シロアリ駆除

【プロが監修】シロアリ駆除の保証|5年保証の仕組み、詳しい保証条件まで徹底解説

サムネイル シロアリ 保証

この記事の監修者

「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。

ROY株式会社

シロアリ駆除は保証をつけてもらえることが一般的です。たとえば、現在主流の防蟻工事「バリア工法」の場合、5年間の保証期間をつけてもらえるケースが多いです。

保証期間内であれば、シロアリが再発生した場合に無償で再施工を受けられますが、特定のシロアリ種類以外による被害だった場合など、保証対象外となるケースもあります。

本記事では、保証の仕組み、対象となるシロアリの種類、保証適用外のケースまで詳しく解説します。

このような方におすすめ

  • シロアリ駆除に付帯する保証を詳しく知りたい方
  • 保証適用外のケースを知りたい方
  • 保証期間後の再施工が必要か知りたい方

シロアリの保証の種類

シロアリ駆除・予防に関する保証は、保証の主体や内容によって大きく2種類あります。

本記事では、そのうちの一つであるシロアリ駆除業者による保証をメインに取り上げますが、まずは両保証の概要を解説します。

ハウスメーカーによる独自の保証

一部のハウスメーカーは、建材の特殊処理や追加のシロアリ対策を実施することで、独自の保証制度を設けています

たとえば、トヨタホームは柱や梁などの骨組みに木材を使用せず、建物の木質部について定期的な点検とメンテナンスを実施することで、最長30年の保証を提供しています。

ミサワホームは、防蟻シートを接着した床パネルを活用した「無公害防蟻工法」を採用しており、10年ごとの点検と有償リフォーム防蟻工事により、10年単位での保証延長が可能です。

シロアリ駆除工事に付帯する保証

法律上の義務はありませんが、シロアリ駆除業者の多くは、主流の駆除・予防工事(バリア工法)の施工時に5年間の保証をつけています

この保証により、駆除・予防工事から5年以内にシロアリが再発生した場合、再施工や修理費用の請求が可能です。

シロアリ駆除工事に付帯する保証とは?

次に、工事に付帯する保証の内容について詳しく解説します。

シロアリ駆除の保証の仕組みと目的

シロアリ駆除の保証とは、駆除・予防工事を実施した後、一定期間内にシロアリが再発生した場合に、無償での再施工や被害箇所の修繕費用を補償してくれる制度です。

万が一のとき、施主の経済的負担を軽減することが目的です。

保証は法的に必須ではなく、内容も定められていないため、各シロアリ駆除業者が独自に設計しています。一般的には施工費用に含まれますが、一部の業者では保証がオプション扱いで追加費用がかかることもありますのでご注意ください。

シロアリ駆除・予防は5年保証が基本

シロアリ駆除・予防工事でもっとも標準的な保証期間は5年間です。

この5年という期間は、公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する薬剤の「有効期間」にもとづいて設定されています。

薬剤を希釈しなければ、有効期間が5年を越える強力な薬液を調合することも可能です。しかし、環境や人体への影響を及ぼす可能性があることから現在は非推奨となっています。

5年保証がつく施工方法の場合、薬剤がシロアリ以外に与える影響は少なく、人やペットへの影響はほとんどありません。

シロアリ駆除の保証の種類

保証内容には主に2種類あります。

1つ目は「施工保証」です。保証期間内にシロアリが再発生した場合、無償で再施工をおこなう保証で、ほとんどのシロアリ駆除業者が標準的に提供しています

2つ目は「被害発生時の修理費用保証」です。シロアリ被害により建物の修復が必要になった場合の費用を補償するもので、保証金額は100万円から1,000万円程度が相場となっています。ただし、すべての業者が提供しているわけではないため契約前の確認が必要です。

保証の種類 内容 保証金額の相場
施工保証 シロアリが再発生した際、無償で再施工をおこなう 再施工にかかる費用全額
修理費用保証 保証期間中に建物の修復が必要になった場合の費用を補償する 100万円〜1,000万円

