シロアリから大切な住宅を守るためには、被害が出る前の予防が何よりも重要です。床下の換気や雨漏りのチェックなどさまざまな方法がありますが、そのなかでもっとも効果的な対策は、専門業者による予防工事です。
しかし、どんな工事内容でいくらかかるのかなどの情報は業者ごとにバラバラに発信されていて、具体的に何をすればよいのか迷ってしまう方も少なくありません。
本記事では、シロアリ予防工事の基礎知識から施工方法の種類、費用の相場、そして工事をすべき最適なタイミングまでをまとめて解説します。


こんな方におすすめ
- シロアリ予防工事の費用相場や具体的な作業内容を知りたい方
- 新築から5年以上経過し、シロアリ対策が必要か知りたい方
- DIYで安く済ませたいが、リスクや効果が気になる方
Contents
シロアリ予防工事とは?
自宅にとって最適なシロアリ予防工事を選ぶには、正しい知識を身につけることが重要です。ここでは、そもそもシロアリ予防工事とは何なのか、駆除工事との違いや法的な位置づけについて解説します。
シロアリ予防工事の定義と法的義務
シロアリ予防工事とは、まだシロアリ被害がないタイミングでおこなう、シロアリの発生を未然に防ぐための工事です。一般的には、前回の予防工事から保証期間が切れたタイミングで実施することが推奨されています。
新築の木造住宅の場合、法律によりシロアリ予防のための措置が義務づけられています。
参考
(外壁内部等の防腐措置等)
第四十九条 2
構造耐力上主要な部分である柱、筋かい及び土台のうち、地面から一メートル以内の部分には、有効な防腐措置を講ずるとともに、必要に応じて、しろありその他の虫による害を防ぐための措置を講じなければならない。
出典:e-Gov法令検索|建築基準法施行令(最終閲覧日:2025年11月12日)
さらに、日本では「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)」に基づき、新築住宅の構造耐力上主要な部分について、引き渡しから10年間の保証(瑕疵担保責任)が義務付けられています。この期間内であればシロアリ被害も保証の対象となるのが一般的です。
ハウスメーカーによっては独自の長期保証制度を設けているため、保証期間が切れるタイミングにあわせて再施工を検討しましょう。
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シロアリ予防工事と駆除工事の違い
予防工事が「まだシロアリが発生していない状態でおこなう工事」なのに対し、駆除工事は「すでにシロアリが発生している場合におこなう工事」です。
もし、次のような症状がある場合は、すでにシロアリが侵入している可能性が高いため、予防ではなく「駆除」による早急な対応が必要です。
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駆除工事では被害箇所を特定し、薬剤や設置型の毒餌を用いてシロアリを駆除・排除します。被害が広がる前に対処することで、修繕費用を抑えることも可能です。
シロアリ予防工事が必要な理由
シロアリ予防工事の必要性を正しく理解するために、まずはシロアリ被害の実態を把握しましょう。
現在の日本国内の住宅環境では、予防工事を実施しなければシロアリ被害にあう確率は高いです。ここでは、シロアリ被害の発生割合や気候変動による影響を解説します。
日本におけるシロアリ被害の発生率

2013年に実施された国土交通省補助事業の大規模調査「シロアリ被害実態調査報告書」によると、全国5,322軒の住宅のうち1,004軒(18.9%)の床下でシロアリ被害の発生が確認されました。

また、木造住宅でシロアリ被害にあう確率は、築15〜19年で29.3%まで上昇。以降は、築20〜24年で38.4%、築25〜29年で37.4%と、高い割合で推移しています。つまり、築15年を経過した頃から、シロアリ被害にあう確率が高まるのです。
築年数が経過した木造住宅にお住まいの方は、大切な住宅を守るためにもシロアリ予防工事を検討することをおすすめします。
気候変動による予防工事の重要性増大
気候変動もシロアリ被害のリスクを高める要因となっています。気象庁の発表によると、日本の年平均気温は過去30年で1.48℃上昇しました。
参考
気象庁|日本の年平均気温(https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html)
シロアリは基本的に高温多湿を好むため、気温の上昇は活動エリアの拡大や期間の長期化につながります。
シロアリ種類別の活発化温度
| 種類 | 活発化する気温 |
| ヤマトシロアリ | 25℃〜30℃ |
| イエシロアリ | 30℃〜35℃ |
| アメリカカンザイシロアリ | 30℃〜35℃ |
| ダイコクシロアリ | 25℃〜35℃ |
加えて、現代の住宅は高気密・高断熱化が進んでおり、冬場でも床下が暖かく保たれるようになりました。これにより、シロアリにとって一年中活動しやすい環境が整ってしまっているのです。
ベタ基礎でも安心できない

