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「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。 |
ベイト工法は薬剤を散布しない安全性の高いシロアリ駆除工法として注目されていますが、料金体系が複雑で、業者による価格差が大きいのが現状です。
「ベイト工法って実際いくらかかるの?」「他の工法と比べて高いの?」「追加費用が発生しないか心配...」といった不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ベイト工法の料金相場から費用内訳、安く抑える方法まで解説します。


このような方におすすめ
- ベイト工法の料金相場を知りたい方
- ベイト工法の料金に含まれる内訳を知りたい方
- 納得してベイト工法の実施に踏み切りたい方
Contents
【最新】ベイト工法の料金相場
ベイト工法の料金はシロアリ駆除業者によって異なります。適正価格での契約には相場を知ることが重要です。料金体系の仕組みと坪数別の具体的な費用を解説します。
料金体系
通常のシロアリ駆除が床面積で算出されるのに対し、ベイト工法の料金は、建物の外周長(メートル)で計算されるのが一般的です。
さらに、ベイト工法は最初にかかる「設置費用」と継続的にかかる「メンテナンス費用」があります。相場は以下です。
| 設置費用 | 3,000円〜5,000円/m |
| メンテナンス費用(年一回) | 1500円〜2,000円/m |
メンテナンス費用はシロアリ被害によって変動することもあります。
坪数別の料金シミュレーション
実際の住宅での費用例は以下です。
| 坪数 | 設置費用 | メンテナンス費用(年一回) |
| 20坪(外周30mの場合) | 90,000~150,000円 | 45,000円 |
| 30坪(外周40mの場合) | 120,000~200,000円 | 60,000円 |
| 40坪(外周50mの場合) | 150,000~250,000円 | 75,000円 |
建物外周の長さは一般的な住宅では、(坪数)×(1.2~1.5)程度が目安となります。
支払いのタイミングは業者によって異なり、1ヶ月ごとに支払うところもあれば、1年ごと、5年ごとのところもあります。
ベイト工法の設置費用・メンテナンス費用内訳
以下は設置費用に含まれる項目です。ベイト剤(毒餌)の設置に必要な作業代はすべて含まれます。
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以下はメンテナンス費用に含まれる項目です。経過観察の作業代や補充する薬剤の費用などが含まれます。
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追加費用が発生するケース
標準的な工事費用以外に、現場の状況や特殊な条件により追加料金が必要となる場合があります。
コンクリートコア抜き工事

駐車場や玄関前など、敷地の一部がコンクリートで覆われている場合、コンクリートに穴をあける工事が必要です。そのぶん一箇所ごとに追加の工事費用がかかります。
| 工事費用(1箇所) | 15,000円〜18,000円 |
シロアリ被害にあった箇所の修繕
深刻なシロアリの被害が見つかった場合、部材ごと替える、補強するなどの提案を駆除業者からされることもあります。
被害箇所を放置したままシロアリ駆除を進めることも可能ですが、住宅強度を保つために一刻も早い修繕をおすすめします。修繕は他の業者に任せて、シロアリ駆除だけお願いすることも可能です。
ベイト工法とは|仕組みから作業手順まで解説
ベイト工法の仕組みや作業手順を知ることで、依頼料の妥当性を判断できます。
住宅外周の長さによって設置費用が変わる理由やメンテナンス費用が必要な理由など、公益社団法人日本シロアリ対策協会が発行する「防除施工標準仕様書」の内容をベースに解説します。
ベイト工法の仕組み

