住宅に深刻な被害を与えるシロアリですが、普段生活をしていて見かけることはほとんどありません。通常、シロアリは地面や木材の中で生活しており、地表にでてくることはほとんどないからです。
しかし、新しい巣をつくるために集団で移動する際は姿をあらわすことがあります。自宅で小さな白い虫を発見した場合、もしかしたらシロアリかもしれません。
本記事では、シロアリかどうかを見分けるため、大きさについて解説します。階級についてのサイズの違いや、他の虫との見分け方も解説しますので、ぜひ参考にしてください。


このような方におすすめ
- シロアリの大きさがどの程度なのか知りたい方
- シロアリと似た大きさの虫にはどのようなものがいるか知りたい方
- シロアリの種類による大きさの違いが知りたい方
Contents
シロアリの大きさ
シロアリと一言でいっても、種類によって大きさが異なります。たとえば、日本でもっとも被害件数の多いヤマトシロアリの働きアリは体長4.5mm前後ですが、2番目に被害件数の多いイエシロアリの働きアリは一回り大きく体長5.0mm前後です。
また、シロアリは、集団のなかで役割分担をして生活する「社会性昆虫」であり、同じ種類のシロアリでも、役割が違えばまったく異なる姿になり、大きさもバラバラです。
ここではまず、種類や階級による大きさの違いについて紹介します。
種類によるシロアリの大きさの違い

日本で住宅に被害を与えるのは「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「ダイコクシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の4種類です。
それぞれ、階級ごとにサイズは異なりますが、すべての階級を含めた大きさの違いは次の通りです。
| 種類 | 大きさ |
| ヤマトシロアリ | 3.5~15.0mm |
| ダイコクシロアリ | 3.5~10.0mm |
| アメリカカンザイシロアリ | 5.0~11.0mm |
| イエシロアリ | 3.8~40.0mm |
比べてみると、おおよそではありますが、ヤマトシロアリ、ダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、イエシロアリの順番で大きいことがわかります。
イエシロアリの最大が40mmと非常に大きいのは、女王アリが他の種類と比べてとくに腹部が肥大化し、全長が大きくなることに由来します。
階級によるシロアリの大きさの違い
シロアリは、集団をつくりそのなかで役割分担をして生活する「社会性昆虫」です。同じ種類のシロアリでも、巣の中での役割によってサイズが異なります。
各階級ごとの大きさは次の通りです。

※画像はヤマトシロアリ
働きアリ(職蟻)

※画像はヤマトシロアリ
職アリは、いわゆる働きアリと呼ばれる階級で、大きさは4.5〜6.5mm程度です。餌の採集・運搬や、蟻道の構築・修理・清掃、幼虫・兵アリの世話などをおこないます。
働きアリの種類によるサイズの違いは次の通りです。
| 種類 | 職アリの大きさ |
| ヤマトシロアリ | 4.5〜6.0mm |
| イエシロアリ | 5.0〜6.0mm |
| アメリカカンザイシロアリ | 5.0〜6.0mm |
| ダイコクシロアリ | 4.5〜5.5mm |
蟻道とは、土や木くず、排泄物などによってつくられたシロアリの通り道で、外敵から身を守りながら移動するために使われます。
巣を構成するシロアリのうち90〜95%はこの職アリです。胸部背面に羽のもととなる器官「翅芽」をもつ個体はニンフと称され、将来は有翅虫(羽アリ)となります。
兵アリ

※画像はヤマトシロアリ
兵アリは外敵からの防衛を担う階級で、サイズは3.5〜11.0mm程度です。大顎は防衛に特化しており、木材をかじれません。そのため、食物は職蟻からの口移しや糞食により供給されます。
兵アリの種類によるサイズの違いは次の通りです。
| 種類 | 兵アリの大きさ |
| ヤマトシロアリ | 3.5〜6.0mm |
| イエシロアリ | 3.8〜6.5mm |
| アメリカカンザイシロアリ | 8.0〜11.0mm |
| ダイコクシロアリ | 3.5〜5.5mm |
危険を感知したときは、頭部を激しく床にぶつける「タッピング」や、自身を前後に振るわせる「揺すり行動」を通じて仲間に危険を知らせます。
兵アリは、営巣の初期段階では多く、その後は職アリが増えるにつれ、割合的には減って行きます。最終的に兵アリの割合は全体の2〜3%程度に落ち着きます。
羽アリ