「ベタ基礎なら安心」というのは大きな誤解です。
ベタ基礎とは、床下の地面全体に鉄筋コンクリートを流し込んでつくる基礎のこと。地面をコンクリートで覆うため、シロアリの侵入を防ぎやすい構造だと考えられてきました。
しかし、2025年に当サイト「シロアリお助け本舗」が実施した調査では、ベタ基礎の被害発生率は布基礎の約2倍という結果が出ています。

| 【調査概要】
調査対象:全国のシロアリ駆除・予防を業者に依頼した経験のある方 |
実際に、配管の隙間やコンクリートのわずかなひび割れなどから侵入されるケースが後を絶ちません。この結果からもわかるように、ベタ基礎だから大丈夫だと過信して予防工事をしないのは危険です。
シロアリ被害による影響
シロアリ被害にあってしまった場合、建物には深刻な悪影響が及びます。どのような問題が起きるのか、建物の耐久性への影響と、それに伴う経済的な負担(修繕費用)について解説します。
建物の耐久度低下をもたらす

侵食された住宅の木材の強度は著しく低下します。
実大材を用いた強度試験では、断面がわずか16%減少しただけで、圧縮強度と曲げ強度が約半分になったというデータもあります。見た目以上に強度が失われているケースが多く、これが住宅全体の耐震性低下に直結するのです。
実際、1995年の阪神淡路大震災では、全壊した住宅の多くでシロアリ被害や腐朽が確認されました。また、2016年の熊本地震においても、倒壊原因のひとつとしてシロアリ被害が指摘されています。
修繕・リフォーム費用がかかる
シロアリ被害により、住宅の建て替えに至るケースはまれです。しかし、多くの場合は被害箇所の補修・補強が必要になります。
修繕・リフォームにかかる費用は被害内容によって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。
| 補修場所(1カ所あたり) | 相場 |
| 床下の補強(腐食した木材の交換など) | 20~50万円程度 |
| 柱の補強 | 10~50万円程度 |
| 床材の張り替え | 100〜200万円程度 |
| 柱の交換 | 100〜200万円程度 |
| 建物基礎部分の補強 | 200万円以上 |
| 屋根や梁の修繕 | 200万円以上 |
シロアリ被害が比較的軽微な段階で対処できれば、大規模な修繕やリフォームは不要となり、結果的に費用の総額を抑えられます。
シロアリ予防工事で被害を抑える
シロアリ被害が出てから対処するのではなく、未然に防ぐことが何よりも重要です。
シロアリ被害は床下や壁内など、目に見えない場所で静かに進行します。そのため、居住者がシロアリ被害に気づいたときには大規模なリフォームが必要になるケースも珍しくありません。
予防工事にも費用がかかりますが、将来的な修繕リスクを回避できれば、結果としてトータルの支出を安く抑えられます。
まずは専門業者による無料調査を活用し、自宅の状況を把握することから始めましょう。


シロアリ予防工事の種類と施工内容|土壌処理
シロアリ予防工事は、大きく「土壌処理」と「木部処理」に分けられます。なかでも土壌処理は、地中から侵入するシロアリに効く予防方法です。
日本におけるシロアリ被害の97〜98%は、「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」によるものといわれています。これら2種類のシロアリは地中を移動して住宅へ侵入するため、土壌への対策が効果的です。

