シロアリ基礎知識

【画像付き】シロアリの見分け方を徹底解説|種類別の特徴、他の虫との違い、被害サインとは

サムネイル シロアリ 見分け方​

住宅で見慣れない虫を見つけても、シロアリかを見た目だけで判断するのは難しいです。

クロアリやほかの虫と姿が似ているうえ、シロアリは種類や階級によって見た目が異なります。

シロアリは柱や土台、床下の根太(ねだ:床板を支える横木)などの構造材を内部から侵食する害虫です。放置すると住宅の耐震性能が下がり、修繕費用が高額になる恐れがあります。

本記事では、シロアリとほかの虫の見分け方から、住宅を侵食する4種類の特徴、被害のサイン、見つけたときの対処法までを画像付きで解説します。

※1 一部エリア、再発保証が付いている場合のみ。発生箇所と同一の場所、シロアリの種類も同じ場合のみ適用。
※2 対応エリア・加盟店・現場状況などにより記載の通りには対応できない場合があります。
※3 面積が66㎡未満の場合は一律80,000円(税込み)になります。ヤマトシロアリに限ります(カンザイシロアリなど他のシロアリは別途見積り)。
※4 使用する薬剤は加盟店ごとに異なります。特殊な薬剤・油剤は別途見積りとなります。

このような方におすすめ

  • 住宅の中で見かけた虫がシロアリか判断できず不安な方
  • 床に落ちていた羽がシロアリのものか確かめたい方
  • 床鳴りや木材のひび割れの原因がシロアリか知りたい方

シロアリとクロアリの見分け方

シロアリとクロアリの見分け方

シロアリとクロアリは、名前も見た目も似ていますが、分類がまったく異なる別の昆虫です。シロアリはゴキブリの仲間、クロアリはハチの仲間にあたります。

両者を見分けるポイントは、次の4つです。

シロアリとクロアリを見分けるポイント

  • 体の色の違い
  • 体のくびれの違い
  • 触角の形の違い
  • 羽の形と大きさの違い

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体の色の違い

シロアリの働きアリ(職アリ)は、白色〜乳白色(クリーム色)の体色をしています。

一方でクロアリの働きアリは、種類によって差はあるものの、全身が黒色〜茶色です。

ただし、色で見分けられるのは働きアリ同士を比べるときだけです。シロアリも羽アリになると体が黒〜赤褐色になるため、羽アリ同士では色での比較は難しくなります。

体のくびれの違い

シロアリの体型は寸胴

シロアリの体には胴体のくびれがなく、頭から腹まで寸胴に近い形をしています。

一方でクロアリの体は頭、胸、腹の3つに分かれ、胸と腹の間に腹柄節(ふくへいせつ)と呼ばれる明確なくびれがあります。

くびれは肉眼でも確認しやすく、職アリどうしと羽アリどうしのどちらの比較にも使える手がかりです。

触角の形の違い

シロアリとクロアリの触角の違い

シロアリの触角は、短い節が数珠のように連なり、全体がゆるやかに湾曲しています。

一方でクロアリの触角は、根元に長い節(柄節:へいせつ)があり、全体がくの字型に折れ曲がっています。

羽の形と大きさの違い

シロアリの羽は前後同じ大きさ

シロアリの羽アリは、前の羽と後ろの羽がほぼ同じ大きさと形をしています。一方でクロアリは、前の羽が後ろの羽より大きく、形が異なります。

翅脈(しみゃく:羽に走る筋)もシロアリとクロアリでは違います。シロアリは細く直線的で透明感が低く、クロアリは太く枝分かれして透明感が高いです。

シロアリの羽アリは群飛(ぐんぴ:巣から一斉に飛び立って新しい巣をつくること)で地面に降りると、自ら羽を落とします。本体がいなくても、同じ大きさの羽がまとまって落ちていれば近くにシロアリがいるサインです。

