シロアリ駆除

【プロが監修】シロアリ防除工事|工程から費用相場まで徹底解説

サムネイル シロアリ 工事

この記事の監修者

「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。

ROY株式会社

近所でシロアリ被害が発生した、床下から異音がする、床がふかふかするなどの場合、シロアリ駆除・予防工事を検討すべきです。しかし、工事の種類、内容、費用相場など、わからないことが多くて不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、シロアリ工事の基本知識から施工方法、費用相場まで18,000件以上の工事実績があるシロアリ駆除のプロが解説します。大切な住宅を守るために、正しい知識を身につけましょう。

このような方におすすめ

  • シロアリ駆除・予防工事の内容を知りたい方
  • 工事費用の相場を知りたい方
  • 自宅に工事が必要か判断をしたい方

シロアリ駆除・予防工事の2タイプ

シロアリ工事には大きく分けて2つのタイプがあります。それぞれの目的と特徴を理解し、自宅に必要なタイプを選びましょう。

シロアリ駆除工事

バリア工法 薬剤散布 床下

シロアリ駆除工事は、すでにシロアリによる被害が発生している場合に必要な工事です。羽アリを見かけたり、床下からの異音や床の沈みなどの症状が現れた場合、施工を検討すべきです。

具体的な施工内容は被害箇所の状況やシロアリの種類によります。駆除業者は、建物の床下や基礎部分を中心に、シロアリの生息や被害の有無を確認する専門的な検査をおこない、適切な駆除工事の内容を決めます。

被害が広がる前に対処できれば、修繕費用を最小限に抑えられます。

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シロアリ予防工事

予防工事

シロアリ予防工事は、まだシロアリ被害が発生していないタイミングで、予防のためにおこなう工事です。新築建設時や前回の予防工事の保証期間が切れたタイミングで実施します。

なお、木造新築の場合は建築基準法により、木材への防蟻処理(シロアリ予防のための処置)が義務づけられています。

参考

(外壁内部等の防腐措置等)

第四十九条 2

構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から一メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない。

出典:e-Gov法令検索|建築基準法施行令(最終閲覧日:2025年11月12日)

ハウスメーカーによっては建材の特殊処理や追加のシロアリ対策により、独自の保証制度を導入しており、保証期間が10年より長い場合もあります。

自宅の保証期間を確認し、切れるタイミングで予防工事を検討しましょう。

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シロアリ駆除・予防工事の王道「バリア工法」「ベイト工法」

シロアリ駆除・予防工事でもっとも多く施工されているのがバリア工法とベイト工法です。両工法とも駆除と予防の両面で有効な施工法です。さらに、実際の施工数を見るとバリア工法が圧倒的に多く、全体の約90%を占めています。

バリア工法とベイト工法割合

ここでは両工法の概要から費用相場まで解説します。

バリア工法

alt_サムネイル バリア工法

バリア工法は、シロアリ駆除・予防においてもっとも歴史と実績のある施工方法で、施工件数も多いです。

住宅の床下部分の土壌に薬剤を満遍なく散布する施工法で、すでに土中に侵入しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できない層(バリア層)をつくります。

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費用相場

バリア工法の施工費用は1階の床面積によって変わり、以下の計算式で求められます。

(床面積㎡)×(1㎡あたりの単価)=(バリア工法の施工費用)

1㎡あたりの単価は駆除業者ごとに定められており、平均単価は1,000円〜3,000円です。一般的な住宅の床面積における費用相場は以下のとおりです。

床面積 バリア工法
20坪 99,000~166,000円
30坪 130,000~249,000円
40坪 174,000~332,000円

住宅の構造や形状によっても費用は増減するため、上記相場は目安としてお考えください。

ベイト工法

ベイト工法

ベイト工法とは、地中にベイト剤と呼ばれる毒餌を仕込む施工方法です。シロアリに毒餌を巣まで持ち帰らせることで、根絶を狙います。ベイト(bait)は「餌」という意味があり、そこから名前がつけられています。

