梅雨の時期になると、シロアリ被害が発生している家では周辺で羽アリを見かけたり、窓際や床に薄くて小さな羽が落ちていたりします。そのまま放置してもよいのか、それとも何か対応が必要なのか、判断できずに不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
6~7月は気温や湿度が高く、特定のシロアリの活動が1年でもっとも活発になります。そのため梅雨は、シロアリによる木材の侵食が進みやすい時期です。
この記事では、梅雨にシロアリが活発化する理由や発見時の対処方法、そして住宅を守るために必要な点検ポイントを解説します。


このような方におすすめ
- 梅雨にシロアリが活発になる理由を知りたい方
- シロアリ被害のチェック方法を知りたい方
- 具体的なシロアリ予防方法を知りたい方
- シロアリや羽アリを見つけたときの正しい対処法を知りたい方
Contents
梅雨にシロアリが発生する理由

世界には約3,000種類以上のシロアリが確認されていますが、日本で建物に被害を与えるのは24種類です。その中でも、梅雨に活発化するのはヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。ここでは、その理由を解説します。
| ヤマトシロアリ | イエシロアリ | |
| 見た目
職アリ(働きアリ) |
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| 見た目
羽アリ |
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| 分布 | 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在 | 奄美大島以南と小笠原諸島 |
| 体長 | 4.5〜7.5mm | 7.4〜9.4mm |
| 巣の中の個体数 | 数百~数千匹 | 数百~数千匹 |
| 特徴 | ・生息範囲が広く、シロアリの中でもっとも被害件数が多い種類
・巣内の個体数はイエシロアリよりも少なく、10,000~30,000匹程度 |
・世界のシロアリの内でももっとも被害をもたらす種で、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれている
・巣のサイズは大きいもので直径1mにおよび、個体数は100万匹に達することもある |
暖かく高湿度な環境がシロアリを活性化させる
梅雨は、ヤマトシロアリとイエシロアリが活動しやすい気温と湿度がそろう時期です。
気象庁のデータでは、2024年6月と7月の平均湿度は78〜79%で推移しており、この湿度は両種類のシロアリが活発になる条件と一致しています。
| 活発化する気温 | 活発化する湿度 | |
| ヤマトシロアリ | 25℃〜30℃ | 70~80% |
| イエシロアリ | 30℃〜35℃ | 70~80% |
ヤマトシロアリとイエシロアリは皮膚が薄く、水分が失われやすいため、乾燥した環境では生存や活動が難しくなります。湿度の高い梅雨時期は体内の水分を保ちやすく、活発に活動しやすくなるのです。
羽アリの「群飛」が発生する
梅雨時期には、シロアリの羽アリが集団で飛び立つ「群飛(ぐんぴ)」が発生します。群飛とは、巣が成熟した後、新たな巣(分巣)をつくるためにおこなう行動です。シロアリの巣が成長し、仲間が増えて内部が手狭になり、さらに活動範囲を広げる必要が出てきた段階で初めて起こります。
そのため、羽アリの群飛を見かけた場合、すでに周辺の建物や敷地でシロアリの活動が数年単位で続いていた可能性があります。
ただし、近隣から羽アリが飛んできただけのケースもあります。羽アリを見ただけではシロアリ被害の有無を判断することは難しく、実際の状況は専門業者に調べてもらわないと気付きにくいです。見かけた場合は、一度点検を受けておくことをおすすめします。