※画像はヤマトシロアリ
羽アリは、学術的には「有翅虫」と呼ばれ、羽を含めた全体のサイズは7.0〜12.0mm程度です。
種類によるサイズの違いは次の通りです。
| 種類 | 羽アリの大きさ |
| ヤマトシロアリ | 7.0〜9.0mm |
| イエシロアリ | 10.0〜12.0mm |
| アメリカカンザイシロアリ | 8.0〜11.0mm |
| ダイコクシロアリ | 7.0〜10.0mm |
働きアリのなかには胸部背面に「翅芽」をもつ個体(ニンフ)が存在し、特定の時期になると羽が生えて羽アリとなります。羽アリは4〜7月頃、巣から一斉に飛び立つ「群飛」と呼ばれる行動を取ります。群飛は、新しい巣を作るための行動です。
群飛した羽アリの集団は、新天地に到着した中から1匹ずつが王アリと女王アリに変化します。その他のアリは再び働きアリとなり、新しい巣づくりがスタートします。
女王アリ
※画像はヤマトシロアリ
シロアリの女王はそれぞれの巣に必ず1匹は存在しており、その役割は卵を産んで巣のシロアリの数を増やすことです。女王アリも、種類によって見た目もサイズも大きく異なります。
女王アリの、種類によるサイズの違いは次の通りです。
| 種類 | 女王アリの大きさ |
| ヤマトシロアリ | 11.0〜15.0mm |
| イエシロアリ | 35.0〜40.0mm |
| アメリカカンザイシロアリ | 8.0〜10.0mm |
| ダイコクシロアリ | 6.0〜8.0mm |
ヤマトシロアリやイエシロアリの女王は、腹部が大きく膨らみ、アリの体にイモムシをくっつけたような見た目をしています。
ヤマトシロアリの女王は11.0〜15.0mm程度、イエシロアリの場合は35.0〜40.0mm程度まで大きくなります。
一方、アメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの女王は、他の階級とそれほど大きな見た目の違いはありません。

ヤマトシロアリやイエシロアリが毎日数十から数百の卵を産むのに対して、アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリが1日に産卵するのは数個程度です。そのため、産卵に特化した形態になる必要がなく、見た目にも他の階級と大きな違いがないと考えられています。
王アリ

※画像はヤマトシロアリ
王アリの役割は、女王と交尾をし続けることで、大きさは4.5〜7.0mm程度です。王アリの、種類によるサイズの違いは次の通りです。
| 種類 | 王アリの大きさ |
| ヤマトシロアリ | 4.5〜6.0mm |
| イエシロアリ | 5.0〜7.0mm |
| アメリカカンザイシロアリ | 5.0〜7.0mm |
| ダイコクシロアリ | 4.5〜6.0mm |
「王」という階級が存在し、女王とともに長期間生活するのは、社会的昆虫の中でも比較的珍しいです。
例えばクロアリの場合、女王アリと交尾をしたオスは通常その場で死んでしまい、女王アリは1回の交尾で生涯 一生卵を産み続けることができます。
シロアリの場合は1回の交尾では十分な卵を産めません。そのため、女王と王は常に一緒に暮らし、交尾を繰り返します。
王アリの見た目は羽アリの羽が抜け落ちた状態に近く、女王アリのように大きな変化はありません。
成長過程ごとのシロアリの大きさの違い

※画像はヤマトシロアリ
| 成長度合 | 大きさ |
| 卵 | 0.4~0.6mm |
| 幼虫 | 1.0mm程度 |
| 成虫 | 7.0〜12.0mm |
シロアリは、成長過程によっても大きさが異なります。卵は半透明の細長い楕円形をしていますが、0.4〜0.6mm程度と非常に小さく、肉眼での確認は困難です。
女王アリが生んだ卵は働きアリによって専用の部屋に運ばれ、抗生物質を含む唾液で保護されます。孵化したあと、幼虫のうちは巣の中心部に守られており、外に出ることはありません。
一般的な昆虫は幼虫からサナギを経て成虫になります。しかしシロアリは「不完全変態」と呼ばれる、サナギの姿が存在しない昆虫であるため、幼虫から直接羽アリ(成虫)になります。
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シロアリの幼虫と似ている虫
幼虫の段階では、次のような虫と大きさや色・見た目が似ています。
シロアリの幼虫と似ている虫
- ゴキブリの幼虫
- チャタテムシ
- トコジラミ(南京虫)の幼虫
ゴキブリの幼虫