近年生まれた駆除方法の一つで、日本では平成14年4月に日本シロアリ対策協会により標準の工法として定められました。

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ベイト工法の費用相場

ベイト工法の料金は、建物の外周長(メートル)で計算されるのが一般的です。また、ベイト工法は最初にかかる設置費用と、継続的にかかるメンテナンス費用にわかれます。

設置費用 3,000円〜5,000円/m
メンテナンス費用 1500円/m(年一回)程度

建物外周の長さは「坪数×1.2〜1.5」が目安となります。実際の住宅での費用例は以下のとおりです。

坪数 設置費用 メンテナンス費用(年一回)
20坪(外周30mの場合) 90,000~150,000円 45,000円
30坪(外周40mの場合) 120,000~200,000円 60,000円
40坪(外周50mの場合) 150,000~250,000円 75,000円

支払いのタイミングは業者によって異なり、1ヶ月ごと、1年ごと、5年ごとなどさまざまです。

駐車場や玄関前などの敷地の一部がコンクリートで覆われている場合、コンクリートに穴をあける工事が必要となり、1箇所ごとに追加の工事費用がかかります。

工事費用(1箇所) 15,000円〜18,000円

コンクリート穴あけ

バリア工法・ベイト工法が推奨されるシロアリの種類|ヤマトシロアリ・イエシロアリ

世界には約3,000種類以上のシロアリが存在し、建造物に被害を与えるシロアリは104種類見つかっています。日本では24種類のシロアリが確認されており、今後も資材を通じて新種が上陸する可能性があります。

日本で主要な害虫とされているシロアリは4種類で、そのうちバリア工法とベイト工法が推奨されているのはヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。

ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリ
見た目

職アリ(働きアリ)

ヤマトシロアリ 横
見た目

羽アリ

ヤマトシロアリ 羽アリ 横
体長 4.5〜7.5mm
分布 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在
羽アリの発生時期 2月~3月頃

ヤマトシロアリは生息範囲が広く、日本のシロアリ被害の90%以上を占める種類です。硬い高密度の木材より、軟らかい低密度の木材を好んで食べる傾向があり、とくに被害が大きいのはマツ、モミ、セン、ホワイトウッド、ブナなどです。

ヤマトシロアリは乾燥に弱く、1日水を摂取できないだけで活動ができなくなります。そのため被害にあう場所は湿っているか水場の近くにある傾向があります。さらに、結露や水漏れによって水が供給される場合は、住宅全体に被害がおよぶ可能性もあります。

イエシロアリ

イエシロアリ
見た目

職アリ(働きアリ)

イエシロアリ職蟻 横
見た目

羽アリ

イエシロアリ羽アリ横
体長 7.4〜9.4mm
分布  奄美大島以南と小笠原諸島
羽アリの発生時期 5月~7月頃

日本国内での被害件数は2番目に多く、全体に占める割合は7〜8%程度です。あらゆるシロアリの中で被害の大きい種類として世界中で知られており、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれています。

巣のサイズは大きいもので直径1メートルにおよび、個体数は100万匹に達することもあります。大規模な巣だと半径100mにもおよぶ範囲で被害をもたらし、数軒の住宅に同時に被害を与えることもあります。

ヤマトシロアリ同様、硬い高密度の木材より軟らかい低密度の木材を好んで食べる傾向があり、とくに被害が大きいのはマツ、モミ、セン、ホワイトウッド、ブナなどです。乾燥に弱く、水場の近くに巣をつくることが多い点も共通点です。

バリア工法・ベイト工法が非推奨のシロアリの種類|アメリカカンザイシロアリ・ダイコクシロアリ

日本で主要な害虫とされているシロアリ4種類のうち、バリア工法とベイト工法では駆除できないのがアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリです。両方ともカンザイシロアリに分類され、日本国内全土のシロアリ被害に占める割合は0.3%程度です。