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シロアリの階級ごとの見分け方

シロアリの階級構造

シロアリは社会性昆虫と呼ばれ、1つの巣のなかで役割を分担しながら集団で生活する昆虫です。

具体的には、職アリ階級、兵アリ階級、生殖階級の3つに分かれ、生殖階級には羽アリ、女王アリ、王アリが含まれます。

次の5つの個体について、それぞれの見分け方を解説します。

役割ごとに変わる5つの姿

  • 職アリ(働きアリ)
  • 兵アリ
  • 羽アリ
  • 女王アリ
  • 王アリ

職アリの見分け方

シロアリの職アリ4種比較

職アリは働きアリとも呼ばれ、巣全体の90〜95%を占める労働階級です。

木材の侵食や幼虫の世話、蟻道(ぎどう:土や排泄物でつくるトンネル状の通り道)の構築、王アリや女王アリ、兵アリへの給餌まで、巣の運営に必要なほぼすべての作業を担います。

体色は白色〜乳白色で、近くで見ると全体がやや半透明に見えます。

住宅の被害に気づくきっかけは、職アリを見つけるか、群飛前後の羽アリを見つけるかのどちらかが多いです。

体長は3.5〜8.0mm程度です。種類によって大きさに差はあるものの、いずれも白っぽい体色をしています。

兵アリの見分け方

シロアリの兵アリ4種比較

兵アリは、巣を守る防衛専門の階級です。巣全体に占める割合は種類によって異なり、ヤマトシロアリで2%前後、イエシロアリで10%前後です。

クロアリやムカデなどの敵が侵入すると、自らが盾になって他のシロアリを逃がします。

頭部が大きく、体長の3分の1から半分ほどを占めるのが特徴です。大顎(おおあご)が大きすぎて自分で餌を食べられず、職アリから口移しで栄養を受け取っています。

体色は職アリと同じ白色〜乳白色で、頭部だけが黄褐色〜赤褐色です。頭部の色と大きさを見れば、兵アリだと見分けられます。

羽アリの見分け方

altシロアリの羽アリ

羽アリは、群飛のために巣から飛び立ち、新しい巣を立ち上げる繁殖専門の個体です。

全身が黄褐色〜黒褐色に色づいている点が、白い職アリや頭部だけ色が違う兵アリとは大きく異なります。

羽を除いた体長は種類により4.5〜11.0mmで、職アリや兵アリより一回り大きい個体です。背中からは体の倍近い長さの羽が4枚伸びています。

職アリと兵アリの複眼は退化して見えないのに対し、羽アリは複眼が発達しています。頭部に目があるかどうかも、羽アリを見分ける手がかりです。

群飛後に羽を落とした個体も体色は濃いままで、白い職アリとは見た目が異なります。

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女王アリの見分け方

女王アリ 卵を産む姿 上から見た図

女王アリは、産卵を担うメスの個体です。産卵を重ねるにつれて腹部がふくらみ、体の大部分を占めるようになる点が、職アリや兵アリにない特徴です。

腹部の肥大が目立つのはヤマトシロアリやイエシロアリの女王で、体長はヤマトシロアリで11.0〜15.0mm前後、イエシロアリでは35.0〜40.0mm前後にもなります。

巣の奥にとどまるため、人が直接目にする機会はほとんどありません。

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王アリの見分け方

シロアリの王アリ

王アリは、オスの個体で基本的に1つの巣に1匹だけ存在します。

女王アリのような腹部の肥大はなく、羽を落とした羽アリに近い体型をしています。

体長は種類によって異なり、おおむね5.0〜10.0mmです。体色は羽アリのときの濃い色を保つため、白い職アリや兵アリと並ぶと色の濃さでも判別できます。

交尾後まもなく死ぬクロアリのオスとは異なり、王アリは女王アリとペアで巣の奥にとどまるのが特徴です。寿命は女王アリと同じく10年以上におよび、生涯にわたって繁殖を続けます。

住宅を侵食するシロアリ4種類の見分け方

日本で主要な4種類のシロアリ

日本国内で住宅に被害を出すシロアリは、主に次の4種類です。

国内で被害を出す4種類のシロアリ

  • ヤマトシロアリ
  • イエシロアリ
  • アメリカカンザイシロアリ
  • ダイコクシロアリ

種類を絞り込めれば、被害の広がり方や対処の方針がわかります。分布地域や体長、兵アリの頭部の形、群飛の時期、蟻道やふんの有無が判別のポイントです。それぞれ解説します。