梅雨に現れる羽アリの正体|シロアリとクロアリ
梅雨に見かける羽アリは、大きく分けて2種類います。

1つ目は、シロアリの羽アリです。巣の移動を目的として飛び立ち、着地後は羽を落として木材のなかに入り込み、新たな巣をつくります。建物内部に侵入すると、木材への食害を始めます。
2つ目は、クロアリの羽アリです。こちらも巣の移動のために飛びますが、家屋や木材を食べることはなく、建物に被害を与えることはありません。
ただし、室内に侵入すると、壁のすき間や床下、キッチン周辺などに巣をつくり、生活上の不快感や衛生面の問題につながる場合があります。
シロアリはゴキブリの仲間、クロアリはハチの仲間であり、体のつくりが大きく異なるため、体つきや羽の長さなど、いくつかの特徴を観察すれば、どちらかを見分けることができます。
| シロアリ | クロアリ | |
| 触角 | 数珠状 | 「く」の字状(雄では「く」の字状でない種もある) |
| 腹部 | 胸部とほぼ同じ幅でくびれがない | 腹部が大きくくびれている |
| 羽の形 | ・前羽と後羽がほぼ同じ形、大きさ
・細くて細かい線(翅脈)が入っている |
・前羽が後羽よりも大きい
・太い線が入っている、シロアリに比べて線の数は少ない |
| 羽の動き | 前後の羽が4枚別々に動く | 前羽と後羽はつながっており、1枚の羽のように動く |
ただし、よく見れば見分けられるとはいえ、飛び回る羽アリの姿を観察することは難しいです。
「どうせクロアリだろう」と判断し、シロアリの侵入を許してしまうと、大切な自宅に大きな被害が出るおそれがあります。少しでも迷う場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。
梅雨に羽アリが発生するのは新しい巣をつくるため
シロアリもクロアリも、仲間同士で役割を分担して生活する「真社会性」という性質をもちます。
巣の中心となり活発に活動するのは職蟻(働きアリ)です。巣全体の90~95%を占め、木材の採取や運搬、蟻道の構築や修理、巣の清掃、生殖階級や幼虫の世話など、生活維持に必要なほとんどの作業を担います。

これらの働きによって巣は年々拡大し、内部の構造が充実します。
一方、有翅虫(羽アリ)になる個体は、役割がまったく異なります。羽アリは、巣が十分に大きくなった段階で誕生し、外に出て新しい巣づくりをおこないます。
羽アリは着地後に羽を落としたあと、雌雄が対になり、一部の個体が新たな女王アリと王アリとなります。そして、地中や木材内部などに入り込み、一から新しい巣づくりを始めるのです。この仕組みによって、シロアリの生息域は少しずつ広がっていきます。
シロアリとクロアリによりもたらされる被害
梅雨に見かける羽アリが、シロアリかクロアリかで被害の深刻さはまったく異なります。ここでは、シロアリとクロアリにより引き起こされる被害について、それぞれ解説します。
シロアリによる被害|建物の耐久度低下
シロアリは木材の主成分であるセルロースを栄養源としており、住宅の柱や土台などに使われている木材を食べて生活します。
表面ではなく内部から少しずつ食い進み、外見上は問題がないように見えても、木材の中は侵食が進んでいくのです。
木材は建物を支える重要な構造材のため、内部が空洞化すると本来の強度を保てなくなります。シロアリによる木材の侵食は建物の耐力を徐々に低下させる原因となり、耐震性の低下や補修範囲の拡大につながる場合もあるので注意が必要です。
木材の強度試験では、断面が16%減少した木材において建物を支える力(圧縮強度と曲げ強度)は約半分にまで低下したという結果も出ています。
木材の強度が落ちると、建物全体の耐震性にも影響します。実際に、1995年に発生した阪神・淡路大震災では、全壊した建物の多くにシロアリ被害が確認されました。
また、2016年の熊本地震に関する国土交通省の調査報告では、倒壊した建物の中には構造部の木材がシロアリによって劣化していたものが含まれていたことがわかっています。
被害が進むと、補修や補強にまとまった費用が必要となります。以下は一例です。
| 補修場所(1箇所あたり) | 相場 |
| 床下の補強(腐食した木材の交換など) | 20~50万円程度 |
| 柱の補強 | 10~50万円程度 |
| 床材の張り替え | 100〜200万円程度 |
| 柱の交換 | 100~200万円程度 |
| 建物基礎部分の補強 | 200万円以上 |
| 屋根や梁の修繕 | 200万円以上 |
被害が少ないうちに対処しておけば、大規模な修繕を避けられます。早い段階で点検し、必要に応じた対応をおこなうことが重要です。