被害件数の少ない要因には発見の難しさがあります。土の中ではなく木材の中に直接巣をつくるため、地表での発見が難しいのです。

カンザイシロアリの駆除・予防には、吹付処理法・塗布処理法や穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法がよく用いられます。それぞれの工法について詳しく解説します。

アメリカカンザイシロアリ

アメリカカンザイシロアリ
見た目

職アリ

(働きアリ)

アメリカカンザイシロアリ職蟻 横
見た目

羽アリ

アメリカカンザイシロアリ羽アリ
体長 6~8mm
分布 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在
羽アリの発生時期 10月~11月頃

アメリカカンザイシロアリは、アメリカのワシントン州からメキシコのカリフォルニア半島にかけて、太平洋沿岸地域に主に生息しています。

日本へは家具や荷造材とともに持ち込まれました。被害場所に関する調査によると、もっとも被害にあいやすいのは屋根裏の小屋組部材で、次いで外構部材、室内部材となっています。

被害場所 被害全体に占める割合
屋根裏の小屋組部材 39%
外構部材 23%
室内部材 20%
床下部材 10%
家具 3%

参考

中島正夫(2006).関東支部における蟻害・腐朽を対象とした床下実態調査の概要 しろあり.No.145.27-33.

ダイコクシロアリ

ダイコクシロアリ
見た目

職アリ

(働きアリ)

ダイコクシロアリ職蟻 横
見た目

羽アリ

ダイコクシロアリ羽アリ
分布 奄美大島以南と小笠原諸島
体長 5~6mm
分布 奄美大島以南と小笠原諸島
羽アリの発生時期 不定期(1年中)

ダイコクシロアリは世界の熱帯地方に多く生息しています。和名は、兵蟻の頭部が大黒頭巾に似ていることに由来します。

被害場所は屋根裏の小屋組部材など、アメリカカンザイシロアリと同様に建築物の中でよく被害が見られます。乾燥に極めて強く、ピアノ、ステレオ、机、タンス、鏡台での被害も確認されています。

シロアリ駆除業者によるバリア工法の工事工程

バリア工法の工事工程は以下のとおりです。

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)床下作業のための準備をおこなう
手順3)木材部分への薬剤散布
手順4)土壌全体への薬剤散布
手順5)床下以外の場所への薬剤注入

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する

事前検査

最初に住宅の状況を詳しく調査し、施工計画書を作成します。調査項目には以下のようなものがあります。

  • 対象とする建築物の周囲、敷地内の状況
  • シロアリの生息が認められる場合は、その場所および被害実態
  • 採餌蟻道(シロアリが餌を運ぶ通り道)、周辺の植生・材木・廃材等
  • シロアリの活動がおよぶ可能性の高い場所
  • 日当たりの悪い場所、雨漏りのする場所、軒下、台所・風呂場・洗面所・便所などの水周り

手順2)床下作業のための準備をおこなう

養生シート貼り

駆除作業中に部屋の壁や床が汚れたり傷ついたりすることを防ぐため、玄関から床下への入口まで専用のシートを敷きます。

床下への入口周辺にはシートでの保護に加え、床下からのホコリ、薬剤、臭いが室内に侵入しないようビニールで囲います。

バリア工法 床下点検口 ビニール

手順3)木材部分への薬剤散布

吹付

事前調査で住宅の基礎部分で使われている木材にシロアリ被害が発見された場合、被害状況に合わせた処理をおこないます。

具体的には、被害のあった木材に専門器具で薬剤を吹きかける吹付処理法や、ドリルで穴を開けて薬剤を注入する穿孔注入処理法が施工されます。両方とも後述で解説します。

手順4)土壌全体への薬剤散布

バリア工法 消毒液散布作業

専用の機材を使いながら、土壌全体に満遍なく薬剤が染み込むよう散布をおこないます。ムラがあると、そこからシロアリの侵入を許す可能性があるため、塗り残しにはとくに注意しながら作業を進めます。散布量は薬剤によって定められており、1㎡あたり1Lが一般的です。