| ヤマトシロアリ | イエシロアリ | |
| 見た目 職アリ(働きアリ) |
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| 見た目 羽アリ |
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| 分布 | 北海道北部をのぞく、日本全土(北限は北海道名寄市) | 千葉県以西の海岸線に沿った温暖な地域と小笠原諸島 |
| 体長 | 4.5〜7.5mm | 7.4〜9.4mm |
| 巣の中の個体数 | 2~3万匹 | 50~100万匹 |
| 特徴 | ・生息範囲が広く、シロアリの中でもっとも被害件数が多い種類 ・巣内の個体数はイエシロアリよりも少なく、10,000~30,000匹程度 ・暗く湿気がある場所を好むため、床下や浴室で巣が見つかることが多い |
・世界のシロアリの内でももっとも被害をもたらす種類で、「世界の侵略的外来種ワースト100」に選ばれている ・巣のサイズは大きいもので直径1mにおよび、個体数は100万匹に達することもある |
土壌処理の施工方法は、大きく分けて次の4種類です。
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一つずつ見ていきましょう。
液剤・粒剤による土壌処理法

「液剤・粒剤による土壌処理法」は、シロアリ予防工事のなかでも基本的な工法のひとつです。床下の土壌に薬剤を散布・設置することで、地中からのシロアリ侵入を未然に防ぎます。
液剤・粒剤による土壌処理法の工事手順
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まず、事前調査にて床下の状況確認と施工面積の測定をおこない、施工計画書を作成します。
もし床下点検口がない場合は、この時点で新設工事が必要です。また、点検口があっても床下が基礎で区切られている場合、新しい点検口が必要なケースもあります。点検口の設置費用は1箇所あたり15,000円から45,000円が相場です。
次に、施工箇所の清掃や整地作業をおこない、薬剤を散布します。使用する薬剤によって、施工の手順は異なり、それぞれの特性に合わせた散布が必要です。
液剤の場合は、水で希釈して使用するのが一般的です。散布量の目安は1㎡あたり3Lほど。専用の器具を使い、均一に散布していきます。
一方、粒剤の場合は希釈せずにそのまま使用できるのが特徴です。1㎡あたり800g〜1kgほどを散布し、板切れやコテなどで表面を平らにならして仕上げます。
なお、薬剤が土壌に定着するまで、おおよそ2日(48時間)かかります。その間は、床下への立ち入りは控えてください。
土壌表面皮膜形成工法

住宅の床下の土壌表面に特殊な薬剤を吹き付け、防蟻効果のある皮膜を形成する工法です。
薬剤が土壌表面で固まることで物理的なバリアを形成し、シロアリの侵入を阻止します。さらに、土壌からの湿気の上昇も防ぐため、シロアリが苦手な乾燥した環境を保てるのが特徴です。
土壌表面皮膜形成工法の工事手順
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まず、床下の状況確認と施工面積の測定をおこない、施工計画書を作成します。次に、施工箇所の清掃や整地作業をおこない、石や突起物などの皮膜形成を妨げるものを取り除きます。
準備が整い次第、防蟻剤を含むポリマー(樹脂)と硬化剤を混合させ、専用の吹付装置に充填。その薬剤を土壌面に散布して皮膜をつくります。
散布後、皮膜が完全に硬化するまで24〜48時間ほどかかります。その間は、床下への立ち入りを控えてください。一般的には、5年間の保証が付くケースが多いです。
発泡施工法

発泡施工法とは、専用の装置で薬剤を泡状にし、床下空間全体に充満させる工法です。泡が消えていく過程で、有効成分が土壌や木部の深くまで浸透します。
床下高が40cm未満など、人が入れない狭い場所でも施工できる点が大きな特徴です。泡の膨張力を利用するため、複雑な構造の床下でも薬剤を行き渡らせられます。
発泡施工法の工事手順
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まず、床下空間の容積を算出し、必要な薬剤量を決定します。次に、専用の発泡機を設置してタンクに薬剤を充填します。
準備が整い次第、泡状の薬剤を床下へ注入。床下全体が泡で充満するまで作業を継続します。充満した泡は、2〜4時間ほどで自然に消滅するため、特別な除去作業は必要ありません。
土壌表面シート敷設工法