ベイト工法とは、地中にベイト剤と呼ばれる毒餌を仕込み、それをシロアリに持ち帰らせることで、巣そのものの根絶を狙うシロアリ駆除・予防の方法です。
ベイト(bait)は「餌」という意味があり、そこから名前がつけられています。近年生まれた駆除方法の一つで、日本では平成14年4月に日本シロアリ対策協会により標準の工法として定められました。
ベイト工法に使う道具
ベイト工法に必要なのは主に以下の3種類です。
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ベイト剤・・・殺虫成分を混ぜた毒餌のこと。シロアリに持ち帰ってもらうため、殺虫剤と違って遅効性の毒が使われています。シロアリにとっては毒でも、人間にとってはほとんど無害な成分です。
容器(ステーション)・・・ベイト剤や餌木を入れて、地中に埋めて使います。シロアリが侵入しやすいよう、全体に適度な隙間があります。
餌木・・・シロアリの餌となる木材のこと。シロアリをおびき寄せるために使います。
ベイト工法の作業手順
手順1)事前調査をおこない、施工計画書を作成する
以下、具体的な調査項目の一例です。
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手順2)餌を入れた容器の設置場所選定と設置
建築物の周囲を取り囲むように、餌木の入った容器を配置します。
基本的な設置間隔は事前調査の結果や使う薬剤の種類によって決まりますが、シロアリの活動しやすい場所(水周り、日当たりの悪い場所など)にはベイト剤を多めに設置します。それによって、食いつくまでにかかる時間をできるだけ短くするのです。
手順3)定期的に点検をおこない、容器内のシロアリの様子を確認する
容器の設置からシロアリが餌に食いつくまでにかかる時間は、場所ごとに異なり1~2ヶ月が目安です。
シロアリ駆除業者は、仕掛けた餌木にシロアリが食いついているか、容器の中身を1ヶ月に1回程度の頻度で確認します。
もし、半年以上経ってもシロアリが食いつかない場合、設置場所の見直しや餌木の変更をおこないます。

手順4)ベイト剤を投与する
容器内にシロアリが発生していれば、ベイト剤を投与します。餌木に集まっているシロアリを脅かさないよう、慎重に作業を進めます。
手順5)定期点検・ベイト剤補充
ベイト剤挿入後は、半年〜1年に一回ペースで状況確認をおこない、必要に応じて補充をおこないます。
ベイト剤が食べられ、なくなってから1年ほど経ってもシロアリが発生しなければ、周辺の巣が根絶されたサインです。
容器を回収し、空いた穴を塞ぐなど現状復帰をおこなって、駆除完了となります。
ベイト工法に定期的な点検が必要な理由
ベイト工法は、ベイト剤にシロアリが食いついているかを確認し、場合によっては設置場所を変えるなどの修正が必要です。
また、ベイト剤にカビが生えていないか、他の生き物が住み着いていないか、容器は劣化していないかなども合わせて確認します。
点検を怠るとベイト剤が最大限の効果を発揮できず、せっかく施工しても効果半減や、駆除成功にかかる時間が増えるなどのリスクがあるのです。
ベイト工法のメリット・デメリット
シロアリ駆除工事の主流は「バリア工法」と呼ばれ、家の床下部分の土壌にシロアリ駆除・予防のための薬剤を満遍なく散布する施工法です。
すでに土中に侵入しているシロアリを駆除すると同時に、新しいシロアリが侵入できない層(バリア層)をつくります。

ベイト工法と比べて約9倍の施工件数があります。

(ROY株式会社 過去実績より作成)
バリア工法と比べて、ベイト工法にはどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。ベイト工法についてさらに詳細が知りたい方は下記も合わせてご覧ください。
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ベイト工法のメリット
ベイト工法のメリット
- 人やペットの健康への影響が少ない
- ニオイがしない
- 床下のホコリが住宅の中に入ってこない
- 室内工事が不要で、普段どおり生活できる
人やペットの健康への影響が少ない
ベイト工法に使われる薬剤は、脱皮阻害剤(IGR剤)※と呼ばれるもので、昆虫の脱皮を妨げる効果があります。接種した昆虫は新しい外骨格をうまく形成できず、その結果、死に至るという仕組みです。
人やその他哺乳類など脱皮をしない生物への影響は極めて少なく、妊婦、赤ちゃん、ご高齢の方などの免疫力の低い人や、アレルギー体質、シックハウス症候群、化学物質過敏症の方でも気兼ねなく活用できます。
※脱皮阻害剤(IGR剤):昆虫成長制御剤とも呼ばれ、昆虫の成長過程に作用する薬剤
ニオイがしない
ベイト剤に使われる薬剤成分(クロルフルアズロン、ビストリフルロン、ノバフルムロン)は、いずれも無臭です。また、どの薬剤も揮発性が非常に低いため、土の中に埋めた容器から、地上まで成分が飛散することもありません。
床下のホコリが住宅の中に入ってこない
バリア工法の場合、薬剤を床下に散布する都合上、床下と住宅の中とを行き来する必要があります。シロアリ駆除業者は、床下への入口周辺をビニールで囲み、ホコリ、薬剤、臭いが室内に侵入しないよう作業をおこないます。