クロアリによる被害|食べ物をダメにされる
クロアリは食べ物の場所を探す能力が高く、強い顎で砂糖や菓子類の袋をかじって中身を食べることがあります。
家電やコンセント内部に入り込むこともあり、ケーブルをかじる、内部で漏電を起こすといったトラブルにもつながりかねません。
食べ物のカスや汚れを放置せず、開封済みの食品は密閉容器で保管しましょう。また、侵入経路となる窓のサッシや壁の亀裂をふさぐことも有効です。
頻繁に見かける場合は市販のクロアリ駆除用薬剤などで駆除してください。
梅雨に発生するシロアリの羽アリ
梅雨に羽アリとなって現れやすいのは「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類です。ここでは、それぞれの特徴と、住宅に生じやすい被害の傾向を解説します。
ヤマトシロアリ|羽アリの発生時期と引き起こされる被害
| ヤマトシロアリ | |
| 見た目
職アリ(働きアリ) |
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| 見た目
羽アリ |
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| 分布 | 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在 |
| 体長 | 4.5〜7.5mm |
| 羽アリの発生時期 | ・西日本では4月下旬~5月
・東北から北海道では6月頃 |
ヤマトシロアリは、日本全土(北海道北部を除く)に広く分布し、日本国内で発生するシロアリ被害の9割以上を占める種類です。
体長は4.5〜7.5mmほどで、乾燥に弱い性質を持っています。水を1日摂取できないだけで活動が鈍るため、シロアリの被害は、床下や水まわりなど湿度の高い場所に集中しやすくなります。
羽アリとして現れる時期は地域差があり、西日本では4月下旬〜5月、東北〜北海道では6月頃です。雨の翌日の晴れた午前中に発生することが多く、夕方から夜に姿を見せるケースはほとんどありません。
住宅にもたらす被害
ヤマトシロアリによる被害にあいやすいのは、風呂場や洗面所、キッチンなどの水回りに加え、湿気がこもりやすい床下です。近年は個体数の増加により、玄関や土台、床下に置かれた資材の侵食も増えています。
ヤマトシロアリは柔らかい木材をとくに好む傾向があり、マツ、モミ、セン、ホワイトウッド、ブナなどが狙われやすいです。
イエシロアリ|羽アリの発生時期と引き起こされる被害
| イエシロアリ | |
| 見た目
職アリ(働きアリ) |
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| 見た目
羽アリ |
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| 分布 | 奄美大島以南と小笠原諸島 |
| 体長 | 7.4〜9.4mm |
| 羽アリの発生時期 | ・沖縄や小笠原では5月下旬
・その他の地域では6月〜7月上旬 |
イエシロアリは、千葉県以西の温暖な沿岸部や小笠原諸島に多く生息する種類で、体長は7.4〜9.4mmほどとヤマトシロアリよりやや大きいのが特徴です。
羽アリとして現れるのは、沖縄や小笠原では5月下旬、そのほかの地域では6月~7月上旬頃です。
イエシロアリの羽アリは、光りに集まる「走光性」という性質をもつため、夜間の玄関灯や室内からの光漏れを防ぐことが発生防止につながります。
そのため、夜間は不要な照明を消したり、外への光漏れを抑えたりすることが、発生を抑える対策の一つになります。
イエシロアリの大きな特徴は、非常に大規模な巣をつくる点です。被害範囲は半径100mに及ぶこともあり、複数の家が同時に食害されるケースもあります。
湿った木材を好む点はヤマトシロアリと共通していますが、水を運ぶ能力が高いため、水場から離れた場所でも被害が起こりやすいです。
住宅にもたらす被害
ヤマトシロアリ同様、住宅で狙われやすい材料は、マツ、モミ、セン、ホワイトウッド、ブナなどの比較的柔らかい木材です。
巣の規模が大きく、生息する個体数も多いため、侵入に気づかないまま時間が経つと、被害が短期間で家の広い範囲に広がることがあります。気づいたときには、床下だけでなく柱や梁まで被害にあう例も見られるため、注意が必要です。
日本国内の被害件数はヤマトシロアリに次いで多く、全体の7〜8%ほどを占めています。
梅雨は働きアリの活動も活発化する
シロアリは一年を通して休まず活動を続けます。
姿を目にする機会が多いのは、巣から飛び立つ羽アリですが、家屋の木材を食べたり巣を維持する中心的な役割を担っているのは、見えない木材の内部で活動している働きアリです。
働きアリは、餌となる木材の採取や巣の補修、幼虫の世話などを季節に関係なく続けています。
とくに梅雨から夏にかけては活発になります。理由は、シロアリが好む環境である気温と湿度がそろうからです。
| 活発化する気温 | 活発化する湿度 | |
| ヤマトシロアリ | 25℃〜30℃ | 70~80% |
| イエシロアリ | 30℃〜35℃ | 70~80% |
ヤマトシロアリは25~30℃、イエシロアリは30~35℃で動きが盛んになるなど、種類ごとに条件は異なりますが、いずれも湿度70~80%の環境を好みます。
この条件がそろいやすい梅雨時期は、両方のシロアリにとってもっとも活動しやすい季節です。
働きアリは風呂場やキッチンまわりなど、湿気がこもりやすい木材を中心に侵食します。結露や水漏れがあると木材は長く湿った状態になり、家の奥まで被害が広がることもあります。
また、床下の資材や玄関まわりの木材といった日常で目に触れにくい場所が侵食されるケースも多く、さまざまな場所の点検と対策が重要です。
梅雨時期にシロアリが巣をつくりやすい場所
日本に生息するシロアリは、種類によって巣のつくり方や被害の広がり方が異なります。
国内の住宅被害の約92%を占めるヤマトシロアリは、床下や柱、土台など、建物内に侵入した木材の内部にそのまま巣をつくる性質があります。湿気を含んだ暗い木部を好むため、梅雨時期は活動が活発になり、被害が進行しやすい点が特徴です。
一方、被害発生割合が約7.7%とされるイエシロアリは、地中に大規模な巣をつくり、そこから蟻道と呼ばれる通路を伸ばして建物周辺に「分巣」と呼ばれる拠点をつくります。
両種ともに湿度の高い環境を好み、梅雨の時期は営巣や既存の巣の拡張が進みやすくなります。以下のような場所が巣をつくられやすいです。
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とくに、床下は湿度が高くなりやすく、気付かないうちに大きな巣がつくられていることもあります。
床下