地面から垂直に突き出ている「立ち上がり」と呼ばれるコンクリート部分の根元までしっかりと薬剤散布をおこないます。

手順5)床下以外の場所への薬剤注入

バリア工法 薬剤注入

事前調査で玄関や勝手口、土間など床下が存在しない部分からのシロアリ侵入が確認された場合、該当箇所への薬剤注入をおこないます

場所ごとに必要な処置が異なりますが、基本的にはドリルで小さな穴を開け、そこから薬剤を注入する方法がとられます。穴を開けた場合、塞ぐところまでをワンセットでおこないます。

シロアリ駆除業者によるベイト工法の工事工程

ベイト工法の工事工程は以下のとおりです。

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)餌を入れた容器の設置場所選定と設置
手順3)定期的に点検をおこない、容器内のシロアリの様子を確認する
手順4)ベイト剤を投与する

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する

建物全体の変状検査

バリア工法と同様に、住宅の状況を詳しく調査し、施工計画書を作成します。調査項目には以下のようなものがあります。

  • 対象とする建築物の周囲、敷地内の状況
  • シロアリの生息が認められる場合は、その場所および被害実態
  • 採餌蟻道、周辺の植生・材木・廃材等
  • シロアリの活動がおよぶ可能性の高い場所
  • 日当たりの悪い場所、雨漏りのする場所、軒下、台所・風呂場・洗面所・便所などの水周り

手順2)餌を入れた容器の設置場所選定と設置

シロアリが活動しやすい場所(水周り、日当たりの悪い場所など)を選定し、建築物の周囲を取り囲むように配置します。設置間隔は容器や薬剤によって変わりますが、1〜2m間隔を推奨するものが多いです。

破損のおそれのあるところ(人が頻繁に通る場所)、機能が阻害されやすいところ(水の溜まりやすい場所)、障害物のあるところ(地下配管など)を避けて設置します。設置した容器に餌木をセットします。

手順3)定期的に点検をおこない、容器内のシロアリの様子を確認する

ベイト剤2ヶ月後

容器の設置からシロアリが餌に食いつくまでにかかる時間は場所ごとに異なりますが、1〜2ヶ月が目安です。

手順4)ベイト剤を投与する

容器内にシロアリを確認したとき、ベイト剤を投与します。巣の根絶を確認次第、シロアリの食べ残したベイト剤を回収します。空になった容器に餌を入れ、定期的に点検を続けます。

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その他のシロアリ駆除・予防工事

バリア工法・ベイト工法以外にも工事の種類は存在します。ここでは、公益社団法人日本シロアリ対策協会が発行する「防除施工標準仕様書」にて、標準的な工法として定義されている工法を紹介します。

  • 吹付処理法・塗布処理法
  • 穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法
  • 土壌表面シート敷設工法

実際の駆除現場では、住宅の被害状況に合わせていくつかの工法を組み合わせて実施するケースが多いです。

吹付処理法・塗布処理法

駆除工事

吹付処理と塗布処理はどちらも薬剤を木材に塗るための工法で、日本で主要な害虫とされているシロアリ4種類のいずれにも効果があります。塗り方の違いだけで内容はほとんど変わりません。

専用の吹付器を使って薬剤を散布するのが吹付処理法で、ハケで薬剤を塗るのが塗布処理法です。

吹付処理だと薬剤を霧状に散布できるため簡単にムラなく塗れますが、関係のないところにも飛散するためロスが多くなります。一方、塗布処理の場合はロスが少ないものの、一度の塗布で木材が吸収できる薬剤の量が少なく、複数回の塗布作業が必要です。

シロアリ駆除・予防工事の現場では、効率性を重視して吹付処理が採用されているケースが多くなっています。

吹付処理法・塗布処理法の工事手順

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)薬剤処理(吹付・塗布)をおこなう
手順3)薬剤が木材に完全に吸収されたタイミングで再度、処理をおこなう