床下全面に、シロアリが嫌がる成分(忌避剤)を練り込んだ防蟻シートを敷き詰める工法です。シートそのものが物理的な壁となり、地中から侵入するヤマトシロアリやイエシロアリを阻止します。
また、地面からの湿気上昇を遮断できるのも大きな特徴です。シロアリが好む多湿な環境をつくらせないため、長期的な予防効果も期待できます。
土壌表面シート敷設工法の工事手順
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事前調査と整地作業をおこない、施工計画書通りに防蟻シートを敷設。シート同士の継ぎ手は10cm程度重ね合わせ、シートと布基礎の間は2cm以内の隙間にとどめます。
なお、気温が低くテープの粘着力が低下している場合は、トーチランプなどで補完しながら作業をおこないます。
シロアリ予防工事の種類と施工内容|木部処理
木部処理とは、建物の柱や土台といった木材に直接薬剤を染み込ませる方法を指します。土壌処理では防ぎきれないアメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリの対策として有効です。
| アメリカカンザイシロアリ | ダイコクシロアリ | |
| 見た目 職アリ(働きアリ) |
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| 見た目 羽アリ |
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| 分布 | 宮城県仙台市から沖縄本島までの多くの都府県に点在 | 奄美大島以南と小笠原諸島 |
| 体長 | 6〜8mm | 5〜6mm |
| 巣の中の個体数 | 数百~数千匹 | 数百~数千匹 |
| 特徴 | ・アメリカのワシントン州からメキシコのカリフォルニア半島にかけての太平洋沿岸地域に主に生息 ・日本へは家具や荷造材などとともにもち込まれた ・屋内の乾燥材へ拡がり、住宅の建て直しが必要なほどの被害を与えるケースもある |
・乾燥に極めて強く、ピアノや家具のような木製品から建造物、野外の枯枝などの中に生息する ・少数の個体から巣がつくられることから、世界の熱帯地方に拡がった ・和名は、兵蟻の頭部が大黒頭巾に似ていることに由来する |
木部処理の施工方法は、大きく分けて次の2種類です。
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一つずつ見ていきましょう。
吹付処理法・塗布処理法

吹付処理と塗布処理は、どちらも木材の表面に薬剤を処理する工法です。日本の主要なシロアリ4種類のすべてに対し、予防効果を発揮します。
2つの工法の違いは、薬剤の施工方法のみです。専用の吹付器を使って薬剤を霧状に散布するのが「吹付処理」、ハケやブラシなどを用いて塗り込むのが「塗布処理」となります。
吹付処理は、一度の散布で木材への浸透量を確保しやすい点がメリットです。一方で、周囲への飛散による薬剤ロスが生じやすい側面もあります。
塗布処理は、薬剤のロスを抑えられる点が特徴です。しかし、一度に木材に浸透する量が限られるため、十分な量を染み込ませるには重ね塗りが必要となります。
実際のシロアリ駆除・予防工事の現場では、作業効率や浸透性の高さから、吹付処理が採用されるケースが多いです。
吹付処理法・塗布処理法の工事手順
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薬剤をできる限り木材に吸収させるため、吹付や塗布は2回に分けておこないます。
ただし、木材の含水率によっては1回の薬剤処理で十分な量が浸透する場合もあるため、状況に応じて回数を調整します。
また、雨水がかかる場所には水で流れないよう油溶性の薬剤を選定するなど、環境に合わせた薬剤選定も重要です。
とくに以下の箇所はシロアリの標的となりやすいので注意が必要です。
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こうした箇所は塗り残しが生じやすいため、専門業者が入念に施工していきます。
穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法

穿孔注入処理法とは、適切な太さのドリルで木材の直径半分以上の深さまで穴をあけ、薬剤を注入する工法です。
床下土台などの隠れた場所では直径9mm程度、玄関枠や柱などの目立つ場所では直径6mm〜9mm程度、またモルタル仕上げなどの壁面には直径3mm〜6mm程度の穴をあけて施工します。
日本の主要なシロアリ4種類のすべてに効果を発揮し、すでにシロアリ被害にあっている木材や壁面に対して有効です。
使用する薬剤は、基本的に床下散布用と同じものを希釈して使います。注入量はシロアリ被害の進行度合いによって異なり、被害が深いほど多く、浅ければ少なく済むのが特徴です。
注入方法には「加圧するタイプ」と「圧力を加えないタイプ」があり、加圧するほうが木材の深くまで薬剤を行き渡らせることができます。
穿孔注入処理法・穿孔吹付処理法の工事手順
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住宅の強度維持や漏水防止のため、穿孔の箇所・深さ・数については建築士や工務店と協議して施工計画書を作成します。
住宅の構造への影響がないことを確認したうえで、専用の機材を用いて慎重に穴をあけ、薬剤を注入・散布していきます。なお、吹付量の目安は1㎡あたり300mLが標準です。
処理後は、美観を損なわないよう、あけた穴に栓をして目立たなく仕上げます。
シロアリ予防工事の主流バリア工法とは

