イエシロアリは日本国内でもっとも深刻な被害をもたらすシロアリです。ヤマトシロアリと比べると発生件数は少ないものの、巨大な巣をつくる習性があり、住宅へのダメージは圧倒的に大きくなります。
6〜7月の夕方から夜にかけて、室内の照明や街灯に羽アリが集まっているのを見かけたら、イエシロアリの可能性があります。放置すると被害が急速に広がるため、早めの対処が必要です。
この記事では、イエシロアリの見分け方や生態、被害の実態、発見時の対処法、駆除方法と費用相場、予防対策まで幅広くお伝えします。


このような方におすすめ
- 住宅の近くで見た羽アリがイエシロアリかどうか知りたい方
- イエシロアリの適切な対処方法や駆除費用を知りたい方
- イエシロアリの予防方法について知りたい方
Contents
イエシロアリとは?

日本国内には24種類のシロアリが生息しています。そのうち住宅に被害を与えるのは、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリの4種類です。

こちらもCHECK
イエシロアリはヤマトシロアリに次いで被害件数が多いシロアリですが、被害の規模やスピードは4種類のなかでもっとも深刻とされています。
国際自然保護連合(IUCN)が選定した「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれており、世界最強クラスのシロアリとして知られています。
建物だけでなく生きた樹木にも激しい被害を与えます。住宅周辺で発見した場合は一刻も早く対策が必要です。
参考
イエシロアリの分類

イエシロアリの学名は「Coptotermes formosanus」で、ミゾガシラシロアリ科イエシロアリ属に分類されます。
学名の「formosanus」は「台湾の」という意味があり、台湾で初めて学術的に記載されたことに由来しています。別名「タイワンヒメシロアリ」とも呼ばれ、中国では「乳白蟻」「台湾泌乳螱」という名前で知られています。
シロアリは「アリ」という名前がついていますが、生物学的にはゴキブリと近縁の昆虫です。クロアリとは全く別のグループに属します。
イエシロアリは後腸に共生原生動物(原生生物)をもっており、木材に含まれるセルロースを消化できる特殊な能力があります。
イエシロアリは「地下シロアリ」の一種に分類され、地中に本巣をつくり、蟻道(ぎどう)と呼ばれる土やフン、分泌物を混ぜて固めたトンネル状の通路を構築して移動します。
ヤマトシロアリと比べると集団の規模が圧倒的に大きく、侵食力も非常に強いのが特徴です。
こちらもCHECK
-
-
シロアリとゴキブリは同じ仲間。詳しい生態を知って、両方とも徹底的に駆除しよう
シロアリは「アリ」という名前がつきますが、生物学的にはゴキブリの仲間です。とはいえ両者の生態や人に与える影響は大きく異なります。 この記事では、シロアリとゴキブリの共通点と違い、もたらす被害、正しい駆 ...
続きを見る
イエシロアリの生息地・分布エリア

イエシロアリは千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域、四国、九州、琉球列島、小笠原諸島に分布しています。とくに沖縄、九州、四国、瀬戸内地方で被害報告が多くなっています。
建物被害の北限は茨城県結城市で、東日本での生息地は限られています。神奈川県や千葉県、東京都の海岸線沿いの比較的暖かい場所でのみ確認されています。
近年は地球温暖化の影響により、イエシロアリの生息域が北上・拡大傾向にあります。これまで被害がなかった地域でも、今後は注意が必要になる可能性があります。
こちらもCHECK
-
-
沖縄でのシロアリ被害の実態と対策法を徹底解説|コンクリート造でも被害にあう可能性あり
沖縄は日本国内でもとくにシロアリ被害が多い地域です。木造住宅だけでなくコンクリート造住宅にも被害を及ぼすため要注意です。この記事では、沖縄のシロアリの現状、効果的な予防・駆除方法をお伝えします。 この ...
続きを見る
イエシロアリの見た目と特徴【画像あり】

シロアリは「社会性昆虫」に分類され、巣のなかで役割分担をしながら集団生活を営んでいます。
王・女王を含む生殖階級、外敵と戦う兵蟻(へいあり)階級、巣の中のほとんどすべての仕事を担う職蟻(しょくあり)階級といった階級があり、それぞれ見た目が異なります。
ここでは、階級ごとのイエシロアリの外見的特徴を画像とともにお伝えします。
こちらもCHECK
階級ごとのイエシロアリの見た目【画像あり】

職アリ(働きアリ)

職アリは乳白色の体に丸い頭部をもちます。
イエシロアリの職アリは、他のシロアリにはない高度な水分管理能力があります。前腸の近くにある唾液嚢(だえきのう)を貯水嚢として活用し、乾燥した場所を湿らせながら侵食範囲を広げていきます。
さらに「水取り蟻道」と呼ばれる特殊な構造物をつくり、地下水などの水源から積極的に水分を補給します。この能力があるため、ヤマトシロアリとは異なり、水場が近くにない乾燥した場所でも活動できるのです。
兵アリ

兵アリは頭部が褐色で卵形(卵円形)をしており、体長の約3分の1を占めるのが特徴です。
ヤマトシロアリの兵アリ(頭部が体長の2分の1)と比べると頭の割合が小さいです。鎌状のアゴは閉じるとX状に交差し、額孔の両側には各2本の剛毛が生えています。
ヤマトシロアリの兵アリが臆病な性格なのに対し、イエシロアリの兵アリは攻撃的な性格で、外敵に対して積極的に戦いを仕掛けます。
人間であっても不用意に触れると指に噛みつかれることもあります。噛まれても軽い痛みがある程度で、毒性はなく、腫れたり感染症になったりすることはありません。
イエシロアリの兵蟻の最大の特徴は、外敵を攻撃する際に頭部の「額腺(がくせん)」から乳白色の粘着液を放出することです。
この液は敵を動きにくくするのと同時に、巣の仲間へ非常事態の警報を鳴らす役割もあります。
こちらもCHECK
-
-
シロアリは人を噛む?噛まれたときの症状や対処法、確実な駆除方法を解説
住宅の木材を食べる害虫として知られるシロアリですが、他のクロアリと同じように人を噛むことはあるのでしょうか。 本記事では、シロアリが人を噛むのか、噛まれた場合の症状・応急処置について解説します。また、 ...
続きを見る
羽アリ(有翅虫)