薬剤の吹付・塗布を複数回に分けるのは、使用する薬剤ができる限り木材に吸収されるようにするためです。

1回の処理で木材に吸収される薬剤量は木材の含水率で違うため、必要に応じて薬剤量の調整をおこないます。雨水のかかる可能性のある木材の場合、水溶性ではなく油溶性の薬剤を使用します。

処理対象木材の木口、割れ、欠き込み、ほぞ孔、ボルト孔、仕口、継手、接合部、建築金物の取付箇所、木材とコンクリートなどが接する部分は、隙間が生まれやすかったり水分が溜まりやすかったりしてシロアリから狙われやすい場所です。そのため、とくに入念な処理をおこないます。

吹付処理法・塗布処理法の費用相場

一般的に本工法は単体でおこなわれることはなく、バリア工法施工時にセットでおこなわれます

そのため施工費用は1箇所あたりで計算せず、バリア工法と同じように平米単価で計算されることが多いです。1㎡あたりの平均単価は1,000円〜3,000円ほどです。

床面積 施工費用
20坪 99,000~166,000円
30坪 130,000~249,000円
40坪 174,000~332,000円

※一部箇所および躯体構造によっては価格変動あり

穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法

穿孔注入2

穿孔注入処理法は、木材へ適切な直径のドリルで木材の1/2以上の深さに穿孔(穴をあけること)し、駆除・予防剤を注入する方法です。

床下土台など普段目にしない部分は直径9mm程度の穴をあけ、柱や玄関木枠など室内の目につく場所は直径6mm〜9mmの穴をあけて施工します。すでにシロアリ被害に遭っている木材や壁面がある場合に施されます。

注入方法には加圧する方法としない方法があります。加圧する方が木材の中により薬剤を浸透させることができます。

穿孔吹付処理法は、モルタル仕上げなどの大壁造の壁に直径3mm〜6mmのドリルで穿孔し、ノズルを挿入して壁の内部にある木材に薬剤を吹き付ける方法です。

両工法とも日本で主要な害虫とされているシロアリ4種類のいずれにも効果があります

また、バリア工法の一部として施工されることが多く、薬剤は基本的に床下散布用に調合・希釈したものをそのまま使います。被害が進んでいる木材の場合は薬剤が多く浸透し、被害の浅い木材は薬剤が染み込まず、使用する薬剤の量も少なくなります。

穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法の工事手順

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)柱や壁に専用の機材で穴をあける
手順3)穴から薬剤を注入・散布する
手順4)穴を塞ぎ目立たないように栓をする

穿孔処理が住宅の強度を下げ、耐震性能などを低下させたり、外壁の漏水を引き起こすことのないよう、穿孔箇所や穿孔の深さ、数については建築士や工務店と十分相談したうえで施工します。

吹付量は1㎡あたり300mLが標準です。

穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法の費用相場

一般的に本工法も単体でおこなわれることはなく、バリア工法施工時にセットでおこなわれます

そのため1箇所あたりで計算せず、バリア工法と同じように平米単価で計算されることが多く、1㎡あたりの平均単価は1,000円〜3,000円ほどです。

床面積 施工費用
20坪 99,000~166,000円
30坪 130,000~249,000円
40坪 174,000~332,000円

※一部箇所および躯体構造によっては価格変動あり

土壌表面シート敷設工法

床下防湿シート

床下全面にシロアリが嫌がる薬剤が練り込まれている防蟻シートを敷く工法です。地中から侵入するヤマトシロアリとイエシロアリに効果があります。

シート自体が物理的なバリアとして機能し、そのうえ散布した薬剤の蒸発を防ぎ、薬剤の効能を長持ちさせます。単純に地面から上がってくる湿気を防ぐことで、シロアリが活発化しやすい湿度になることを防ぐ意味もあります。