ヤマトシロアリの特徴と見分け方

階級ごとのヤマトシロアリの見た目

ヤマトシロアリは、北海道北部を除く日本全土に分布し、日本のシロアリ被害の約9割を占める種類です。

シロアリ種類別の被害発生割合

分布が広いため地域では絞り込めず、見た目や発生時期で判別します。代表的な見分け方は、次の通りです。

ヤマトシロアリの見分け方

  • 兵アリの頭部が細長い円筒形で、頭の長さが幅の2倍以上ある
  • 羽アリは体長4.5〜7.5mm程度で、黒い胴体に明るい黄色の胸部をもつ
  • 群飛は4〜5月の午前中に集中する
  • 浴室、台所、洗面所などの水回りや床下の湿った木材に被害が集中する

職アリの体長は3.5〜6.5mmで、外見はイエシロアリとよく似ています。巣の規模は数千〜数万匹です。

ヤマトシロアリは乾燥に弱く、活動に水分が必要です。そのため、湿った木材を好み、水回りや床下に被害が集中する傾向があります。

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イエシロアリの特徴と見分け方

階級ごとのイエシロアリの見た目

イエシロアリは、神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、南西諸島、小笠原諸島に分布します。関東内陸部や東北地方などの寒冷地ではほとんど見られません。

ヤマトシロアリと違って自ら水を運ぶ習性があり、水回りから離れた乾いた木材まで侵食します。

代表的な見分け方は、次の通りです。

イエシロアリの見分け方

  • 兵アリの頭部が丸みを帯びた卵形(タマネギ型)で、乳白色の防衛液を出す
  • 羽アリは体長7.4〜9.4mm程度で、ヤマトシロアリより一回り大きい
  • 群飛は6〜7月の夕方から夜間に集中する
  • 屋根裏や2階の柱まで被害がおよぶ可能性がある

職アリの体長は4.5〜5.5mmです。蟻道は太さ1.0〜2.0cmの塊状で、ヤマトシロアリの細い蟻道とは見た目で区別できます。

ヤマトシロアリとイエシロアリの蟻道

イエシロアリの巣の規模は数十万〜100万匹にのぼります。侵食のスピードがヤマトシロアリより速く、気づいたときには被害が大きくなっていることが多いです。

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アメリカカンザイシロアリの特徴と見分け方

アメリカカンザイシロアリは、北米原産の外来種で、東北から沖縄まで各地に局地的に分布しています。地中ではなく木材の内部に直接巣をつくる、カンザイシロアリというグループの種類です。

代表的な見分け方は、次の通りです。

アメリカカンザイシロアリの見分け方

  • 擬職蟻(ぎしょくぎ:職アリの役割を担う個体)の体長は5.0〜8.0mm、兵アリは8.0〜11.0mmと在来種より大型
  • 兵アリは頭部前方が斜めに切り立ち、赤褐色の色味がある
  • 群飛は7〜10月の日中で、在来種と時期がずれる
  • 砂粒状の俵型のふんが、木材の小さな穴の下に積もる

蟻道をつくらないため、土の筋は確認できません。アメリカカンザイシロアリが侵食する木材の表面には、ふんを排出するための1.0〜2.0mmの小さな穴が点在します。

1つの巣は数百〜数千匹と小規模ですが、1軒に複数の巣ができるため、被害の範囲を外から予想しにくい種類です。

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ダイコクシロアリは、奄美大島以南に分布するカンザイシロアリの仲間です。奄美大島より北で見つかる例もまれにありますが、家具や木材に潜んだ個体が持ち込まれたケースに限られます。

代表的な見分け方は、次の通りです。

ダイコクシロアリの見分け方

  • 兵アリは頭部の前面が大きく窪んだ独特の形をしている
  • 擬職蟻の体長は4.0〜6.0mmで、アメリカカンザイシロアリより小ぶり
  • 羽アリは体長5.0〜6.0mm程度で、夜間に灯火へ集まる
  • 砂粒状のふんを出し、アメリカカンザイシロアリよりやや小さめの粒であることが多い