床下は日当たりや風通しが悪く、地面からの湿気がこもりやすい場所です。木材が湿りやすいため、シロアリが侵入・定着しやすく、気付かないうちに大きな巣がつくられていることもあります。
玄関

玄関は屋外と接しており、土間や基礎部分から湿気が上がりやすい場所です。とくに、木材部分はシロアリが侵入しやすく、被害が進行しても気付きにくい傾向があります。雨水が入り込んだり結露が続いたりすると、被害のリスクが高まります。
風呂場

タイルを張り合わせて仕上げる在来工法の浴室は、構造上、水漏れが起きやすい点に注意が必要です。
在来工法とは、骨組みからタイル貼りまで、ゼロから建物を建設する昔ながらの工法を指します。ユニットバスと比べて自由度が高い一方、タイルのひび割れや目地の劣化から水が内部へ染み込みやすいです。
一方、近年主流のユニットバスも油断はできません。ユニットバスは防水性と気密性が高い構造のため、配管まわりや排水部などから水が漏れた場合、その湿気が外へ逃げにくい特徴があります。
その結果、浴室下の床下空間や、ユニットバスと壁の間にある空洞部分、配管が通る周辺の木部で湿気がたまりやすくなるのです。
これらの箇所は床下点検口から直接確認しにくく、表面からは異常が見えないまま、土台や束柱などの構造材でシロアリ被害が進行しているケースも少なくありません。
キッチン