しかし、いくら対策されていても、アレルギー体質やシックハウス症候群の場合、体調に影響がある可能性もゼロではありません。
ベイト工法であれば、床下への行き来は不要で、駆除業者が住宅の中に入ることはありません。そのため、床下からホコリ、カビ、臭いなどが上がる心配もないのです。
室内工事が不要で、普段どおり生活できる
バリア工法の場合、住宅の構造によっては穴をあけて薬剤を注入するケースもあります。
たとえば、玄関や勝手口でドア枠の木材がコンクリートやタイル面に埋まっている場合、木材の根元に穴をあけ、薬剤を注入することが必要です。
ベイト工法の場合、住宅の中での工事は不要で、住宅のものには一切触れずに工事を終えられます。
ベイト工法のデメリット
ベイト工法のデメリット
- 効果が出るまでに時間がかかる
- バリア工法と比較して費用が高い
- 最低でも年1回の定期点検が必要
- 敷地が狭いと施工が難しい
効果が表れるまでに時間がかかる
ベイト工法は「シロアリがベイト剤を発見」「巣内にベイト剤がいきわたる」「薬剤の効果でシロアリが死ぬ」とそれぞれの工程に時間がかかります。
とくに最初の「シロアリがベイト剤を発見」に時間のかかるケースが多く、最低でも1~2ヶ月、場合によっては数ヶ月から半年程度が必要です。
一方でバリア工法の場合は、床下への薬剤散布が終わるとその日からシロアリの侵入を防げるようになります。一刻も早くシロアリ被害に対処したい場合、ベイト工法はおすすめできません。
バリア工法と比較して費用が高い
費用の算出方法は工法ごとに変わり、明確な比較は難しいですが、ベイト工法はもっとも施工数の多いバリア工法と比べて割高な傾向があります。
| 床面積 | ベイト工法 | バリア工法 |
| 20坪(外周30mの場合) | 290,000~350,000円 | 99,000~166,000円 |
| 30坪(外周40mの場合) | 360,000~440,000円 | 130,000~249,000円 |
| 40坪(外周50mの場合) | 450,000~550,000円 | 174,000~332,000円 |
設置費用だけ見ると同じくらいですが、ベイト工法の場合毎年メンテナンスが必要で、そのぶん費用総額が増える仕組みです。
最低でも年1回の定期点検が必要
ベイト工法は一度の施工で終わらず、経過観察が必要な施工方法です。施工開始直後はベイト剤にシロアリが食いついているかを定期的に確認し、シロアリが食いついてからはベイト剤の残量確認と補充が必要です。
一度施工すると5年間追加メンテナンスなしでも効果が持続するバリア工法に対して、ベイト工法は手間のかかる工法と言えます。
敷地が狭いと施工が難しい
ベイト工法は、建物の周りを取り囲むように専用容器を埋める必要があり、「庭がない」「道路ギリギリに建てられている」などの理由で、容器を埋めるスペースがない場合の施工は難しいです。
また、敷地全体がコンクリートで覆われている場合、コンクリートに穴をあける工事が必要となり、そのぶん一箇所ごとに追加の工事費用がかかります。
| 工事費用(1箇所) | 15,000円〜18,000円 |
ベイト工法の料金を安く抑える3つの方法
ベイト工法はバリア工法と比べて費用が高くつきがちですが、工夫次第で抑えることもできます。具体的な費用削減方法を3つ紹介します。
長期契約による割引制度の活用
シロアリ駆除業者によっては、「5年保証」などの名前で一定期間ぶんの金額を一括で支払うプランを用意しています。初期費用は上がりますが、メンテナンス費用まで含めて考えると、長期的にはお得になることも多いです。
確定申告での雑損控除申請
シロアリ駆除費用は国税庁により「害虫その他の生物による異常な災害」として認定されており、「災害減免法による所得税の軽減免除」対象となります。
控除額の計算方法は以下で、いずれか多い方の金額が適応されます。
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還付申告は5年まで遡及可能なため、すでに支払い済みの場合も申請可能です。ただし、駆除ではなく予防にかかった費用は対象外のためご注意ください。
駆除業者に依頼せずDIYをする
ベイト工法に必要な道具や薬剤はネット販売もされており、個人によるDIYも可能です。DIYできれば施工費用は大幅に抑えられます。一般的な住宅の敷地面積約30坪、外周40メートルの場合、以下のような費用感です。
| プロによる施工 | DIY | |
| 初期設置 | 120,000円〜200,000円 | 16,000円〜24,000円 |
| 2回目以降の設置 | 40,000円〜60,000円 | 16,000円〜24,000円
(初期設置費用と同じ) |
以下、DIYのメリットとデメリットです。
DIYのメリット
- 初期設置費用を削減できる
- 駆除業者と予定を合わせる必要がなく、自分のペースで作業ができる
DIYのデメリット
- 効果的な場所へのベイト剤設置が難しく、シロアリのおびき寄せに失敗する可能性がある
- 一般家庭用のベイト剤は業者用に比べて殺蟻成分が少なく、十分な効果を得られない可能性がある
- 定期確認の手間がかかる
ベイト工法のDIYについて、さらに詳しく知りたい方は下記もご覧ください。
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総じて、DIYではシロアリ駆除では被害状況の正確な把握、効果的な駆除方法の選定が難しいです。
ベイト工法は効果が表れるまでに数ヶ月から半年かかる施工方法であり、侵食された柱のリフォームや、場合によっては建て替えまで必要になることを考えると、効果があるかどうかわからない方法を長期間続けるのは危険です。
シロアリ被害が心配な場合、まずは駆除業者への無料相談をおすすめします。プロに任せ、早期発見・早期対策を実行した方が、トータルで見れば安くすむケースも多いです。