蟻道をつくらず発見しにくい点は、アメリカカンザイシロアリと共通しています。小さく乾いた木材にも巣をつくれるため、家具や楽器の内部が侵食される被害も多いです。

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シロアリと間違えやすい虫の見分け方

シロアリと間違えやすい虫5種類

シロアリは、ほかの小さな虫と見間違えられることもあります。虫の種類を取り違えると、不要な駆除をしたり、本当の被害を見落とすことにつながります。

住宅内でシロアリと混同されやすい虫は、次の4種類です。

シロアリと間違えやすい4種類の虫

  • ゴキブリの幼虫
  • チャタテムシの幼虫
  • クロバネキノコバエ
  • ノミバエ

サイズや触角、羽、動き方に注目すると、シロアリと見分けられます。

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ゴキブリの幼虫

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ゴキブリの幼虫は、成長段階によって体長に幅があります。クロゴキブリで4.0〜25.0mm、チャバネゴキブリで2.0〜10.0mmで、小さい個体はシロアリの職アリに近い大きさです。

次の点でシロアリと見分けられます。

ゴキブリの幼虫とシロアリを見分けるポイント

  • 触角と尾毛(尾の先の突起)がシロアリより明らかに長い
  • 体が平たく、シロアリのような寸胴の円筒形ではない
  • 集団で動くシロアリと違い、単独ですばやく動く

ゴキブリは、サルモネラ菌や赤痢菌などを媒介する衛生害虫です。ふんや脱皮殻がぜんそくのアレルゲンになり、食品の汚染も引き起こします。

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チャタテムシの幼虫

シロアリの職アリとチャタテムシの幼虫

チャタテムシの幼虫は、体長1mm程度で、シロアリの職アリよりはるかに小型です。

体は白〜半透明で、成虫と同じく頭が大きく腹部がふくらんだ姿をしています。次の点でシロアリと見分けられます。

チャタテムシの幼虫とシロアリを見分けるポイント

  • サイズが圧倒的に小さく、触角が体長と同じくらい長い
  • 古本や段ボールなどの紙類のうえで動いている
  • 集団で動くシロアリと違い、単独で行動することが多い

人をかむことはありませんが、大量に発生すると、ぜんそくやアトピーのアレルゲンとなる虫です。

また、チャタテムシを餌にするツメダニが増え、人が刺される二次被害も起こります。

クロバネキノコバエ

シロアリの羽アリとクロバネキノコバエ

クロバネキノコバエは、体長1.0〜2.0mmで、ヤマトシロアリの羽アリ(体長4.5〜7.5mm)の半分以下しかない小さな虫です。

黒〜黒褐色の体色のため、羽アリと間違えられることがあります。次の点でシロアリの羽アリと見分けられます。

クロバネキノコバエとシロアリの羽アリを見分けるポイント

  • 羽が4枚ではなく2枚しかなく、その2枚は透明
  • 頭部から目が大きく飛び出している
  • 歩き回らず、空中をすばやく飛び回る

直接的な健康被害は少ないものの、大量に発生する不快害虫(人間に不快感や嫌悪感を与える虫)です。観葉植物の鉢の土で幼虫が育つため、室内で植物を育てている住宅では一年を通じて見かけます。

ノミバエ

シロアリの羽アリとノミバエ

ノミバエは、体長2.0〜4.0mmで、黒褐色のずんぐりした体に、盛り上がった背中をもつ小さなハエです。オオキモンノミバエやコシアキノミバエなど複数種の総称で、夏場に活発に活動します。