ゴキブリの幼虫は、大きさ4.0mm程度で、体は白色です。触覚と足がある形状で、行動範囲が狭く、生まれた巣から数十センチ程度しか移動しません。
暗くて湿気の多い場所を好み、排水口や風呂場、キッチンなどの水回りを好んで潜伏しています。シロアリの幼虫に比べるとサイズはやや大きめで、頭部と胸部の間にくびれがない点が特徴です。
チャタテムシ

チャタテムシは大きさ1.0mm程度で、透き通った白色の虫です。触覚と足がある形状をしています。
畳や障子、古い本などを好み素早くはいまわることから、別名「本シラミ(Booklouse)」とも呼ばれています。梅雨時期など、蒸し暑い季節になると増えるのが特徴です。
シロアリの幼虫に比べると頭が小さい虫です。さらに、シロアリの幼虫は触覚が数珠状で短いのに対して、チャタテムシはまっすぐで長い触覚をもっています。
トコジラミ(南京虫)の幼虫

トコジラミの幼虫は大きさが1.0〜4.0mm程度で、白く透き通った体色、触覚と足がある形状をしています。
主な栄養源は人間の血液で、体重の3〜5倍程度の血液を摂取します。昼間はベッド・壁・床などの隙間に隠れており、夜間にはい出して吸血するのが特徴です。
シロアリが比較的縦長の形状であるのに対して、トコジラミは全体的に扁平かつ楕円形であり、胴が短くて太い形をしています。
シロアリの働きアリと似ている虫
働きアリの段階では、次のような虫と似ています。
シロアリの働きアリと似ている虫
- クロヤマアリ
- イエヒメアリ
クロヤマアリ

クロヤマアリは大きさ4.5〜6.0mm程度で、黒〜黒褐色の虫です。
日本全国で見られるごく一般的なアリで、腐った木材や隙間を好んで巣をつくります。甘い物や油っぽいものを好んで食べるのも特徴です。
シロアリは寸胴型であるのに対して、クロヤマアリにはくびれがあります。また、シロアリの触覚はまっすぐですが、クロアリは「く」の字に曲がった触覚をもっています。
イエヒメアリ

イエヒメアリは、大きさ1.0〜2.0mm程度で茶褐色の虫です。
暖かい場所を好み、住居内で肉・魚肉・チーズ・菓子などさまざまな食品を食べます。衣服に穴を開けたり、人を噛んだりすることもあります。
対策としては、餌となる食べ物を放置しない、侵入口になりそうな隙間をふさぐなどが有効です。
シロアリに比べて非常に小さく、体にはくびれがあります。また、シロアリと違い触覚が「く」の字に曲がっているのも特徴です。
シロアリの羽アリと似ている虫
羽アリの段階では、次のような虫と似ています。
シロアリの羽アリと似ている虫
- クロヤマアリの羽アリ
- クロバネキノコバエ
- ノミバエ
クロヤマアリの羽アリ

クロヤマアリの羽アリは10.0mm程度の大きさで、黒〜黒褐色の虫です。
5〜7月頃に発生し、シロアリと同じく群飛し新天地で新しい巣をつくります。シロアリと違い後ろの羽に比べて前の羽が大きい特徴があり、胴体にくびれがあります。さらに、触覚が「く」の字に曲がっている点もシロアリとの違いです。
クロバネキノコバエ

クロバネキノコバエは大きさ1.0〜2.0mm程度で、黒〜黒褐色の虫です。
観葉植物の土や腐葉土、堆肥などを好み、人を刺したり噛んだりすることはありません。
シロアリの羽アリと比べると体長は1/4程度で、頭部から目が飛び出しているのが特徴です。
ノミバエ

ノミバエは体の大きさが2.0〜4.0mm程度で、黒褐色の虫です。
主にゴミや腐敗した食品などの不衛生な場所で発生しやすく、家庭ではキッチン、トイレ、浴室、ゴミ置き場などに多く出没します。卵からふ化し、幼虫を経て成虫になるまでの期間が約2週間と非常に短い虫でもあります。
シロアリの羽アリと比べると、体長が小さい点が特徴です。
ヤマトシロアリの大きさ

ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土(北限は北海道名寄市)に生息するシロアリです。各階級ごとの大きさは次の通りです。
| ヤマトシロアリの階級 | 大きさ |
| 働きアリ(職蟻) | 4.5〜6.0mm |
| 兵アリ | 3.5〜6.0mm |
| 羽アリ | 7.0〜9.0mm |
| 女王アリ | 11.0~15.0mm |
| 王アリ | 4.5〜6.0mm |
生息範囲が広く、シロアリのなかでもっとも被害件数が多い種類でもあります。
ヤマトシロアリは兵アリの頭部がオレンジ色で、やや長く四角い形をしているのが特徴です。また、羽アリの頭部は黒と黄色で、黒色の羽をもっています。
巣内の個体数はイエシロアリよりも少なく、10,000〜30,000匹程度です。暗く湿気がある場所を好むため、床下や浴室で巣が見つかることも多くあります。
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各階級ごとの大きさは次の通りです。
| イエシロアリの階級 | 大きさ |
| 働きアリ(職蟻) | 5.0〜6.0mm |
| 兵アリ | 3.8〜6.5mmmm |
| 羽アリ | 10.0〜12.0mm |
| 女王アリ | 35.0~40.0mm |
| 王アリ | 5.0〜7.0mm |
兵アリがオレンジ色の頭部をもっている点はヤマトシロアリと似ています。ヤマトシロアリの兵アリは頭部がやや長く四角いのに対して、イエシロアリの兵アリは頭部が丸みを帯びた卵形です。
また、羽アリの頭部はこげ茶〜オレンジ色で、薄い茶色の羽をもっています。巣のサイズは大きいもので直径1メートルにおよび、個体数は100万匹に達することもあります。
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アメリカカンザイシロアリは、アメリカのワシントン州からメキシコのカリフォルニア半島にかけての太平洋沿岸地域に主に生息しているシロアリです。
日本へは家具や荷造材とともに持ち込まれ、現在は宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在しています。
各階級ごとの大きさは次の通りです。
| アメリカカンザイシロアリの階級 | 大きさ |
| 働きアリ(職蟻) | 5.0〜6.0mm |
| 兵アリ | 8.0〜11.0mm |
| 羽アリ | 8.0〜11.0mm |
| 女王アリ | 8.0〜10.0mm |
| 王アリ | 5.0〜6.0mm |
アメリカカンザイシロアリは同じカンザイシロアリの一種であるダイコクシロアリよりもやや大きめのサイズです。特徴的なのが兵アリで、色が濃く大きな頭部をもっています。羽アリは全体的に褐色で、羽はやや黒っぽい色です。
乾燥に強いことから楽器や家具も含む家中の木材に被害が広がりやすく、住居の建て直しが必要なほどのダメージを与えるケースがあります。
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ダイコクシロアリは、日本では奄美大島以南と小笠原諸島、世界では熱帯地方に生息しているシロアリです。各階級の大きさは次のとおりです。
| ダイコクシロアリの階級 | 大きさ |
| 働きアリ(職蟻) | 4.5〜5.5mm |
| 兵アリ | 3.5〜5.5mm |
| 羽アリ | 7.0〜10.0mm |
| 女王アリ | 6.0〜8.0mm |
| 王アリ | 4.5〜6.0mm |
乾燥に極めて強く、ピアノや家具などの木製品から建造物、野外の枯枝などの中に生息します。少数の個体で巣をつくることも特徴です。
ダイコクシロアリの兵アリは頭部が短く、この形が大黒頭巾に似ていることから、「ダイコクシロアリ」の和名がつけられました。
シロアリによる被害
シロアリは、木材はもちろん本や畳、新聞紙、ダンボールなども食べます。
多くの生物は、植物の細胞壁を構成する成分であるセルロースを分解できません。しかし、シロアリはセルロースを分解・吸収し栄養源にできます。
木材をかじるのは働きアリ(職蟻)で、硬く密度の高い木材より、柔らかい低密度の木材を好んで食べる傾向があります。マツ・モミ・セン・ホワイトウッド・ブナなどは、とくに被害が大きくなりやすい木材です。
被害を受けた木材は、成長が活発な時期につくられ比較的柔らかい「早材」が同心円状に食い荒らされ、年輪に対して垂直に切り出した際に現れる「まさ目」面は薄紙を重ねたような食われ方をします。