土壌表面シート敷設工法の工事手順

手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
手順2)土壌の整地
手順3)床下全面に防蟻シートを敷く
手順4)シート同士の貼り合わせや、布基礎との張り合わせに専用の防蟻テープを使う

シートの継ぎ手は10cm程度を重ね貼り合わせ、シートと布基礎の間は2cm以内の隙間にとどめます。施工現場の気温が低いときは、防蟻テープの粘着力の低下を補完するため、トーチランプなどを使用します。

土壌表面シート敷設工法の費用相場

対応している業者は限られますが費用相場は下記です。シートの材質次第で大きく変動します。

3,000円〜6,000円/㎡

シロアリ駆除・予防工事の費用を抑える方法

シロアリ駆除・予防工事は住宅を守るために必要な出費ですが、できるだけコストを抑えたいと考える方も多いでしょう。

工事費用を抑えるための具体的な方法を3つ紹介します。

  • 長期契約による割引制度の活用
  • 確定申告での雑損控除申請
  • 駆除業者に依頼せずDIYをする

長期契約による割引制度の活用

シロアリ駆除業者によっては、数年分の金額を一括で支払うプランを用意しているところもあります

例えばベイト工法であれば1年ごとの契約更新が一般的ですが、「5年保証」「10年保証」などまとめて契約することでトータルの費用を値下げしてもらえるケースがあります。

ただし、長期契約の場合は途中でやめられないため契約は慎重に検討しましょう。

確定申告での雑損控除申請

シロアリ駆除費用は国税庁により「害虫その他の生物による異常な災害」として認定されており、「災害減免法による所得税の軽減免除」対象となります。控除額の計算方法は以下のとおりで、いずれか多い方の金額が適用されます。

  • (損害金額+災害関連支出)−(総所得金額等)×10%
  • (災害関連支出)−5万円

還付申告は5年ぶんまで遡及可能なので、すでに支払い済みの場合も確認しましょう。なお、予防措置にかかった費用は対象外となるので注意してください。

駆除業者に依頼せずDIYをする

工法によっては必要な道具や薬剤がネット販売されており、個人での施工も可能です。なかでもベイト工法は、必要な道具が手に入りやすくDIYしやすい工事の代表例です。

一般的な住宅の敷地面積約30坪、外周40メートルの場合、以下のような費用になります。

プロによる施工 DIY
1箇所あたりの設置費用 120,000円〜200,000円 16,000円〜24,000円
1箇所あたりの設置費用

(2回目以降)

40,000円〜60,000円

ただし、DIYのシロアリ駆除ではシロアリ被害の正確な調査や効果的な駆除方法の選定が難しく、適切な処置ができない可能性が高くなります

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シロアリ駆除・予防工事が必要なサイン

シロアリ発生の可能性を示すサインは以下のとおりです。

  • シロアリ対策から5年以上経過した
  • 羽アリを見つけた
  • 羽が落ちているのを見つけた
  • 蟻道(ぎどう)を見つけた
  • ふんや木くずを見つけた
  • 床がきしんだり、フカフカしたりする
  • 壁や柱を叩くとポコポコという音がする
  • 雨漏りや水漏れ、床下浸水が起きたことがある
  • 築年数の長い木造住宅に住んでいる
  • 近隣にシロアリ被害にあっている住宅がある
  • 近隣に放置されている空き家がある

1つでも当てはまるなら、まずは無料のシロアリ調査を依頼しましょう。

シロアリ対策から5年以上経過した

シロアリ駆除工事において、もっとも標準的な保証期間は5年です。公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する薬剤の有効期間に基づいて設定されています。

薬剤濃度を高めれば効果期間を伸ばせますが、環境や人体への影響を考慮し、現在の濃度に設定されています。保証期間の切れる6年目以降もシロアリ被害を予防したい場合、薬剤の散布し直しが必要です。