次の点でシロアリと見分けられます。

ノミバエとシロアリの羽アリを見分けるポイント

  • 羽が4枚のシロアリと違い、羽が2枚である
  • 目で追えないほどすばやく飛んだり走ったりする
  • 生ゴミや腐敗物の周辺に発生する

ノミバエは、生ゴミや腐敗物に集まって食品を汚染する食品衛生害虫(食品を介して健康被害をもたらす害虫)です。

まれに幼虫が傷口などに寄生する蠅蛆症(ようじしょう)の原因にもなり、かゆみや痛み、赤い腫れが出た例が報告されています。

シロアリ被害の見分け方

床鳴りや木材のひび割れは、シロアリ被害のサインです。ただし、同じ症状は経年劣化や木材の腐朽、ほかの害虫の被害でも起こります。

原因を取り違えると、必要な対処もずれてしまいます。シロアリ被害と見間違えやすい原因は、次の3つです。

シロアリ被害を見分けるポイント

  • 経年劣化とシロアリ被害
  • 木材腐朽やカビとシロアリ被害
  • 他の害虫の侵食とシロアリ被害

経年劣化とシロアリ被害の見分け方

築年数を重ねた住宅では、床鳴りや木材の傷みを経年劣化と決めつけてしまいがちです。次の3つを比べることで、シロアリ被害かどうかを見分けられます。

経年劣化とシロアリ被害を見分けるポイント

  • 床鳴りや床の沈み方の違い
  • 木材表面のひび割れと変色の違い
  • 木材を叩いた音と感触の違い

床鳴りや床の沈み方の違い

フローリングの沈みや床鳴りの確認

経年劣化による床鳴りや沈みは、築20〜30年以上の住宅で建物全体に広く現れます。季節の湿度変化で、症状が出たり消えたりするのも特徴です。

一方、シロアリ被害による床鳴りや沈みは、築年数の浅い住宅でも起こります。洗面所や浴室、キッチンなどの水回りや、玄関の上がり框(あがりかまち:玄関の段差部分にある横木)まわりに集中します。