キッチンは日常的に水を使うため、調理や洗い物の際に飛んだ水や結露が床に残りやすい場所です。床が木材でできている場合、こうした水分が繰り返し染み込むことで湿った状態になり、シロアリの被害につながることがあります。
また、シンク下の排水管は、パッキンの劣化や接続部のずれから水漏れが起こりやすい箇所です。水漏れが続くと、シンク下の床材や周辺の木部が湿り、木材の腐食が進みやすくなります。腐った木材はシロアリにとって侵入しやすく、被害の起点になりやすいです。
床を踏んだときのきしみや、収納内部の湿気、カビ臭などは、こうした内部の水分トラブルが進んでいるサインである可能性があります。普段と違う変化がないか、定期的に確認しておきましょう。
住宅の庭や付属している木製構造物

庭や玄関にある木製の構造物や装飾などは、雨風にさらされて湿気を含むと、シロアリの格好の標的となります。とくに、土に直接触れている木材や、庭に放置されたままの資材は、シロアリを建物本体へと誘い込む中継地点になりやすいです。
具体的には、以下のような場所や物が狙われやすい傾向にあります。
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また、段ボールの放置もシロアリ発生の原因となります。シロアリは、木材の主成分である「セルロース」を餌にして生きています。このセルロースは、柱や土台などの建材だけでなく、段ボールにも多く含まれているのです。
シロアリ被害を防ぐためには、段ボールや廃材を放置せず、早めに処分することが重要です。また、物を溜め込まずに風通しを良く保ち、湿気がこもらない環境を整えることが、住まい全体のシロアリ予防につながります。
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梅雨明けの集中点検でシロアリを早期発見
シロアリ被害を最小限に抑えるには、早期発見が重要です。
梅雨明けに住まいを集中的に点検することで、早い段階でシロアリ被害を見つけやすくなります。とくに次のようなポイントは、念入りな確認をおすすめします。
チェック項目1|蟻道がないか

蟻道(ぎどう)は、シロアリが土や木くず、排泄物を混ぜてつくる半円筒状のトンネルで、巣と餌となる木材や水場をつなぐために用いられます。蟻道がつくられていないか確認しておきたい場所は以下の通りです。
|
蟻道を見つけた場合は壊さずに写真だけ残し、専門業者に相談するのが安全です。
蟻道を壊すと、警戒したシロアリが木材のより深くへと入り込み、かえって食害を進行させてしまう恐れがあります。また、潜伏場所が特定しづらくなり、駆除しにくくなります。
チェック項目2|羽や羽アリの死骸は落ちてないか

窓際や玄関、ベランダなどに羽や死骸が落ちていないか確認しましょう。羽アリは着地後に羽を落とすため、死骸が見当たらなくても羽だけ残ることがあります。
チェック項目3|シロアリのふんが落ちてないか
梅雨時期に活発になるヤマトシロアリとイエシロアリの場合、ふんは蟻道をつくる際に材料として使われるため人目につくことはありません。
しかし「カンザイシロアリ」に分類されるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリは、特徴的なふんを落とします。
| アメリカカンザイシロアリ | ダイコクシロアリ | |
| 見た目
職アリ (働きアリ) |
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| 見た目
羽アリ |
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| 分布 | 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在 | 奄美大島以南と小笠原諸島 |
| 体長 | 6~8mm | 5~6mm |
| 羽アリの発生時期 | ・関東では5月頃
・関西では10月~11月頃 |
不定期(1年中) |
カンザイシロアリは、木材に侵入した後は外に出ることなく、木の内部だけで生活をします。蟻道のような痕跡をほとんど残さないため、被害に気付きにくいという特徴があります。
ただし、食害する過程で、直径1〜3mmほどの砂粒のような乾いたふんを外へ押し出す習性があり、そのふんがカンザイシロアリの被害を見つける手がかりになります。
以下のような場所にふんが落ちていないか確認してみましょう。
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ふんは、カンザイシロアリの居場所や被害状況を判断するための重要な痕跡です。自己判断で掃除せず、専門業者が到着して確認するまでは、そのままの状態で残しておきましょう。
家族にも状況を説明し、誤って触れたり掃除したりしないよう共通認識をもっておくことが大切です。小さな子どもやペットがいる場合は、該当の部屋に立ち入らせないなど、痕跡が失われないよう配慮しましょう。
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チェック項目4|木材に小さな穴や崩れはないか

