺に蟻土や蟻道を発見したら、床下や周辺の木材までシロアリ被害が広がっている可能性があります。
庭の木製構造物にシロアリの痕跡がないか

屋外に設置された木材は、雨水や地面からの湿気の影響で、徐々に腐っていきます。腐った木材は、シロアリの餌となるだけでなく、住宅の基礎や床下に侵入されるきっかけにもなるため、放置は避けましょう。
ウッドデッキや木製フェンス、木製門柱、庭の枕木や杭のほか、放置された木材や廃材、切り株、枯れ木、木製の物置、収納庫などがシロアリが発生しやすい場所です。
それぞれ、表面に小さな穴や崩れがないか、木くずが落ちていないか、また周囲の地面や基礎部分、支柱などに蟻道がないかを点検してください。
まとめ
パイン材(マツ類)は、ヒバやヒノキなどの耐蟻性が高い木材と比べると、シロアリに有効な殺蟻成分が少なく、材質もやわらかいため、シロアリ被害にあいやすいです。
しかし、適切な予防対策や防蟻処理をおこなえば、被害のリスクを軽減できます。自分で点検をおこなう際は、蟻道や蟻土、羽、木材の小さな穴や木くず、空洞音、床や畳のきしみなどのポイントを確認しましょう。
シロアリお助け本舗では、無料の床下調査を実施しています。パイン材を使用した住宅や家具のシロアリ被害が気になる方は、無料相談を活用してみてください。