羽アリは体色が黄褐色〜淡褐色で、翅色は淡黄褐色・半透明です。
体長は7.4〜9.4mmあり、ヤマトシロアリの羽アリ(4.5〜7.5mm)よりひとまわり大きいサイズです。前後の羽はほぼ同じ大きさで、翅(はね)には細かな毛が密集しています。
ヤマトシロアリの羽アリが黒っぽい色をしているのに対し、イエシロアリは全体的に茶色・黄褐色をしています。頭部が褐色で胸腹部は黄褐色という配色も見分けるポイントです。
羽アリは「群飛(ぐんぴ)」と呼ばれる方法で巣の拡大をおこないます。胸部背面に翅芽(しが)と呼ばれる部位をもつ職アリ(ニンフ)が、巣が成熟した段階で羽アリに変化します。
イエシロアリの羽アリには走光性があり、蛍光灯などの青白い光に強く引き寄せられる習性があります。
こちらもCHECK
女王アリ

女王アリは体長が最大40mmに達することもあり、日本の主要4種類のシロアリのなかで最大です。腹部が大きく膨らんでおり、体色は乳白色〜淡黄褐色をしています。
こちらもCHECK
-
-
シロアリの女王の生態を徹底解説!女王アリの駆除は、巣の根絶につながるのか
シロアリの巣には「女王」と呼ばれる、産卵が役割のシロアリが最低1匹は存在します。「女王アリさえ駆除すればシロアリの巣は壊滅する」と考えられがちですが、それは誤りです。 シロアリの生態は非常に複雑で、一 ...
続きを見る
産卵が役割で、一日に数十〜数百個の卵を産み続けます。他のシロアリの女王(一日数十個)と比べて産卵数が圧倒的に多いのが特徴です。
寿命は10〜30年で、本巣内部の「女王室」と呼ばれる同心円状の小室構造の中心に位置しています。巣のなかには女王が1匹以上存在します。

こちらもCHECK
-
-
シロアリの巣を徹底解説!種別の特徴から発見方法、確実な駆除方法まで
シロアリ被害を早期に食い止めるには、「巣」の場所をいち早く突き止めることが重要です。シロアリは目に見えない場所で着実に被害を拡大させますが、巣の特徴や兆候を知っていれば、深刻な被害に至る前に対処できま ...
続きを見る
王アリ

王アリは体長約6〜8mmで、女王よりも小さなサイズです。体色は女王と同様に乳白色〜淡黄褐色をしています。
生殖が役割で、女王とペアで巣の奥深くにある「女王室」で生活しています。基本的には巣のなかに1匹です。
イエシロアリとヤマトシロアリの違い・見分け方

イエシロアリとヤマトシロアリはどちらも土のなかに巣をつくる「地下シロアリ」であり、見た目も似ています。
職アリでの判別はほとんど不可能ですが、兵アリと羽アリには見分けやすい違いがあります。さらに、生態にも大きな違いがあるため、羽アリの発生時期や行動パターンからも判別が可能です。
見た目の違い
| イエシロアリ | ヤマトシロアリ | |
| 羽アリ | ・黄褐色で羽が乳白色
・7.4~9.4mm |
・黒っぽい
・4.5~7.5mm |
| 兵アリ | ・卵形(丸みがある)
・長方形(細長い) ・頭部が体長の約1/2ほどの大きさ |
・長方形(細長い)
・頭部が体長の約1/3ほどの大きさ |
生態の違い
| イエシロアリ | ヤマトシロアリ | |
| 群飛時期 | 6~7月の夕方~夜 | 4~5月の昼間 |
| 水を運ぶ能力 | あり | なし |
| 巣の場所 | 土の中 | 食侵食した木材の中 |
| 生息地域 | 千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域 | 日本全土(北海道名寄市が北限) |
| 兵アリの性格 | 攻撃的 | 臆病 |
| 走行性 | 羽アリが光に引き寄せられる | 光に引き寄せられない |
イエシロアリと他の虫との見た目の違い・見分け方
イエシロアリと間違えやすい虫がいくつか存在します。違いを把握して、適切な対処につなげましょう。
|
ゴキブリの幼虫

ゴキブリの幼虫は白色で、体長は4.0mm程度です。触角と脚があり、シロアリと似ています。
行動範囲が狭く、生まれた場所から数十センチ程度しか移動しません。暗くて湿気の多い場所を好み、排水口や風呂場、キッチンなどの水回りを好んで潜伏します。
シロアリと比べると、サイズがやや大きめで、頭部と胸部の間にくびれがありません。
チャタテムシの幼虫

チャタテムシは別名「本シラミ(Booklouse)」とも呼ばれ、畳や障子、古い本などを餌とし、素早く這い回る害虫です。梅雨時期など蒸し暑い季節になると増える傾向があります。
幼虫は白色または透明で、体長は1mm程度と非常に小さく、触角と脚があります。
シロアリと比べると、チャタテムシの方が頭が小さいです。また、シロアリの幼虫は触角が数珠状で短いのに対し、チャタテムシはまっすぐで長いという特徴があります。
トコジラミ(南京虫)