床材や柱、壁際の木材に、小さな穴や欠け、触ったときのもろさがないかを確認しましょう。
シロアリの食害が進むと木材の内部が空洞化し、外側だけ薄く残るケースが多いです。見た目では問題なさそうに見えても被害が深刻化している場合もあるので、とくに以下の場所を確認してみてください。
|
これらの場所は、自分でも「打診」で異常に気付ける場合があります。指の関節や軽い棒などで木材を軽く叩き、音の違いを確かめてみましょう。
- 健全な木材:中身が詰まっているため、「コン」「コツッ」と重い音
- 食害された木材:中身が空洞化しているため「ポコッ」「ペコッ」と軽い響き
ただし、この方法はあくまで異変に気付くための簡易的な確認にすぎません。実際には、被害の有無や範囲を正確に判断するには専門的な経験が必要で、自己判断では被害箇所を見落とす可能性が高いです。
そのため、小さな穴や木くず、違和感のある音に気付いた時点で専門業者に点検を依頼し、被害の有無や状況を正確に調査してもらうことが重要です。
早期に発見できれば、修繕の範囲も最小限で済みます。
チェック項目5|床や畳がきしむ・沈む感覚はないか

歩いたときに「フカフカする」「沈む」「きしむ」場合、床下の木材がシロアリに侵食されている可能性があります。とくに梅雨は湿度が高く、狙われやすい場所の木材が柔らかくなりやすいため、食害が一気に進みます。
以下のような症状はないか確認しておきましょう。
|
蟻土(ぎど)とは、シロアリが移動や外敵から身を守るために、土や木くず、唾液などを混ぜて作る泥状の堆積物のことです。床下や畳の下、床板や柱の表面に付着している場合、内部でシロアリの活動が続いている可能性があります。
シロアリは木材だけでなく、畳の芯に使われる藁も好みます。畳のある部屋はとくに注意して点検してください。
畳の下に蟻土がある場合は床下全体で食害が進んでいるか、他の部屋にも被害が広がっているケースがあります。

また、畳を上げた際に、畳の裏側に細かい穴が開いていたり、粉状の屑が落ちていたりする場合も、シロアリ被害が進行しているサインの一つです。

沈み込みを感じた場合、床下を自力で確認することは難しいため、無理に潜り込まずに早めに専門業者に点検を依頼するのが安全です。
被害が「木材の表面や一部の食害」に留まっていれば、薬剤注入や部分的な補強といった修繕だけで済みます。
一方で、「床を支える根太(ねだ)などの構造材まで空洞化している」「踏むとベコベコと大きく沈み込む」といった状態まで進むと、床板全体の張り替えだけでなく、床下の土台からの大規模な改修工事が必要です。
手遅れになる前に、違和感を覚えた段階でプロの診断を受けるようにしましょう。


チェック項目6|庭の木製構造物にシロアリの痕跡がないか

家の中だけでなく、庭や外構の木材にシロアリが侵入することもあります。放置されている木材や古い木製設備は、とくに狙われやすい場所です。庭にある以下のような場所を定期的に確認しておきましょう。
|
これらの場所に、木くずのような粉や表面の崩れ、細い穴、蟻土が見られた場合は要注意です。
シロアリは庭の木材を侵食したあと、そのまま住宅の床下へ侵入するケースが多く、「庭→床下→室内」という順に被害が広がる例もあります。
不自然な木材の劣化を見つけたときは、写真を撮影しておき、家の中のチェックと合わせて専門業者に相談しましょう。
梅雨に備えるシロアリを寄せ付けない環境づくり
梅雨は気温や湿度が高く、シロアリにとって活動しやすい環境です。そのため、被害を防ぐためにも、梅雨を迎える前から住まいの環境を整えておくことが重要です。
ただし、すでに家のどこかに侵入されている場合は、予防ではなく駆除が必要です。専門業者への依頼を検討しましょう。
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除湿の徹底で床下の湿度を下げる
床下はシロアリの主な侵入経路になりやすい一方で、日常生活では目に入りにくく、被害に気づくのが遅れやすい場所でもあります。
ここから紹介するポイントを押さえることで、湿度を大きく下げられます。
床下換気口をふさがない