シロアリ被害は「瑕疵担保責任」の保証対象外

住宅購入時、売主には「瑕疵担保責任」が発生し、建物の欠陥や不具合などの「瑕疵」について責任を負わなければならないと法律で定められています。

しかし、シロアリ被害に関しては責任範囲外となるケースが多いのが現状です。

「住宅品質確保法」にもとづく10年保証の対象にシロアリ被害は含まれない

日本では「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)」にもとづき、構造耐力上主要な部分について、引渡しから10年間の瑕疵担保責任が課されています

この法律により、売主(建設業者・宅建業者)には保険加入または供託が義務付けられており、瑕疵があった場合、買主に補償金が支払われる仕組みになっています。

保証されるのは「構造耐力上重要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」に関する欠陥です。

瑕疵担保責任範囲

(引用:特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(資力確保指導係))|国土交通省

新築住宅の購入者は追加で特別な保険に入る必要はなく、建物引渡しより10年間は、該当箇所に欠陥があった場合は修補請求、損害賠償請求、契約の解除ができます。

ただし、シロアリによる被害は一般的に、保証対象外です。本法律はあくまでも建物自体の欠陥から消費者を守るためのものであり、シロアリを含む生き物による被害は保証対象外となります。

「契約不適合責任」にもとづく保証の対象にシロアリ被害は含まれない

民法により、中古住宅の売主には「契約不適合責任」が課されます。

「契約不適合責任」とは、「目的物に契約内容と異なる点があることがわかった場合」に売主が負う責任のことです。違反している場合は、修補請求、代金減額請求、損害賠償請求などができます

民法(買主の追完請求権)

第五百六十二条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。(e-Gov法令検索

ただし、「住宅品質確保法」同様、シロアリによる被害は保証対象外となるケースが多いです。

中古住宅を購入する際は、シロアリ検査が実施されているかを確認し、購入後に自前で検査をおこなうことをおすすめします。シロアリお助け本舗では、検査だけなら無料で対応可能です。

シロアリ駆除の保証がつく「バリア工法」

保証がつけられるかどうかは、シロアリ駆除・予防の工法によって変わります。基本的に保証がつくのは「バリア工法」と呼ばれる、日本で主流の施工方法です

実際の施工実績を見ると、圧倒的に同工法が多く施工されており、全体の約90%を占めます。

バリア工法とベイト工法割合

(ROY株式会社 2009年〜2025年までの施工実績より作成)

バリア工法とは

バリア工法

バリア工法とは、住宅の床下に薬剤を満遍なく散布する施工法です。すでに土中に侵入しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できない層(バリア)をつくります。

住宅によっては、すでに木材にシロアリが侵入しているケースがあり、その場合は、木材内部のシロアリを駆除するための処理も合わせておこないます。

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シロアリ駆除の保証対象となるヤマトシロアリ

日本国内に生息する24種類のシロアリのうち、保証対象となるのは一般的にヤマトシロアリのみであることが多いです。

見た目

職アリ(働きアリ)

ヤマトシロアリ 横
見た目

羽アリ

ヤマトシロアリ 羽アリ 横
分布 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在
体長 4.5〜7.5mm
巣の中の個体数 数百~数千匹

ヤマトシロアリは生息範囲が広く、日本国内のシロアリ被害の90%以上を占める種類です。

ヤマトシロアリは硬い高密度の木材より、やわらかい低密度の木材を好んで食べる傾向があります。とくに被害が大きいのは、マツ、モミ、セン、ホワイトウッド、ブナです。

乾燥に弱い性質で、1日水を摂取できないだけで正常な活動が難しくなります。そのため、被害場所は湿っているか水場の近くであることが多いです。ただし、結露や水漏れが発生している場合は住宅全体に被害がおよぶ可能性もあります。

これまでは風呂場、洗面所、台所の水回りに被害が集中していましたが、最近は個体数の増加にともなって、玄関部分や土台部分の被害率も高くなっています。床下に放置された資材に被害が出ることも多いです。

シロアリ駆除の保証対象外の種類

日本国内に生息する主要なシロアリ4種類のうちイエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリは保証対象外となることが多いです。

イエシロアリ

見た目

職アリ(働きアリ)