トコジラミ(南京虫)は生物の血を吸う害虫です。人間にも吸い付き、一度に体重の3〜5倍ほどの血液を摂取します。昼間はベッドや壁、床などの隙間に隠れ、夜間に這い出して吸血します。
シロアリと比べて、全体的に扁平かつ楕円形で、胴が短くて太いです。
クロアリの羽アリ

クロアリの羽アリは黒色または暗褐色で、体長は5.0〜15.0mm程度です。食品に群がったり、建物に巣をつくったりすることがありますが、木材は食べません。
シロアリとの大きな違いは、胸部と腹部の間にくびれ(腰)があることと、触角が「く」の字型に曲がっていることです。
キノコバエ

キノコバエは腐葉土やキノコ、腐った植物などを餌とする昆虫です。人間に対する直接的な被害はほとんどありませんが、大量発生することで気分を害する「不快害虫」に分類されます。
黒色〜暗褐色で、体長は2〜5mm程度です。シロアリと比べると、小さくて細い体型で、脚が長くて目立ちます。触角が体長と同程度かそれ以上に長いのも特徴です。
チャタテムシ

チャタテムシの成虫は淡黄色から淡褐色で、体長は1〜2mm程度です。カビやホコリなどを食べ、書籍や壁紙、食品などに被害を与えることがあります。
人を噛むなどの直接的な被害はありませんが、死骸の粉を吸い込むと喘息などのアレルギーの原因になることがあります。
シロアリと比べて、体が小さく触角が細く長いです。羽が薄く透明なことも分かりやすい違いです。
イエシロアリの生態の特徴
イエシロアリは他のシロアリと比べて攻撃的で、被害の規模・スピードが格段に大きいことで知られています。その生態を理解することが、効果的な対策の第一歩です。
こちらもCHECK
活動時期と活発化の条件|気温30〜35°C、湿度70〜80%で活発化
イエシロアリの活動に適した温度は30〜35°Cで、ヤマトシロアリ(25〜30°C)よりも高温を好みます。気温6°C以上で活動可能で、寒さには弱いです。
ただし、現代の高断熱・高気密住宅では、冬でも床下温度が10°C以上を維持し、年間を通じてイエシロアリの活動可能な環境が整うことがあります。
湿度は70〜80%を好み、もっとも活発化します。ただし乾燥した場所であっても、イエシロアリは水を運べるため、侵食することがあり注意が必要です。
| 活発化する気温 | 活発化する湿度 | |
| イエシロアリ | 30℃〜35℃ | 70~80% |
| ヤマトシロアリ | 25℃〜30℃ | 70~80% |
巣の特徴|地中に本巣をつくり、分巣を構築して広範囲に被害を与える

イエシロアリは地中に「本巣」と呼ばれる巨大な巣をつくります。
排泄物や土を唾液に混ぜて粘土状の素材を作成し、網目状の層を何度も重ねて巣を建設するのです。本巣の直径は最大1mに達することもあります。
さらに、本巣と餌がある場所との間に経由地となる「分巣」をつくる習性があり、それにより活動範囲が格段に広がります。
本巣から半径100mにおよぶ広範囲で摂食活動をおこない、1軒の住宅だけでなく近隣の数軒を同時に侵食することもあります。
蟻道を使って地中から建物へと侵入し、乾燥した木材も水分で湿らせて侵食します。巣の場所は床下や土中だけでなく、屋根裏、庭の木のなか、木の根元、壁のなかなどさまざまです。
近年では、給排水管の結露や雨漏りを利用して、壁のなかに巣を形成する事例も報告されています。

水分管理能力|「水取り蟻道」で乾燥した場所も侵食
イエシロアリがヤマトシロアリよりも乾燥に強い理由は、優れた水分管理能力にあります。
水を運ぶための「水取り蟻道」を構築して地下水などの水源から積極的に水分を補給し、唾液嚢を貯水嚢として使って乾燥した場所を湿らせながら侵食範囲を広げます。
この水分管理能力により、通常シロアリが到達しにくい乾燥した場所でも被害が発生します。雨漏りや結露のない天井や屋根裏、2階部分への被害が報告されているのも、イエシロアリの特徴です。
巣の規模と繁殖力|数百万匹の巨大なコロニーを形成する
イエシロアリは1匹の女王を中心に、数十万〜数百万頭の大きなコロニーを形成します。
ヤマトシロアリのコロニー(数万〜数十万頭)と比べて規模が圧倒的に大きく、1つのコロニーの個体数は数百万頭に達することもあります。
女王は1日に数十〜数百個の卵を産むため、コロニーは急速に拡大していきます。その規模の大きさがイエシロアリが与える被害の大きい最大の理由です。
イエシロアリの繁殖システム|副女王が保険として控えている
女王の寿命は10〜30年といわれていますが、女王が死亡した場合でも巣は存続します。「副女王」と呼ばれる個体が発生して巣を維持する仕組みがあるためです。副女王は職蟻階級の個体から分化します。
この副女王システムがあるため、女王を駆除するだけでは巣の根絶が難しく、完全な駆除には専門的な技術が必要です。
こちらもCHECK
イエシロアリの発生しやすい時期