バリア工法は、シロアリ駆除・予防においてもっとも一般的で歴史のある施工方法です。
具体的には、ここまで解説した「土壌処理」と「木部処理」を組み合わせ、住宅全体をシロアリから守る「バリア層」をつくります。

バリア工法の工事工程
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手順1. 事前調査をおこない、施工計画書を作成する
工事を始める前に、まずは住宅の現状や被害状況を正確に把握するための事前調査を実施します。
主な調査項目は、以下の通りです。
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これらの情報を総合的に判断し、具体的な施工内容を決定していきます。
手順2. 床下作業のための準備をおこなう

作業中に壁や床が汚れたり傷ついたりするのを防ぐため、玄関から床下点検口までの通路には専用の養生シートを敷きます。

さらに、床下への入口周辺にはビニール養生も施し、ホコリや薬剤の臭いが室内に漏れ出すのを防ぎます。
手順3. 木材部分への薬剤散布

事前調査で住宅の基礎部分に使われている木材にシロアリ被害が確認された場合は、状況に合わせた木部処理が必要です。
木材の表面に薬剤を吹き付ける吹付処理法や、ドリルで穴をあけて注入する穿孔注入処理法など、被害状況に応じた適切な方法で施工します。
手順4. 土壌全体への薬剤散布
専用の機材を使い、床下の土壌全体に薬剤が満遍なく染み渡るよう散布します。散布ムラはシロアリの侵入を許す原因となるため、塗り残しがないよう慎重に作業を進めます。
また、基礎の「立ち上がり(コンクリートの垂直部分)」の根元まで、しっかりと薬剤を散布することも重要です。
薬剤散布の使用量は種類によって異なりますが、一般的には1㎡あたり3Lと規定されています。
手順5. 床下以外の場所への薬剤注入