床下換気口の前に物を置くと、湿気を逃がすための風の通り道が塞がれます。
植木鉢や収納物が密着していないか確認し、換気口の周囲は広めに空けて湿気が外へ抜けやすい状態を保ちましょう。
床下換気扇で強制的に湿気を排出する

自然換気だけで湿気を処理しきれない家では、床下換気扇が効果的です。
とくに、床下の通気口の少ない住宅や、建物の周辺に物が多く風が通りにくい環境では、床下の空気がこもりやすく、湿気も停滞しがちになります。梅雨から夏にかけての高湿度期のみ稼働させ、効率的に排湿する方法も有効です。
防湿シートを敷いて地面からの湿気を遮断する

床下の土はもともと水分を多く含んでおり、とくに梅雨の時期は雨の影響で湿っています。床下に防湿シートを敷くと、土から発生する水蒸気を大きく減らせるため、床下全体の湿度を下げやすくなります。
住宅基礎部分のひび割れを点検する

建物基礎にできた細いひび割れもシロアリの侵入経路になることがあります。ひび割れの原因は、乾燥による収縮や気温の変化、地震の揺れなどさまざまです。
シロアリは 0.5mmほどのひびでも侵入できると言われています。ひびを見つけた場合は、外壁塗装会社や補修業者などに修理を依頼しましょう。
応急処置として、市販の基礎用補修材を使う方法もありますが、根本的な解決にはつながらない可能性が高いです。
配管周りの隙間を点検する

水道管やガス管などが外壁や基礎を貫通している部分に、わずかなすき間があると、そこからシロアリが侵入します。
隙間があった場合は外壁塗装会社などの専門業者に、ひび割れや隙間の補修などを依頼しましょう。
応急処置として市販のシーリング材を使う方法もあります。シーリング材には種類があり、ポリウレタン系は塩ビ管を劣化させる可能性があるため注意が必要です。
配管の素材とシーリング材の成分を確認し、相性を確かめてから使用してください。
住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ
シロアリは木材やセルロースを含む素材を餌とする昆虫です。
庭や家の周りに餌になるものが長期間置かれていると、そこにシロアリが集まって食害し、床下や構造材へ移動してくるケースが多いため、家の周囲に餌となるものを放置すると侵入リスクが高まります。
注意したいものは以下です。
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湿った木材はとくに狙われやすいので、こまめに整理整頓を行いましょう。
薬液散布で床下にバリアを貼る(バリア工法)