イエシロアリは1年を通して活動していますが、時期によって活動の活発さや発見のしやすさが異なります。蟻道が目立つ時期、羽アリが発生する時期、被害が拡大しやすい時期を知っておくことで、早期発見・早期対処につなげましょう。
こちらもCHECK
-
-
シロアリはいつ発生するの?活動が活発化する時期、羽アリの発生時期を徹底解説
シロアリの被害を防ぐためには、その活動時期を正しく理解することが重要です。シロアリが活発化する前に点検や予防をすることで大切な住宅を守れます。この記事では、シロアリの活動時期と最適な対策タイミング、時 ...
続きを見る
イエシロアリの蟻道がつくられやすい時期|4月〜10月
蟻道(ぎどう)とは、シロアリが移動するために土や排泄物でつくるトンネル状の通路です。
イエシロアリの蟻道はヤマトシロアリより太く頑丈で、外壁を垂直に10m以上伸ばすこともあります。また、「水取り蟻道」という水分補給専用の蟻道も構築します。
春〜初夏(4月〜6月)は気温が上昇し、イエシロアリが活発化しはじめる時期です。餌場への移動経路として蟻道の構築が盛んになります。
さらに梅雨時期(6月〜7月)は湿度が高くなるためイエシロアリにとって最高の活動環境となり、新しい蟻道がつくられやすいです。
8月の猛暑日はヤマトシロアリの場合、一時的に活動が鈍化します。しかしイエシロアリは暑さに強く、気温が低くなる10月ごろまでは活動を続け、蟻道も建築され続けます。
蟻道がつくられやすいのは、床下の立ち上がりや束石・束柱、外壁、配管周りなどです。重点的に確認しましょう。

こちらもCHECK
-
-
シロアリの蟻道は要注意!見分け方と対処法を、画像付きで徹底解説
住宅の床下や外壁で、土の塊のような筋を見つけて「これってシロアリの蟻道(ぎどう)?」と不安を感じていませんか? 実は、シロアリ以外の昆虫も泥や土で似たような道や巣をつくることがあります。そのため、見つ ...
続きを見る
イエシロアリの羽アリの発生時期|6月〜7月上旬の夕方〜夜間

群飛とは新しい巣をつくるために、羽アリが集団で古い巣から飛び出す現象のことです。新天地に到着後のイエシロアリは羽を落とし、オスとメスがつがいになって新しい巣を形成します。
イエシロアリの群飛時期は6月〜7月上旬です。群飛時刻は夕方から夜間(18時〜23時頃)で、ピーク時間帯は20時〜23時です。
群飛は温暖多湿な日に発生しやすく、蒸し暑い日や雨上がりに多く見られます。
雨が降っているときは基本的におこなわれませんが、小雨程度であれば発生することもあります。1シーズンに1回だけとは限らず、条件が揃えば複数回飛び立ちます。
また、イエシロアリの羽アリには「走光性」という性質があり、蛍光灯や街灯などの光に強く引き寄せられます。夜間に室内の電灯や玄関灯に大量の羽アリが集まっている場合は、イエシロアリの可能性があります。
イエシロアリの被害が拡大しやすい時期|4月〜10月
被害が拡大しやすい時期は、基本的に蟻道がつくられやすいタイミングと重なります。
春〜初夏(4月〜7月)、とくに梅雨時期(6月〜7月)は、高温多湿の環境がイエシロアリにとって最適な活動条件となるため、被害も拡大しやすくなります。
こちらもCHECK
-
-
梅雨に活発化するシロアリ|対策から早期発見のためのチェックポイントまで徹底解説
梅雨の時期になると、シロアリ被害が発生している家では周辺で羽アリを見かけたり、窓際や床に薄くて小さな羽が落ちていたりします。そのまま放置してもよいのか、それとも何か対応が必要なのか、判断できずに不安に ...
続きを見る
イエシロアリの最適活動温度は30〜35°Cで、35°Cで摂食量が最大化するというデータがあります。
ヤマトシロアリが真夏に活動が鈍化するのに対し、イエシロアリは真夏(7月〜8月)も活発に活動し、被害が進行しやすいのが特徴です。秋(9月〜10月)も引き続き活動が活発な時期が続きます。
イエシロアリは6°Cを下回る温度では活動が鈍化しますが冬眠はせず、気温と湿度の条件が合えば活動を続けます。
現代の高断熱・高気密住宅では、床下温度が真冬でも10°C以上に保たれることがあり、年間を通じて活動可能な環境が維持されやすくなっています。
イエシロアリによる被害の実態と危険性
イエシロアリは日本国内に生息するシロアリのなかでもっとも被害の規模が大きく、世界のシロアリのなかでも、とくに激しく侵食するシロアリとされています。
被害のスピードが非常に速く、気づいたときには構造材がスカスカになっていることも珍しくありません。
イエシロアリの侵食スピード

イエシロアリは巣の個体数が多いため、短期間で大規模な被害が発生します。また、水を運ぶ能力があるため、乾燥した木材も侵食可能です。
柔らかい早材(年輪と年輪の間)を好んで食べ、硬い晩材(年輪部分)を同心円状に食べ残す特徴があります。表面からは被害に気づきにくく、気づいたときには構造材がスカスカになっていることも珍しくありません。
イエシロアリの被害にあいやすい場所
イエシロアリは湿った木材を好むため、住宅内でも特定の場所に被害が集中する傾向があります。被害にあいやすい場所を把握しておきましょう。
|
床下・基礎

イエシロアリによる被害として典型的なのが、土のなかから蟻道を通って床下に侵入し、構造体を侵食するパターンです。土台、大引き、根太などの木材が被害を受けやすいです。
こちらもCHECK
浴室・キッチンなど水回り

水分が多く、木材が湿りやすい環境は侵食されやすい場所です。配管周りの隙間からの侵入が多く、タイルの目地からの浸水で木部が腐朽している場合はとくに危険です。
こちらもCHECK
畳・和室