シロアリによる建物被害は深刻な問題で、シロアリの食害により断面が16%減少した木材は、圧縮強度や曲げ強度が約半分にまで低下することが実験によりわかっています。
つまり、見た目から判断できる被害よりも実際の強度低下は激しいと言えるでしょう。
実際に、1995年の阪神大震災後におこなわれた調査では、シロアリ被害があった建物の89%が全壊していることがわかっています。
参考:社団法人日本しろあり対策協会「しろあり 1995.7 No.101」
シロアリ発見時の正しい対処法
シロアリを発見した場合、誤った対処をすると被害を拡大させてしまう恐れがあります。ここでは、シロアリ発見時の正しい対処法を紹介します。
シロアリ発見時の正しい対処法
・発見場所の記録
・付近を掃除機で吸引
発生場所の記録
シロアリを発見した場合には、あわてずに発生場所を記録してください。
羽アリがどこに、どのくらいの数いるのかがわかるよう、スマートフォンで撮影しておきましょう。記録があると、専門家に駆除を依頼する際に正確な情報を伝えられます。
住宅の敷地内や室内でシロアリを目撃した場合、すでに被害が発生していると考えた方がよいでしょう。被害状況を正確に把握するためにも、状況を記録したらすぐに専門家に相談することをおすすめします。
付近を掃除機で吸引
シロアリを発見した場合、掃除機で吸ってしまうのがもっとも手っ取り早い方法です。シロアリは弱い生き物なので、掃除機で吸えばほぼ確実に死にます。
万が一生き残った場合に備えて、吸い込んだ後のゴミは袋の口をしっかりと閉めてから捨てましょう。
シロアリ発見時にやってはいけないNG行動
シロアリを発見したとき、市販の殺虫スプレーを使うことは避けてください。殺虫スプレーを使うと、周囲にいるシロアリを警戒させてしまいます。
警戒したシロアリは安全な場所に移動し、新たな被害を発生させる可能性があります。被害の範囲を拡大させてしまうこともあるため、市販の殺虫スプレーは使用を避けましょう。
また、シロアリの通り道である蟻道を見かけても、壊してはいけません。危険を察知したシロアリが、壊された蟻道を避けて別のルートを進むことで、スプレーを使用した場合と同様に被害の拡大につながります。
蟻道を見かけても、そのままの状態で専門家に駆除を依頼してください。
巣ごと根絶する方法
巣ごと根絶する方法として「ベイト工法」があります。
ベイト工法とは、地中にベイト剤と呼ばれる毒餌を仕込み、それをシロアリに持ち帰らせることで巣そのものの根絶を狙うシロアリ駆除の方法です。
ただし、ベイト工法は専門的な知識がなければ効果を出しづらく、業者への依頼がおすすめです。

今すぐできる予防
シロアリを予防するためには、床下や庭に木材などを置かないことが基本です。とくに紙は、木材から栄養源となるセルロースを抽出してつくられているため、シロアリの大好物です。放置しがちなダンボールもシロアリの餌となるため、なるべく早く処分しましょう。
シロアリは湿気の多い環境を好むため、湿度を下げるのも比較的手軽な予防法です。具体的には、次のような対策が効果的です。
ポイント
- 風呂場やキッチンなどの水回りは換気・乾燥を積極的におこなう
- 床下の通気性を高める
- 換気口や通気口の近くにものを置かない
- 押入やクローゼットは定期的に換気する
- エアコンの室外機から出る水や植物の水受け皿はこまめに清掃する
- 屋根や外壁に水漏れ・雨漏り箇所がないか定期的にチェックする
一番効果的な予防法は、駆除業者に依頼してバリア工法を施行してもらうことです。バリア工法は、家の床下にシロアリ駆除・予防のための薬剤を満遍なく散布する施工法です。
すでに土中に発生しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できないバリア層をつくります。

確実にシロアリを予防したい場合には、ぜひ検討してください。
まとめ
シロアリの大きさは、種類によって3.5〜40.0mm程度と幅があります。また、生まれた時期や階級によっては大きさにばらつきがあります。
似たサイズ感、見た目の別の虫もいるため、見分けるのが難しいと感じる方も多いでしょう。
シロアリお助け本舗では無料相談を受け付けており、シロアリの大きさや種類の特定、被害レベルの診断まで、専門の技術者が丁寧におこないます。シロアリのような虫や疑われる被害を発見したら、ぜひお問い合わせください。
早期発見・早期対策で大切な住まいをシロアリから守りましょう。