ベイト工法の料金に関してよくある質問と回答
ベイト工法に関するよくある質問をまとめました。契約後のトラブルを避けるために、ご活用ください。
途中で契約解除できますか?
基本は可能ですが、条件は業者により異なります。
そもそも、「法定書面を受け取った日を含めて8日間」は法律によって定められたクーリングオフの対象期間なため無条件で解約可能です。
上記期間外の場合、中途解約についての契約内容に従います。追加費用はかからなくても、設置済みステーションの撤去費用が発生する場合もあります。解約条件を契約前に必ず確認しましょう。
他社から乗り換える場合の費用はどうなるの?
シロアリ駆除業者によります。
調査や測量にかかる費用は再度発生する可能性が高いです。他社の利用した道具(ステーションや毒餌など)が再利用可能の場合、費用削減してもらえる可能性もあります。
また、シロアリ駆除業者のなかには乗り換え割引制度を提供している業者もあります。興味があれば検索してみてください。
まとめ
ここまでベイト工法の料金相場から費用を抑える方法まで解説してきました。
ベイト工法の料金相場は、初年度が建物外周1mあたり3,000~5,000円、2年目以降は建物外周1mあたり1,500円〜2,000円/m円です。
費用を抑えるには長期契約による割引制度の活用、確定申告での雑損控除申請、DIYなどの方法があります。
ただし、シロアリ対策は専門性が高く、素人に完璧な施工は難しいでしょう。ベイト工法は効果が表れるまでに数ヶ月から半年かかる施工方法であり、失敗したことがわかるのも数ヶ月後です。
間違った施工方法は大きな損失につながるため、DIYより業者への依頼がおすすめです。まずは無料診断をご利用いただき、シロアリ被害の状況や駆除費用を確認したうえで、自分にとって最適な駆除方法をご検討ください。
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「家とあなたを護る。」害虫・害獣駆除から雨漏り・大規模リフォームまで。一級建築士事務所ならではのワンストップサービスで、大切な家とお客さまの健康を守ります。害虫・害獣駆除、総合リフォーム、外壁の塗装や屋根の葺き替え、雨漏り工事、建築・土木工事に災害復旧工事などワンストップサービスで施工。シロアリの駆除歴15年、対応件数累計18,000件の豊富な実績があり、経験豊富なスタッフがお客様のニーズに合わせて、害虫駆除いたします。 |