い草や藁も木材と同じくシロアリの餌となるセルロースを含んでいます。木材よりも湿気を含みやすく、畳の裏側から侵食が進行することが多いです。
表面からは被害に気づきにくいため、足裏に感じる反発が弱く、フカフカするような違和感があれば裏返して確認をしましょう。
こちらもCHECK
壁のなか

給排水管の結露や雨漏りを利用して、壁のなかに巣を形成する事例も報告されています。壁のなかに巣がある場合、その部分が外から膨らんで見え、触れると活動熱で暖かく感じることがあります。
2階・天井・屋根裏

イエシロアリは水を運ぶ能力があるため、ヤマトシロアリが食害しにくい天井・屋根裏にも被害を及ぼします。
雨漏りが発生している場合はとくに危険で、外壁を蟻道が伝って2階以上に被害が拡大することがあります。
外壁内部で結露が発生し、壁内の木材が湿気を含んでいる場合に被害のリスクが高まります。ベランダやバルコニーの支柱、玄関の柱からの侵入も報告されています。
こちらもCHECK
庭木

イエシロアリは建物だけでなく、松、サクラ、スギなどの生きた樹木も侵食します。樹木を空洞化させて倒木の原因をつくるため、放置は危険です。庭木への被害は建物への侵入の前兆であることが多いです。
シロアリ被害がもたらす建物の耐久度低下

シロアリに侵食された木材は、見た目以上に強度が低下します。
野外でシロアリに侵食させた木材の強度試験では、断面が16%減少した木材の圧縮強度と曲げ強度は約半分にまで低下したという結果が出ています。
とくにイエシロアリは被害範囲が広いため、建物全体の強度に影響を与える可能性が高いです。
木材の強度低下は建物全体の耐震性に直結し、1995年の阪神淡路大震災や2016年の熊本地震では、全壊した建物の多くにシロアリ被害があったことが判明しています。
修繕・リフォーム費用がかかる
シロアリ被害で建て替えに至るケースは稀で、多くは被害箇所の補修・補強で対応できます。ただし被害が広がるほど費用は高額になるため、早期発見が重要です。
| 補修場所(1箇所あたり) | 相場 |
| 床下の補強(腐食した木材の交換など) | 20~50万円程度 |
| 柱の補強 | 10~50万円程度 |
| 床材の張り替え | 100〜200万円程度 |
| 柱の交換 | 100~200万円程度 |
| 建物基礎部分の補強 | 200万円以上 |
| 屋根や梁の修繕 | 200万円以上 |
シロアリ被害が軽微なうちに駆除や対策をしておけば、大規模な修繕・リフォームが不要になり、結果的にトータルの支出を抑えられます。


イエシロアリの発生原因
イエシロアリがどのような条件で発生するのかを理解することで、効果的な予防対策が可能になります。
湿気が多い環境

イエシロアリは湿った環境を好みます。水漏れ・雨漏りが発生している箇所は格好の標的になり、気づかないうちに壁内や床下で水漏れが進行しているケースも多くあります。
浴室・キッチン・洗面所・トイレなど水回り周辺は、日常的に水を使用するため湿度が高くなりやすい場所です。
床下の土壌が常に湿っている立地(地下水位が高い、排水不良、河川・池の近く、盆地や窪地など)も要注意です。
建物の北側や日当たりの悪い部分は乾燥しにくく、被害を受けやすくなります。
エアコンのドレン水が床下や基礎周りに流れ込んでいる場合もシロアリ発生の原因になります。
ゲリラ豪雨や線状降水帯による集中豪雨、台風による浸水被害後に、床下の湿気が急増してシロアリが発生するケースも多いです。
浸水した場合は、床下の乾燥とシロアリ予防を早めにおこなうことが推奨されます。
こちらもCHECK
木材(餌)が豊富にある環境
が豊富にある環境.jpg)
イエシロアリの主食は木材に含まれるセルロースです。木造住宅であれば構造材自体が餌となりますが、それ以外にも住宅周辺の木材がイエシロアリを引きつけます。
庭に放置された木材、伐採した木の切り株、枕木、薪、木製の杭などがある場合、これらが最初の餌場となり、その後住宅本体へ侵入するケースも多いです。
とくにウッドデッキ、木製フェンス、木製門柱、パーゴラなどの外構木材は地面に近いため被害を受けやすいです。
段ボール、古新聞、古本などもセルロースを含むためシロアリの餌になります。床下収納や物置に放置していないか確認しましょう。
こちらもCHECK
-
-
シロアリは段ボールも食べる|発生原因から対策・駆除方法まで徹底解説
段ボールに含まれるセルロースはシロアリの餌になり、放置すると被害にあう可能性があります。この記事では、段ボールがシロアリに狙われる理由、被害の見分け方、発見時の対処法を解説します。 また、湿気対策や定 ...
続きを見る
こちらもCHECK
適温が維持されている環境
イエシロアリは6°C前後で活動を開始し、30〜35°Cでもっとも活動が活発になります。
| 活発化する気温 | 活発化する湿度 |
| 30℃〜35℃ | 70~80% |
現代の高断熱・高気密住宅は床下温度が年間を通して10°C以上を維持しやすく、真冬でもシロアリが活動できる環境が整っています。
床暖房を設置している住宅は、床下の温度も上昇するためシロアリにとって快適な環境になりやすいです。
周辺環境にシロアリの生息源がある

シロアリは自然界では倒木や落ち葉を分解する「益虫」として生態系に貢献しています。自然が豊かな環境ほど近くに生息している可能性が高いです。
近隣に森林、雑木林、公園、神社などがある場合、そこに生息するシロアリが住宅地に侵入してくることがあります。とくに、河川敷、湿地帯、田んぼは湿度が高く、かつ生息源となる木材も多いです。
建物の経年劣化による防御機能の低下