また、処理の前に床下の環境変化や新たなシロアリの侵入がないかの調査をおこなうことで、万が一被害にあっていた場合の早期発見が可能です。

羽アリを見つけた

ヤマトシロアリ 羽アリ 横

シロアリの一部は胸部背面に翅芽と呼ばれる羽が生えるための穴をもち、羽アリ(有翅虫)になります。

羽アリの役割は群飛と呼ばれる方法で巣の拡大をおこなうことです。群飛とは新しい巣をつくるために羽アリの集団で移動することで、巣がある程度大きくなったり、木材が近くになくなったときに起こります。

羽アリの発生時期は種類ごとに異なりますが、群飛のピークは春から夏にかけて(4月〜8月)です。同時期はとくに玄関やベランダに羽アリがいないか注意しましょう。

羽が落ちているのを見つけた

羽アリの痕跡 窓際

群飛した羽アリは着地後羽を落とすため、羽だけ落ちている場合もあります。発見した場合は、たとえ羽アリを見ていなくてもシロアリ駆除業者に相談することをおすすめします。

蟻道(ぎどう)を見つけた

床下蟻道

蟻道とは、シロアリが土や木くず、排泄物などを混ぜ合わせてつくる半円筒状のトンネルです。

餌となる木材や水場と巣とをつなぐようにつくられます。とくに床下や壁面に付着していることが多いです。蟻道も近くにシロアリがいるサインなので、見かけた場合は調査をおすすめします。

ふんや木くずを見つけた

シロアリの糞

カンザイシロアリは木材を食べた後、体内で水分を再吸収してから「ふん」を排出します

落ちている場所やその散らばり方から場所の推測ができるため、発見した場合は掃除せずに駆除業者に調査を依頼してください。

床がきしんだり、フカフカしたりする

床がきしむ

シロアリ被害にあった床はフカフカし、足裏への反発感が弱まります

また、シロアリは木材のほかに畳の芯に使用されている藁も好みます。違和感がある場合は畳を外して、裏側や畳下板に不自然な土がついていないかを確認してください。

土がついている場合は被害にあっており、畳の他の場所にも被害が広がっているケースが多いです。

壁や柱を叩くとポコポコという音がする

壁を叩く

駆除業者は点検の際、「打診」と呼ばれる指でコンコンと叩いて音を聞く診断方法を使うことがあります。

シロアリ被害にあっていない木材は中身が詰まっているため叩くと重い音がしますが、被害にあうと内部が空洞になり軽い音がします。経験がないと正確な判断は難しいですが、変だと思った場合は駆除業者に相談しましょう。

雨漏り・水漏れ・浸水の経験がある

天井のシミ

シロアリは乾燥が苦手で、湿度の高い環境を好む習性があります。雨漏りや水漏れ、床下浸水などが起きた後は発生する可能性が高まります

もし今までにいずれかの経験があるなら、すでにシロアリが侵入しているかもしれません。一度シロアリ調査をおこなうことをおすすめします。

築年数の長い木造住宅に住んでいる

木造住宅

シロアリ被害は木造住宅で多く、築年数が古い住宅の場合はすでにシロアリ被害にあっている可能性が高くなります

国土交通省のデータによると、築10年未満の建物では被害発生率は5%、築15年以上で10%を超え、築20年〜30年では約20%となります。

築年数別蟻害発生率

築15年以上の住宅は一度調査することをおすすめします。

近隣にシロアリ被害にあっている住宅がある

日本で住宅に被害を与えるシロアリのうち、もっとも被害件数が多いヤマトシロアリとイエシロアリは土の中に巣をつくります

とくにイエシロアリは巨大な巣を土中に形成し、最大半径100mにもおよぶ範囲で摂食活動をおこなうため、数軒の住宅を同時に侵食している場合もあります。

イエシロアリ職蟻 横

分布 千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域と小笠原諸島
体長 7.4~9.4mm
巣の中の個体数 50~100万匹
巣の場所 土の中
巣の大きさ 最大で直径200m程度