シロアリ対策としてもっとも一般的なのが「バリア工法」です。床下に専用薬剤を均一に散布することで、土中に侵入しているシロアリの駆除と新たな侵入を防ぐ「バリア層」の形成を同時におこないます。
薬剤の濃度管理や散布ムラの調整が必要なため、DIYは難しく専門業者に依頼すると安心です。
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シロアリを発見したときの緊急対処法
梅雨から夏にかけては、室内で羽アリを見かけることが増え、突然の発生に戸惑う方も少なくありません。ここでは、羽アリを発見した直後に自分でできる応急処置と、被害を広げないための注意点を紹介します。
室内で羽アリを発見したときの応急処置
室内で羽アリを発見したときにできる対処法を紹介します。
掃除機で吸引する
室内で羽アリを見つけたとき、その場で安全に駆除できる方法として確実なのが、掃除機で吸い取ることです。シロアリは体が柔らかく物理的な衝撃に弱いため、吸引と同時にほぼ死滅します。
掃除機が使えない場所であれば、粘着テープや粘着シートなどで取り除いても問題ありません。シロアリを駆除したゴミ袋は口をしっかり閉じ、すぐに捨てましょう。
発生場所の記録を残す
シロアリ点検のために、発生した位置や個体数、時間帯を記録しておくことが重要です。
スマートフォンで写真を撮り、どの部屋のどのあたりかをメモしておきます。また、羽アリの見た目(色、羽の枚数)をできる範囲で撮影しておきましょう。
記録があると、専門業者が侵入口や巣の方向を推定しやすくなり、対応も早まります。
シロアリ発見時にやってはいけないNG行動
羽アリを見たときに、焦ってやりがちなNG行動を紹介します。
市販の殺虫スプレーを使う
殺虫スプレーで表面の個体を一時的に駆除できても、根本原因である巣には届きません。刺激が強いためシロアリが危険を察知して巣の内部へ逃げ込み、被害が広がる危険があります。
蟻道(ぎどう)を壊す
蟻道(ぎどう)とは、シロアリが乾燥や外敵から身を守りながら移動するために作る、土や木くずでできたトンネル状の通路です。この蟻道を壊すと、シロアリが危険を察知して建物のより内部へと逃げ込み、結果として被害が広範囲に拡大してしまう恐れがあります。
また、蟻道はシロアリの侵入経路や活動範囲を示す重要な手がかりでもあります。これを壊してしまうと、シロアリの通り道が分からなくなり、専門業者による潜伏場所の特定や効果的な駆除を難しくさせてしまいます。
被害を最小限に抑えるためには、見つけても決して触れず、そのままの状態でプロの点検を受けることが重要です。
巣ごと根絶する方法
シロアリを完全に駆除するには、目に見える個体を駆除するだけでなく、巣そのものを断つことが重要です。住宅で広く用いられている代表的な工法は「バリア工法」と「ベイト工法」の2つです。
バリア工法とは、家の床下や基礎周辺の土壌、木部に薬剤を散布し、地面からシロアリが侵入できないよう薬剤の層(バリア)をつくる工法です。即効性があり、被害の進行を早く抑えたい場合に有効です。

ベイト工法とは、シロアリが好む餌に薬剤を混ぜた「ベイト剤」を地面に設置し、巣へ持ち帰らせることで、巣全体を根絶する方法です。薬剤散布をしないため、化学物質過敏症の方でも安心して施工可能です。

一般的に、床下に十分な作業スペースがあり、薬剤散布が可能な住宅では、即効性の高いバリア工法が選ばれることが多いです。一方で、床下が狭い、薬剤散布を避けたいなどの場合は、ベイト工法が施工されるケースもあります。
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どちらの工法が適しているかは、住宅の構造や被害の広がり方によって異なるため、専門業者に最適な方法を判断してもらうことがおすすめです。
まとめ
梅雨は、気温の上昇と湿度の高さが重なり、ヤマトシロアリとイエシロアリが活動しやすい時期です。そのため、梅雨時期は住宅への侵入や食害が進みやすくなります。
被害を防ぐためには、まずは湿気をためない住まいの環境づくりが必要です。
床下の換気、基礎まわりに不要な木材や段ボールを置かない、雨水がたまりやすい場所を放置しないなど、日ごろの対策を徹底することで、シロアリが寄りつきにくい環境がつくれます。
あわせて、水漏れや雨漏りがある場合は湿気を好むシロアリを呼び寄せる原因となるため、放置せず早期に修繕することが大切です。
そのうえで、羽アリの発生や蟻道、木材の崩れ、ふんの痕跡などの「被害のサイン」が出ていないかを定期的に確認しましょう。見つけた場合は早めの対応が重要です。
少しでも「もしかして…」と感じる変化があれば、自己判断で放置せず、早めに専門業者へ相談してください。
シロアリお助け本舗では無料点検を受け付けています。梅雨を安心して乗り越えられるよう、ぜひお気軽にご相談ください。





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