新築時には防蟻処理が施されていても、時間の経過とともにその効果は低下します。
新築時の防蟻処理に使用される薬剤の効果は一般的に5年程度で、それを過ぎると薬剤の効果が大幅に低下し、シロアリが侵入しやすくなります。
イエシロアリの侵入経路
イエシロアリがどこから侵入してくるのかがわかれば、チェックして侵入を未然に防げます。重点的にチェックすべき箇所を解説します。
土の中からの侵入

イエシロアリは地中に巣をつくり、トンネルを掘りながら住宅の近くまで移動します。地表に出てからは蟻道をつくりながら、基礎部分を伝って住宅内部に侵入します。とくに侵入が多い場所は下記です。
|
基礎と土台の接合部

基礎コンクリートの上に載っている木製の土台との接合部は、構造上わずかな隙間ができやすく、イエシロアリの侵入経路になります。
ベタ基礎(ベタコン)は床下全面をコンクリートで覆うため、布基礎より防蟻性が高いですが、だからといって完全に侵入を防げるわけではありません。
立ち上がり部分と底盤の打ち継ぎ部は構造上避けられない弱点であり、ここから侵入されるケースが多いです。また、乾燥収縮によるひび割れ、地震によるひび割れなどから侵入されることもあります。
「ベタ基礎だから安心」という油断が被害発見の遅れにつながることがあります。
配管貫通部(給排水管・ガス管・電気配線など)

床下や基礎を貫通する各種配管の周囲は、隙間ができやすく、シロアリの侵入経路になりやすいポイントです。キッチン、浴室、トイレ、洗面所など水回りの給排水管が基礎を貫通する部分はとくに要注意です。
通常、配管周辺はモルタルやシーリング材が充填されていますが、経年劣化で収縮・ひび割れが発生しやすいです。ガス管、電気配線、光ファイバーケーブルなどの貫通部も同様です。
後から追加工事で開けた穴(追加配管、エアコン設置など)はとくに処理が不十分なケースが多いため要注意です。
基礎のひび割れ・打ち継ぎ部

コンクリート基礎は乾燥収縮、地震、不同沈下などによりひび割れが発生し、0.5mm程度の小さなひび割れでもシロアリは侵入可能です。
ベタ基礎の場合、立ち上がり部分と底盤の打ち継ぎ部は構造上避けられない弱点で、この部分からシロアリの侵入を許してしまうケースも多いです。
布基礎の場合、基礎の継ぎ目や角部分がひび割れしやすい傾向があります。ひび割れ部分から侵入したシロアリは、蟻道をつくりながら基礎の内側を上り、土台の木材を侵食します。
玄関土間・勝手口土間

玄関や勝手口の土間コンクリートは、建物本体の基礎とは別に打設されることが多く、その接合部に隙間ができやすいです。
とくに玄関を頻繁に水洗いする場合は、水分が隙間に浸透し、シロアリを引きつける原因になります。
木製の玄関框(かまち)は、土間に侵入したシロアリの最初の被害箇所になりやすいです。軽く叩いてみて軽い音がする場合は、シロアリ被害により中が空洞になっている可能性があります。
ベランダ・外壁からの侵入経路
地面からの侵入だけでなく、外壁やベランダなど地上から侵入されるパターンもあります。とくに羽アリの飛来や、外壁劣化部分からの侵入は見落とされがちです。
|
外壁のひび割れ・目地の劣化

外壁の劣化部分はイエシロアリの侵入経路になります。雨水も侵入するため、壁内の湿度が上がりやすく、イエシロアリが活動しやすくなります。
とくに目地シーリング(コーキング)の劣化・硬化・ひび割れは多いため定期的な点検が必要です。シーリングの寿命は一般的に7〜10年程度です。
外壁と基礎の接合部(水切り部分)の隙間もイエシロアリが侵入しやすいポイントです。
ベランダ・バルコニー

排水ドレンの詰まりや勾配不良により水が溜まりやすい場所は、湿気が多くシロアリ発生の原因となります。
とくに、ベランダの防水層(FRP防水、ウレタン防水など)が劣化して下地の合板に水が浸透すると、木材が腐朽しシロアリ被害を受けやすくなります。
木製の手すりや支柱がある場合、そこから侵食されるケースがあります。DIYで設置されたウッドデッキやパーゴラが、適切な防蟻処理をされていないためにシロアリ被害にあうケースも多いです。
エアコン配管・換気口の隙間

住宅には外部と室内をつなぐさまざまな開口部があり、これらがシロアリの侵入経路になることがあります。
たとえば、エアコンの室外機と室内機をつなぐ冷媒配管の貫通部は、施工時にパテやシーリングで塞がれますが、経年劣化で隙間ができやすくなります。
また、床下換気口や壁面の換気口(通気口)のメッシュが破損していたり、メッシュの目が粗かったりすると、イエシロアリの羽アリに侵入される可能性があります。
窓枠・サッシ