日本の被害の大半を占めるヤマトシロアリが、湿った水回りの木材を中心に侵食するためです。

木材表面のひび割れと変色の違い

木材表面のひび割れと変色の違い

経年劣化のひびは表面に細い線が入る程度で、内部の強度は保たれたままです。一方、シロアリ被害の木材は、表面が正常に見えても内部が食い進められて空洞になっています。

変色の出方も異なり、経年劣化では時間とともに全体が均一にくすみます。シロアリ被害では一部だけが黒ずみ、周囲と明らかに色が違って見えるのが特徴です。

シロアリに侵食された木材の表面には、縦筋やうろこ状の凹凸が現れることもあります。経年劣化にない不自然な質感も、判別の手がかりです。

木材を叩いた音と感触の違い

壁を叩く

健全な木材を軽く叩くと、硬く乾いた音がします。経年劣化した木材は多少音が鈍るものの、空洞音までは出ません。

シロアリに侵食された木材は、内部の空洞に響くポコポコとした軽い音に変わります。また、シロアリ被害が進んだ木材は、ペン先で軽く押すだけで表面に穴が空きます。

木材腐朽やカビとシロアリ被害の見分け方

木材腐朽やカビとシロアリ被害の見分け方

木材腐朽やカビは、シロアリ被害と同じ湿った場所で発生するため、見分けるのが難しい症状です。

木材腐朽菌は木材そのものを分解し、シロアリは木材を食べて内部を空洞にします。見分ける観点は、次の3つです。

木材腐朽やカビとシロアリ被害を見分けるポイント

  • 木材の変色と質感の違い
  • 臭いの違い
  • 触ったときの感触の違い

腐朽とシロアリ被害は同じ場所で同時に起こることもあり、片方を見つけたら両方を疑ってください。判断に迷うときは、専門業者にシロアリの痕跡を調べてもらうと確実です。

木材の変色と質感の違い

木材腐朽菌による被害の場合、表面が黒褐色〜暗褐色、もしくは白色に変わり、腐朽が深刻化すると、木材が綿状やスポンジ状にふやけます。

一方、シロアリ被害は、表面が正常な見た目を保ったまま内部だけが空洞化します。表面の質感と内部の状態に大きな差が出るのが特徴です。

臭いの違い

木材腐朽では、雑巾のようなすえたカビ臭がします。臭いの正体は、腐朽菌やカビが出す揮発成分で、木材が湿っているほど強く感じられます。

一方、シロアリ被害にしかあっていない木材は、強い臭いはしせん。

触ったときの感触の違い

腐朽した木材は指で押すと柔らかく沈み込み、繊維がほぐれるように崩れます。

シロアリ被害材は表面の硬さが残っているものの、ペンやドライバーで突くと穴が空き、内部に侵食の跡が見つかるのが特徴です。

指で押して崩れれば腐朽、表面は硬いのに内部だけ空洞ならシロアリ被害です。

他の害虫の侵食とシロアリ被害の見分け方

木材に穴を空ける害虫

木材に穴をあける虫には、シロアリのほかにシバンムシやキクイムシがいます。どちらも硬い殻をもつ甲虫の仲間で、シロアリとは姿がまったく異なります。

シバンムシは体長2.0〜4.0mmの茶色い甲虫です。丸みのある小さな体で、古い木材や畳、乾燥食品などに発生します。

キクイムシは体長3.0〜7.0mmの細長い甲虫です。住宅では赤褐色〜黒褐色のヒラタキクイムシが多く、広葉樹を使ったフローリングや家具に発生します。

どの虫による被害なのかは、次の観点で判別できます。

他の虫とシロアリ被害を見分けるポイント

  • 落ちている粉やふんの違い
  • 侵食による木材への影響の違い

落ちている粉やふんの違い

落ちている粉やふんの違い

シバンムシやキクイムシの木くずは、細かい粉状でサラサラしているのが特徴です。

アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリのふんは直径1.0mm前後の俵型の砂粒状で、薄茶色〜こげ茶色の固い粒として落ちています。

木材のまわりに落ちているものが粉のように細かければシバンムシやキクイムシ、固い砂粒状ならカンザイシロアリによる被害を疑いましょう。

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侵食による木材への影響の違い

シバンムシやキクイムシの被害は、木材の表面付近にとどまることが多く、強度を下げるまでには至りません。

とくにキクイムシは広葉樹を好み、針葉樹が中心の在来工法の住宅では被害が出にくい虫です。輸入広葉樹や合板を多く使った住宅で見つかりやすくなります。

一方、シロアリは柱、土台、梁、床組といった構造材を内部から侵食するため、住宅全体の耐震性能が下がります。

スギやヒノキなどの針葉樹も侵食するため、住宅への影響はほかの害虫より深刻になりやすいです。

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シロアリらしき虫を見つけたときの対処法

シロアリの幼虫らしき虫を見つけたら最初にやること

シロアリらしき虫を見つけたら、写真と現物を残したうえで、専門業者に調査を依頼してください。あわてて殺虫スプレーをかけたり潰したりすると、種類の判別や被害の特定が難しくなります。

発見直後にやるべきことを順番に解説します。

見つけた個体と場所を写真に撮る

虫を捕獲して撮影する

スマートフォンのカメラで、虫に寄った写真と、周辺環境がわかる引きの写真の両方を撮っておきましょう。

ピントの合った写真が残っていれば、くびれの有無や触角の形、体の色から種類を判別できます。

併せて撮影した日時と天気、見つけたおよその数もメモしてください。羽アリは種類によって群飛の時間帯や天気が異なるため、記録そのものが判別の手がかりです。

複数の場所で同じような虫を見つけたときは、場所ごとに撮影して記録を残します。

潰さずに数匹を粘着テープに貼って保管する

潰さずに数匹を粘着テープに貼って保管する

見つけた虫は潰さず、数匹を粘着テープに貼りつけましょう。上から透明テープを重ねて密封し、チャック付きの袋に入れてください。

実物が残っていれば、専門業者による種類の判別精度が上がります。触角や体の形が確認できる状態で貼りつけると、後日の調査で役立ちます。

群飛のあとで羽だけが落ちていた場合も、同じようにテープへ貼って保管してください。4枚の羽の大きさの違いも、判別の材料です。

動いている個体は掃除機で吸い取る

動いている個体は掃除機で吸う

保管用の数匹を確保したら、残って動いている個体は掃除機で吸い取ります。

シロアリは体がやわらかく、吸引の衝撃で弱ることが多いです。ただし生き残る個体もいるため、紙パックはビニール袋に入れ、口を縛ってから捨ててください。

サイクロン式の掃除機では、カップの中身をゴミ袋に移して同じように処分しましょう。

専門業者に調査を申し込む

シロアリ駆除業者に調査を申し込む

記録と保管、吸引が済んだら、速やかに専門業者へ調査を依頼します。見つけた日時と場所、数、写真や保管した個体の有無を伝えると、調査がスムーズに進みます。

過去5年以内にシロアリ駆除・予防の施工を受けているなら、施工した業者に保証期間内かどうかを確認してください。期間内であれば、無料で再施工を受けられる場合があります。