玄関や勝手口、土間など、床下空間が存在しない場所(スラブ下など)からの侵入リスクがある場合は、該当箇所への薬剤注入が必要です。
具体的な方法は場所ごとに異なりますが、ドリルで小さな穴をあけ、薬剤を注入する手法が多く採用されています。
なお、施工であけた穴については、作業後に塞いで目立たなくする処理までおこないます。
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シロアリ予防工事の費用相場と内訳
シロアリ予防工事の費用は、主に「施工面積(坪数・平米数)」と「工法の種類」によって変動します。
ここでは、それぞれの工法ごとの費用相場と、内訳について詳しく見ていきましょう。
土壌処理の費用相場
シロアリ予防工事を検討する際にもっとも気になる土壌処理の一般的な相場について解説します。
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液剤・粒剤による土壌処理法
液剤・粒剤による土壌処理法の費用は床面積によって変わり、以下の式で求められます。
| (床面積㎡)×(1㎡あたりの単価)=(施工費用) |
1㎡あたりの単価は駆除業者ごとに定められていますが、平均単価は1,000円〜3,000円です。また、一般的な住宅の床面積の相場は、以下の通りです。
| 床面積 | 費用相場 |
| 20坪 | 99,000~166,000円 |
| 30坪 | 130,000~249,000円 |
| 40坪 | 174,000~332,000円 |
なお、住宅の構造や形状によっても費用は増減するので、上記相場は目安としてお考えください。
土壌表面皮膜形成工法
土壌表面皮膜形成工法は、特殊な機材と技術を要するため、対応できる業者は限られています。一般的な薬剤散布と比べて工数もかかることから、費用相場は高めの傾向です。
| 【費用の目安】5,000円〜15,000円/㎡ |
発泡施工法
発泡施工法は、専用の発泡機などの設備が必要となるため、施工できる業者は一部に限られます。費用相場も、少し割高になるケースが多いです。
| 【費用の目安】2,000円〜3,000円/㎡ |
土壌表面シート敷設工法
土壌表面シート敷設工法を取り扱っている業者はまだ多くありません。使用する防蟻シートの素材や品質によって、単価の幅が大きく変わるのが特徴です。
| 【費用の目安】3,000円〜6,000円/㎡ |
木部処理の費用相場
ここでは、木部処理の各工法の費用相場を紹介します。
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これらの工法は、一般的には単体でおこなわれることはありません。
いずれの場合も、バリア工法施工時にセットでおこなわれます。そのため、施工費用は1カ所あたりで計算せず、バリア工法と同じように平米単価で計算されることが一般的です。
一般的な住宅の床面積の相場は、以下の通りです。
| 床面積 | 施工費用 |
| 20坪 | 99,000~166,000円 |
| 30坪 | 130,000~249,000円 |
| 40坪 | 174,000~332,000円 |
一部箇所及び躯体構造によっては価格変動の可能性はありますが、1㎡あたりの平均単価は1,000円〜3,000円ほどとなります。
バリア工法の費用相場
バリア工法の施工費用は1階の床面積によって変わり、以下の式で求められます。
| (床面積㎡)×(1㎡あたりの単価)=(バリア工法の施工費用) |
1㎡あたりの単価は駆除業者ごとに定められていますが、平均単価は1000円〜3000円です。一般的な住宅の床面積の相場は、以下の通りです。
| 床面積 | バリア工法費用 |
| 20坪 | 99,000~166,000円 |
| 30坪 | 130,000~249,000円 |
| 40坪 | 174,000~332,000円 |
なお、住宅の構造や形状によっても費用は増減するので、上記相場は目安としてお考えください。
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シロアリ予防工事の最適なタイミング
シロアリ予防工事の最適なタイミングは、大きく分けて次の2つです。
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それぞれのケースについて解説します。
新築建設時
先述の通り、新築建設時のシロアリ予防工事は、建築基準法施行令第49条第2項により義務付けられています。
ただし、具体的な工事内容までは指定がないため、ハウスメーカーや工務店の説明を聞き、不安であれば追加工事を検討しましょう。
ハウスメーカーによってはシロアリ被害に関して独自の保証制度があるため、その内容も確認しておくと安心です。
また施工前であれば、追加料金を支払うことで施工主が予防工事を実施してくれる場合があります。施工後であれば、ご自身でシロアリ駆除業者に依頼しましょう。


前回のシロアリ駆除・予防工事の効果が切れるタイミング
シロアリ予防工事の効果は永続しないため、定期的な再施工が必要です。予防工事の有効期間(保証期間)は「5年間」が一般的です。
これは、公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する薬剤の有効期間に基づいて設定されています。技術的には5年以上持続する薬剤も調合可能です。しかし、安全性や環境への配慮から、効果期間を限定した薬剤が推奨されています。
保証が切れるタイミングは、シロアリ被害のリスクが高まる時期です。効果が切れる前に、再施工を検討することをおすすめします。
よくある質問とシロアリ駆除業者による回答
シロアリ予防工事をDIYすることは可能ですか?
結論からお伝えすると、DIYでのシロアリ予防はおすすめできません。
その理由は主に以下の3点です。
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失敗して被害が拡大すれば、高額なリフォーム費用が発生する可能性もあります。安全かつ確実に予防するためにも、専門業者への依頼がもっとも経済的で安心な選択肢です。
ペットや小さな子どもへの影響はあるか?
公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する薬剤であれば、安全性が高いため、基本的に健康への影響を心配する必要はありません。
ただし、次のケースに当てはまる方は注意が必要です。
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不安な場合は、事前に施工会社へ「SDS(安全データシート)」の提示を求め、成分の安全性を確認しましょう。
まとめ
新築購入時や前回の予防工事から5年が経過している場合は、シロアリ予防工事の施工を検討すべきタイミングです。
なかでも本記事で紹介した「バリア工法」は、土壌と木部の両面から薬剤のバリアを張り、シロアリの侵入を防ぎます。
予防工事費用だけを見ると高く感じるかもしれませんが、シロアリ被害によるリフォームや建て替えが必要になるリスクを考えればトータルコストを安く抑えられます。
まずは専門業者による無料診断を受け、自宅の現状を正しく把握し、見積もりの確認から始めましょう。





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