窓周りは結露が発生しやすく、木部の腐朽が起きやすい場所です。窓枠と外壁の間のシーリング(コーキング)が劣化すると、雨水が浸入して窓周りの木材が湿気を含みやすくなります。
とくに、結露が発生しやすい窓はアルミサッシ、単板ガラスなどです。古い木製サッシの住宅は、サッシ自体がシロアリ被害を受けることもあります。
2階以上で被害が発生する場合もある
イエシロアリは基本的に床下や1階を中心に侵食しますが、条件が揃えば2階以上にも被害が及ぶことがあります。主な条件は以下のとおりです。
|
イエシロアリを発見したときの対処法
自宅でシロアリや羽アリを見つけたときは、早急な対応が必要です。とくにイエシロアリは被害の進むスピードが速いため、対応の遅れが住宅への深刻なダメージにつながります。
ただし、誤った対処をしてしまうと、かえって被害を広げてしまう可能性があります。ここでは、やるべきことと、やってはいけない行動をお伝えします。
目の前のイエシロアリを駆除する応急処置
イエトシロアリを発見したら、まずは落ち着いて状況を記録し、目の前の個体を処理しましょう。詳しい手順をお伝えします。
| 手順1)発生場所の記録
手順2)付近を掃除機で吸引 |
手順1)発生場所の記録
まずはスマートフォンなどで発生場所とシロアリの写真を撮影しておきましょう。後で専門業者に相談する際の重要な資料になります。
手順2)付近を掃除機で吸引
地表に出てきているシロアリは掃除機で吸ってしまうのがもっとも手っ取り早い方法です。シロアリは弱い生き物で、掃除機で吸えばほぼ確実に死にます。
万が一生き残った場合に備えて、吸い込んだあとは、ゴミ袋の口をしっかりと閉めて捨てましょう。
掃除機が使えない場所では、粘着テープや粘着シートを使用しても駆除可能です。
シロアリ発見時にやってはいけないNG行動
スプレーなど市販の駆除剤を使う場合、根本的な解決にはならないため注意が必要です。むやみに殺虫スプレーをかけると、巣が危険を察知して、さらに住宅の奥に潜ってしまう可能性があります。
蟻道を発見した際も、なるべく壊さないようにしましょう。危険を察知したシロアリが別の場所から新たな蟻道をつくることで、被害が拡散し駆除がより難しくなります。
イエシロアリの駆除方法と費用相場
イエシロアリの駆除はプロに依頼するのが基本です。
とくにイエシロアリは分巣とは別で存在する、本巣の特定が難しく、駆除には専門的な知識と技術が求められます。代表的な駆除方法や費用相場をお伝えします。
こちらもCHECK
バリア工法

バリア工法は、住宅の床下部分の土壌にシロアリ駆除・予防のための薬剤を満遍なく散布する施工法です。
すでに土中に侵入しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できない層(バリア層)をつくります。

薬剤散布は専用機械でおこなわれます。専用機械により薬液が土壌表面に均一に、隙間なく散布されることでシロアリの侵入を防ぐバリアとなります。
住宅によっては、すでにシロアリの侵入を許しているケースもあり、その場合は土壌に薬剤を散布する前に木材内部のシロアリを駆除する処理をおこないます。
最新の薬剤は人体や環境への安全性が高まっていますが、殺虫スプレーにも反応する化学物質過敏症の方は、バリア工法は避けた方が良いでしょう。
費用相場は以下のとおりです。
| 床面積 | バリア工法 |
| 20坪 | 99,000~166,000円 |
| 30坪 | 130,000~249,000円 |
| 40坪 | 174,000~332,000円 |
こちらもCHECK
-
-
【プロが監修】シロアリ駆除の主流、バリア工法とは?DIYとプロによる施工方法も比較
バリア工法とは、シロアリ駆除・予防方法のなかで、もっとも一般的な施工方法です。 家の床下に専用薬剤を満遍なく散布することで、土中に侵入しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できない層 ...
続きを見る
ベイト工法

ベイト工法とは、地中にベイト剤と呼ばれる毒餌を仕込み、それをシロアリに持ち帰らせることで、巣そのものの根絶を狙うシロアリ駆除の方法です。
ベイト(bait)は「餌」という意味があり、そこから名前がつけられています。
近年生まれた駆除方法の一つで、日本では平成14年4月に日本しろあり対策協会が標準の工法として定めました。
イエシロアリのコロニーは規模が大きいため、ベイト剤の効果が全体に行き渡るまで通常より時間がかかることがあります。
費用相場は以下のとおりです。
| 床面積 | ベイト工法 |
| 20坪 | 186,000~240,000円 |
| 30坪 | 279,000~360,000円 |
| 40坪 | 372,000~480,000円 |
こちらもCHECK
-
-
【プロが監修】シロアリ駆除にベイト工法はどれくらい効果があるの?DIYとの違いも解説
ベイト工法とはシロアリ駆除・予防のための施工方法の一つです。 薬剤を散布するシロアリ駆除の一般的な方法とは違い、毒餌(ベイト剤)を使うことが大きな特徴です。 本記事では、ベイト工法の仕組み、メリット・ ...
続きを見る
イエシロアリ駆除はDIYできるのか
イエシロアリは警戒心が強く、刺激を与えると、一時的に分巣全体が別の場所へ移動してしまうことがあります。
本巣を叩かない限り根本的な解決にならず、逃げ道を防ぎながら駆除を進める高度な技術が必要です。
また、巣が地中深くにあり、被害場所とは離れた場所にあることが多く特定が難しいです。行動範囲が広く、すべての経路を特定することも困難です。
確実に駆除を成功させたいのであれば、専門性の高い業者への依頼をおすすめします。
こちらもCHECK
イエシロアリの予防対策
イエシロアリ被害から住宅を守るには、寄せ付けない環境づくりが大切です。ただし、すでに侵入されている場合は予防に意味はないので、駆除を検討しましょう。
|
こちらもCHECK
群飛シーズン(6〜7月)は光を遮断する
イエシロアリの羽アリには走光性があり、光に向かって引き寄せられる習性があります。夜間はカーテンを閉めて室内の光を遮断し、玄関の外灯は消しましょう。
さらに、引き寄せてしまった場合に備えて、窓や網戸の破れを点検・修繕し、玄関や勝手口のドアの隙間もチェックしましょう。
除湿の徹底で床下の湿度を下げる
イエシロアリが好む湿度は70〜80%程度です。この数値を下回る環境を維持することで被害リスクを軽減できます。
具体的には以下が改善のポイントです。
|
床下換気口の周辺が物で塞がれていないかの確認