新築の住宅では、ハウスメーカーの保証書で防蟻の保証が付いているかを確かめましょう。

シロアリお助け本舗では、しろあり防除施工士の資格をもつスタッフが床下調査を無料でおこなっています。保証の対象外だったときも、お気軽にご相談ください。

シロアリらしき虫を見つけたときにやってはいけない行動

シロアリの幼虫らしき虫を見つけたらやってはいけないこと

よかれと思ってとった行動が、かえって被害を広げたり、状況の把握を難しくしたりします。避けたい行動は大きく3つです。

市販の殺虫スプレーをかける

シロアリの羽アリを発見して殺虫スプレーを使用するのはNG

家庭用の殺虫スプレーで駆除できるのは、目の前の個体だけです。巣は床下や地中の深い場所にあるため、スプレーの薬剤は巣まで届きません。

市販品の多くには忌避作用のあるピレスロイド系の成分が含まれ、生き残った個体は薬剤のない方向へ逃げます。まとまっていた群れが住宅のあちこちに散ると、駆除で薬剤を使う範囲が広がり、施工費用もかさみます。

すでにスプレーをかけてしまったときは、かけた場所と日時を専門業者に伝えてください。

蟻道を壊す

柱の根元の蟻道

蟻道は、シロアリが今どこを移動しているかを示す手がかりです。壊してしまうと、侵入経路の特定が難しくなります。

基礎コンクリートの表面や束石(つかいし:床を支える柱を受ける石やコンクリートの台)の側面に泥の筋を見つけても、触らず写真を撮るだけにとどめましょう。

すでに崩してしまった場合は、そのまま放置してかまいません。

自分で床下に潜る

自分で床下に潜って確認する

巣を探そうとして自分で床下に潜るのは危険です。

基礎の高さは40〜45cm程度しかないため、腹ばいで進む必要があります。コンクリートの角や突き出た釘でけがをしやすい環境です。ムカデやクモなどに刺される危険や、過去の施工で残った薬剤を吸い込む危険もあります。

床下の確認は、装備を整えた専門業者に任せてください。

まとめ

シロアリかどうかは、体の形で見分けられます。胸と腹の間にくびれがなく寸胴で、触角が数珠のように連なっていればシロアリです。羽アリの場合は、4枚の羽がほぼ同じ大きさでそろっているかどうかを確認しましょう。

白い個体は働きアリ(職アリ)、頭部だけが黄褐色〜赤褐色の個体は兵アリ、全身が色づいて羽のある個体は羽アリです。分布地域や群飛の時期、蟻道やふんの有無を確認すれば、シロアリの種類まで絞り込めます。

ゴキブリの幼虫やチャタテムシの幼虫、クロバネキノコバエ、ノミバエは、シロアリと混同されやすい虫です。体の大きさ、羽の枚数、触角の長さ、動き方などを見比べることで、見分けることが可能です。

また、住宅の傷み方の違いでも、シロアリ被害にあっているかを判断できます。床鳴りや木材の傷みが水回りなど一部に集中していたり、蟻道や砂粒状のふんが落ちていた場合は、シロアリ被害を疑ってください。

シロアリらしき虫を見つけたときは、写真を撮り、数匹を粘着テープに貼って残しておきましょう。殺虫スプレーをかけたり蟻道を壊したりすると、群れが散って被害が広がるうえ、侵入経路の特定も難しくなるため、避けてください。

シロアリお助け本舗では、しろあり防除施工士の資格をもつスタッフが床下調査を無料でおこなっています。見つけた虫がシロアリかどうか判断に迷ったときは、お気軽にご相談ください。

※1 一部エリア、再発保証が付いている場合のみ。発生箇所と同一の場所、シロアリの種類も同じ場合のみ適用。
※2 対応エリア・加盟店・現場状況などにより記載の通りには対応できない場合があります。
※3 面積が66㎡未満の場合は一律80,000円(税込み)になります。ヤマトシロアリに限ります(カンザイシロアリなど他のシロアリは別途見積り)。
※4 使用する薬剤は加盟店ごとに異なります。特殊な薬剤・油剤は別途見積りとなります。

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シロアリお助け本舗編集部

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