イエシロアリ職蟻 横
見た目

羽アリ

イエシロアリ羽アリ横
分布 奄美大島以南と小笠原諸島
体長 7.4〜9.4mm
巣の中の個体数 数百~数千匹

日本国内での被害件数は2番目に多く、全体の7〜8%程度を占めています。

ヤマトシロアリと比べて巣の場所を予測しづらく、保証対象外となることが多いです。背景には、イエシロアリが「水を運ぶ」能力に長けていることがあります。

同能力により、イエシロアリは水場から離れた場所にも巣をつくります。さらに、メインの巣以外に「分巣」と呼ばれる巣をつくり、あちこちに分散しながら被害をもたらすこともあるのです。

そのため、イエシロアリの被害は予測して防ぐことが難しく、保証対象外となるケースが多いのです。

巣は非常に大きく、最大半径100mにもおよぶ範囲で被害をもたらし、数軒の住宅を同時に侵食していることもあります。

ヤマトシロアリと同様に、硬い高密度の木材より、やわらかい低密度の木材を好んで食べる傾向があります。とくに被害が大きいのは、マツ、モミ、セン、ホワイトウッド、ブナです。

アメリカカンザイシロアリ

見た目

職アリ

(働きアリ)

アメリカカンザイシロアリ職蟻 横
見た目

羽アリ

アメリカカンザイシロアリ羽アリ
分布 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在
体長 6~8mm
巣の中の個体数 数百~数千匹

アメリカカンザイシロアリは、アメリカのワシントン州からメキシコのカリフォルニア半島にかけて、太平洋沿岸地域に主に生息しています。日本へは家具や荷造材とともに持ち込まれました

日本国内では分布が限られており、ダイコクシロアリを含むカンザイシロアリ全体で、国内のシロアリ被害に占める割合は0.3%程度です。

ヤマトシロアリやイエシロアリは土壌から侵入してくるケースが多いですが、カンザイシロアリは最初から木材の中に潜伏していることが多いです土壌への薬剤散布では駆除・予防が難しく、保証の対象外となります

ダイコクシロアリ

見た目

職アリ

(働きアリ)

ダイコクシロアリ職蟻 横
見た目

羽アリ

ダイコクシロアリ羽アリ
分布 奄美大島以南と小笠原諸島
体長 5~6mm
巣の中の個体数 数百~数千匹
特徴 ・乾燥に極めて強く、ピアノや家具のような木製品から建造物、野外の枯枝などの中に生息する

・少数の個体から巣がつくられることから、世界の熱帯地方に拡がった

・和名は、兵蟻の頭部が大黒頭巾に似ていることに由来する

ダイコクシロアリは、世界の熱帯地方に多く生息しています。アメリカカンザイシロアリ同様、分布が限られており、日本国内での被害件数は少ないです。ただし、発見が難しいため被害として報告されていないだけの可能性もあります

乾燥に強く、屋根裏の小屋組部材、外構部材、室内部材、床下部材、家具に被害を与えることが多いです。

アメリカカンザイシロアリと同様、カンザイシロアリは最初から木材の中に潜伏して家の中に侵入することが多く、薬剤散布では駆除・予防が難しいため保証の対象外となります

バリア工法以外の工法への保証

バリア工法には保証がつくことが多いですが、他の工法では保証がつけられないのが一般的です。各工法の概要と、保証がつかない理由を解説します。

ベイト工法の保証

ベイト工法

ベイト工法とは、地中にベイト剤と呼ばれるシロアリ専用の毒餌を仕込み、シロアリに巣へ持ち帰らせることで、巣そのものの根絶を狙う駆除方法です。

床下に入れないなどの理由でバリア工法の施工ができない住宅の、第二の選択肢として採用されることが多い施工法です。「薬剤過敏症で薬の使用を避けたい」「床下への出入りでホコリやカビが上がってくるのが気になる」などの理由で、ベイト工法を選ぶ方もいます。

ベイト工法は半年から数年かけて継続的にメンテナンスをしながら実施する施工法であり、「完了」は「家の近くのシロアリの巣の根絶」を意味します。

しかし、施工完了後に運悪く別のシロアリ集団が近くにやってきて再び巣をつくる可能性はゼロではありません。バリア工法と違って、新たな集団からの被害を防ぐことは難しく、保証をつけることは難しいです