近所でシロアリ被害があった場合、同じ巣にいるシロアリから狙われる可能性があります。

対策をとっていないと侵入されるリスクが高まるため、早めに調査を受けることをおすすめします。なんともなくても、予防工事を検討しましょう。

近隣に放置されている空き家がある

空き家

管理されていない空き家はシロアリの温床となりやすいです。

換気不足により湿度が高くなりやすく、雨漏りや配管の破損により木材の腐朽が進行します。定期的な点検や予防処理がおこなわれず、シロアリが発する「カタカタ」といった警戒音に気づく人もいません。

空き家で大量発生したシロアリは餌を求めて周辺の住宅へと活動範囲を広げます。とくに50メートル以内に空き家がある場合は要注意です。

外壁に損傷が見られたり、庭木が枯れている空き家は、すでにシロアリが繁殖している可能性もあります。住宅への被害拡大を防ぐためにも調査を検討しましょう。

シロアリ駆除・予防工事のよくある質問

最後に、よくある質問とその回答をまとめました。工事検討時の不安解消にお役立てください。

薬剤による小さな子どもやペットへの影響はありますか?

現在使用されている薬剤は、人やペットへの安全性が高いものが選ばれています。毒物劇物取締法の適用を受けない「普通物」に分類される薬剤がほとんどで、適切に使用すれば健康への影響は低いです。

ただし、化学物質過敏症で市販の殺虫スプレーの使用を控えている方は、薬剤散布の工事は避けましょう。毒餌を地中に埋めるベイト工法であれば問題なく施工可能です。

薬剤成分について知りたい方は、駆除業者に利用予定薬剤のSDS(Safety Data Sheet:安全データシート)の送付を依頼し、記載内容を確認してください。

工事中は在宅が必要ですか?

施工開始時と終了時の立ち会いは基本的に必要です。

可能であれば、家族間で情報連携漏れをなくしたり、相談しやすくするために、複数人での立ち会いがおすすめです。

立ち会いする方がお一人の場合、駆除・予防で、家族内で揉めることもあります。スムーズに進めるために、より多くのご家族が立ち会いをされると良いでしょう。

施工後も普通に生活して問題はないのか?

問題ありません

ただし、バリア工法など薬剤散布をともなう工事をおこなった場合、薬剤が乾くまで該当箇所には立ち入れません。構造や規模にもよりますが、完全に薬剤が土壌に浸透するまでには2日程度かかります。

浴室やキッチンなどの柱に穿孔注入処理をした場合でも、基本的に当日から使用可能ですが、いつから使い始めてよいのか、念のため施工会社に確認しましょう。

まとめ

シロアリ駆除・予防工事には、すでに発生したシロアリを駆除する工事と、被害を未然に防ぐ予防工事の2タイプがあります。工法としてはバリア工法とベイト工法が主流で、実際の施工実績ではバリア工法が全体の約90%を占めています。

費用相場はバリア工法の場合、1㎡あたり1,000円〜3,000円が目安です。ベイト工法は設置費用が3,000円〜5,000円/m、年1回のメンテナンス費用が1,500円/m程度かかります。長期契約による割引制度の活用や確定申告での雑損控除申請など、費用を抑える方法も複数あるので、状況に応じて検討してみてください。

シロアリ対策から5年以上経過している、羽アリや蟻道を見つけた、床がフカフカするなどのサインがある場合は、一刻も早く調査を依頼しましょう。早期発見・早期対処が修繕費用を含めた総コストを抑える最大のポイントとなります。

シロアリお助け本舗では無料で調査・見積もりを実施しています。大切な住宅を守るために、気になることがあればまずはご相談ください。

この記事の監修者

「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。

ROY株式会社

 

  • この記事を書いた人

シロアリお助け本舗編集部

シロアリお助け本舗編集部は、
生活を脅かすシロアリの情報を発信する専門チームです。

「シロアリ被害をなくしたい」

現場で得た知識や経験を活かし、
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