床下換気口は、床下の空気を入れ替えて湿気を逃がすための設備です。換気口の前に物置やプランター、エアコンの室外機などを置いていると、床下に湿気がこもりやすくなります。
換気口周辺を点検し、障害物で塞がれていないか確認しましょう。
湿気を外に飛ばすための床下換気扇の設置

床下換気扇は、床下の空気を入れ替えて湿度を下げるための設備です。自然換気だけでは湿気が十分に抜けない住宅に効果的です。複数台を組み合わせて使用するのが一般的です。
地面からの湿気を遮断するための防湿シートの敷設

防湿シートは、床下の土壌から湿気が上がってくるのを防ぐためのシートです。専用のシートを床下全面に敷き詰め、砂利やコンクリートで固定をします。
人が潜れるくらいの床下の高さがある住宅であれば、新築時に施工されていない住宅でも後から敷設可能です。
住宅基礎部分のひび割れを点検

建物の基礎部分を定期的に点検することで、シロアリの侵入経路を発見できます。ヒビの原因は乾燥による収縮、気温変化、地震による被害などさまざまです。
イエシロアリは0.5mm以上のヒビであれば侵入できるといわれており、小さなヒビでも放置せずに塞ぎましょう。
補修は、外壁塗装会社などの専門業者への依頼が確実です。応急処置として、市販されている基礎・ブロック塀用補修材を一時的に使うことも有効です。
配管周りの隙間を点検

水道管、ガス管など外壁や基礎を貫通し、住宅のなかまでつながるパイプの周辺に隙間があると、基礎のひび割れと同様にシロアリの侵入経路となります。
隙間を発見した場合は、外壁塗装会社などの専門業者に補修を依頼しましょう。
応急処置として、市販されているシーリング材を一時的に使うのも有効ですが、シーリング材と配管の相性が悪いこともあります。
とくにポリウレタン系のシーリング材は、塩ビ管を劣化させる可能性があります。配管の成分と、シーリング材の成分を調べ、問題ないかを確認しましょう。
住宅周辺の環境整備で侵入経路を断つ
シロアリは木材やセルロースを含む材料を餌とするため、建物周辺に放置されているものを片付けることで、ターゲットになりにくくなります。
注意すべき物は以下です。
|
薬液散布で床下にバリアを貼る
シロアリの侵入を防ぐ目的でもっともよく使われているのが、先ほど紹介したバリア工法です。本工法は駆除だけでなく予防に対しても非常に大きな効果があります。
住宅の床下に専用薬剤を満遍なく散布することで、土中に侵入しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できない層(バリア層)をつくり、その効果は薬剤にもよりますが、一般的には5年間続きます。
確実な予防がしたい場合は検討してください。
こちらもCHECK
イエシロアリに関するよくある質問(FAQ)
イエシロアリについてよく寄せられる質問と回答をまとめました。疑問や不安の解消にお役立てください。
イエシロアリは冬でも活動する?
イエシロアリは冬眠せず1年中活動します。
ただし、寒さには弱く、気温6°C以下では活動が大きく低下します。現代の住宅は床下温度が高いため、とくに高断熱・高気密住宅では真冬でも活動が続く可能性があります。
イエシロアリに噛まれることはある?人体への害は?
イエシロアリの兵アリは攻撃的で、人間に噛みつくこともあります。
噛まれても軽い痛みがある程度で、毒性はありません。大量に噛まれたり、体質が敏感だったりすると、発熱などの症状が出る場合があります。不安な方は医療機関を受診してください。
コンクリート住宅・べた基礎でもシロアリは侵入する?
シロアリはコンクリートをかじって穴を開けることはできませんが、コンクリートの隙間やひび割れから侵入するケースはあります。
配管貫通部、打ち継ぎ部などの0.5mm程度のひび割れから侵入される可能性があります。定期的に点検し、補修剤で塞ぐようにしましょう。
こちらもCHECK
マンションでもイエシロアリの被害は起こる?
低層階では被害が報告されています。
共用部の植栽や外壁を通じて侵入することがあり、部屋の中の木造部分に被害を受ける可能性があります。
イエシロアリはプラスチックや金属も食べる?
食べることはありませんが、木材にたどり着くためにかじることはあります。餌となる木材を片付ける、湿気を除去するなどの予防の徹底で防げます。
まとめ
イエシロアリ(学名:Coptotermes formosanus)は日本国内で2番目に被害件数が多いシロアリですが、被害の規模・スピードはもっとも深刻です。
「世界最強クラスのシロアリ」として、世界の侵略的外来種ワースト100に選定されています。
千葉県以西の温暖な海岸線沿いに主に生息していますが、温暖化と住宅の高断熱化で生息域が拡大する可能性もあります。数十万〜数百万匹の巨大な巣を形成し、半径100mにも被害が及ぶことがあります。
「水取り蟻道」を構築して水を運ぶ能力があり、乾燥した木材も侵食するため、天井や2階にも被害が及びます。6〜7月上旬の夕方〜夜に羽アリが群飛し、光に強く引き寄せられる習性があります。
副女王の存在により、女王を駆除してもコロニーが存続する可能性があります。
非常に警戒心が強く、本巣を叩かない限り根本的な解決にならないため、DIYでの駆除は非常に困難です。プロへの依頼をおすすめします。
放置すると住宅の耐震性に深刻な影響を与えます。少しでも気になる方は、無料相談をご利用ください。