穿孔注入処理、塗布・吹付処理の保証

穿孔注入処理と塗布・吹付処理は、主にカンザイシロアリの駆除・予防に用いられる工法です。

穿孔注入処理では、木材に穴を開けて薬剤を直接注入します。

穿孔注入 柱

一方、塗布・吹付処理では、木材表面に薬剤を塗布または吹き付けます。

吹付

駆除対象となるカンザイシロアリは木材に棲みつき、地表にはほとんど出てきません。そのため発見が難しく、特定箇所だけを処理しても、すでに別の場所に棲みついており、住宅への被害が続くことも多いです。

完全に駆除・予防することは難しく、保証がつけられません

シロアリ駆除の保証が適用されないケース

保証つきの駆除・予防工事を実施した場合でも、保証が適用されないケースがあります。詳しくは契約時点で駆除業者より説明がありますが、ここでは代表的なケースを紹介します。

  • 特定のシロアリ以外による被害だった場合
  • 雨漏りや漏水の放置
  • 施工後に増改築があった場合
  • 他社で新たにシロアリ駆除をおこなった場合

特定のシロアリ以外による被害だった場合

先述の通り、工法ごとに効果のあるシロアリの種類が決まっています。それ以外のシロアリによる被害だった場合、保証は受けられません。

一般的な工法であるバリア工法の場合、主にヤマトシロアリを対象としており、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリによる被害は保証対象外です。

雨漏りや漏水の放置

雨漏りや漏水を放置していた場合も、保証適用外となる可能性があります

シロアリは湿度の高い環境を好み、濡れている木材は被害にあいやすいです。日本国内で住宅に被害を与える4種類のシロアリはすべて、湿度70〜80%の環境でもっとも活発になることがわかっています。

雨漏りや漏水の放置はシロアリの再発生リスクが極めて高くなることから、防蟻工事の際に交わす契約書に保証対象外と明記されていることが多いです

施工後に増改築があった場合

保証は基本的に施工時の建物の状態を前提としているため、後から増築や改築をした部分は保証対象外です

新たに追加された部分には薬剤処理が施されていないため、そこからシロアリが侵入する可能性があります。増改築を予定している場合は、事前に業者に相談しましょう。

他社で新たにシロアリ駆除をおこなった場合

保証期間中に他の業者で追加の駆除をおこなった場合、元の保証状態が変更されたとみなされ、保証が無効になる可能性があります

別業者による追加の駆除を検討する際は、まず元の業者に相談することをおすすめします。

シロアリ駆除の保証期間後は再施工がおすすめ

シロアリは一度駆除されても再発生することがあります

日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合の調査によると、保証満了日から5年経過すると、ほぼ6%前後の建物に被害が再発。8年経過するとその値は10%を超え、その後も経過年数の増大とともに被害発生率は増えていきます。

保証切れからの経過年数と再発率

薬剤の効力は保証が切れた後でも1年程度は残存しますが、それ以上になると薬剤の有効成分残存量が減り、薬剤効力を発揮できなくなります。

多くのシロアリ駆除業者では、保証期間が満了する1年前から更新手続きを開始できます。無料調査などを活用しながら、自宅に最適な駆除・予防方法を検討しましょう。

まとめ

シロアリ駆除の保証は基本的に5年間です。期間の長さは、薬剤の有効期間にもとづいています。

保証には「施工保証」「修理費用保証」の2種類があり、すべての業者が両方を提供しているわけではありません。契約前に保証内容をしっかり確認しましょう。

シロアリ被害を防ぐには、保証が切れるタイミングでの予防工事がおすすめです。「保証期間がわからなくなった」「新しく予防工事をしたい」などお考えの方は、シロアリお助け本舗に無料でご相談ください。

経験豊富なスタッフが、お客さまの住宅に最適なシロアリ駆除・予防の方法をご提案いたします。

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「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。

ROY株式会社

 

  • この記事を書いた人

シロアリお助け本舗編集部

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「シロアリ被害をなくしたい」

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